工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

ピギーバックの行進 その1 クム80000の積荷をディテールアップする

2020年06月11日 | 鉄道・鉄道模型
 ごぶさたしておりました。公私とも少々忙しかったのと、ブログのための仕込みもございまして、なかなかパソコンの前に座れませんでした。2月、3月に作っていた飛行機の模型もまだ紹介できていませんので、書きたいことはいろいろあるのですが・・・。
 緊急事態宣言も解除され、生活が元に戻り始めている方もいらっしゃるでしょう。私も再開した模型屋さんを覗いたりしましたが、一部のお店では副資材と言われる塗料、うすめ液などが品薄となっていました。通販で巣ごもり消費が堅調だったのか、こういったものは不要不急のものとして生産・流通が止まっていたのか分かりませんが、困られている方もいらっしゃるのではと思います。日頃から醤油とオリーブ油とうすめ液は必ずストックが1本ずつ(もちろん前二者とうすめ液は別々の場所に保管していますが)あるように気をつけていましたので、私は今のところ支障なく模型作りを続けています、と言いたいところでしたがマスキングテープを切らしてしまい、いくつかのお店を回って入手しました。
 さて、今日は自動車の話なのですが、鉄道模型に出てくる自動車が主人公です。トミックスからクム80000という貨車が発売されています。最近では1年半ほど前に再販されまして、何輛か買いました。クム80000というのは国鉄末期に登場したピギーバック貨車で、4tトラックをそのまま貨車に乗せ、貨物列車として長距離輸送ができるようになっておりました。この頃の日本は好景気に沸き、物流も盛んではありましたが、長距離輸送は大型の10tトラックを使い、地域の輸送は4tトラックに積み替えておりました。このため、4tトラックを貨車に乗せて長距離輸送することで積み替えの負担を軽減できるようになり、運送業者からは歓迎され、各事業者のロゴやマークの入ったトラックが貨車に乗せられ本州各地を行き来しておりました。
 やがてバブル崩壊後の景気低迷で需要も落ち込み、またトラックの自重も含めて貨物運賃に含まれることからコストも高くつき、運送業者からは敬遠されるようになり、平成12年にはピギーバック列車は全廃されました。ピギーバック開始当初はテレビニュースでも取り上げられ、なかなか興味深い試みと思いましたし、環境にも優しい輸送形態でしたが、なにか寂しい最後だったように思います。
 模型を見てみましょう。貨車と4tトラック2台、デカールがセットされています。貨車の方も常備駅やナンバー、形式など、狭いところにどうやって貼るの!?と言いたくなるくらい難易度が高い作業が待っています。
 貨車に載せるトラックが今回の主人公です。

シャシーとバン、キャブは外すことができます。キャブには透明プラスチックのブロックが窓ガラスとしてはめ込まれています。

外せるとは言っても軽く接着されているようです。また、古いロットの製品はキャブを外すことが難しいものもあります。窓ガラスのパーツをキャブから引き抜くのもコツがいりますので、無理に力をかけたりしないよう気をつけてください。もし、どうしても外せないようならあきらめて次の作業に進みましょう。
 デカールは西濃運輸のものが用意されています。

そのまま切り出してもよいのですが、バン部分は凹凸が多いためなじませるのが難しいこと、余白部分が経年変化で黄変するおそれもありますので、文字、ロゴ、帯などに分けて極力切り出して余白部分を減らしておきます。

水にくぐらせたデカールを丁寧に位置決めした上で貼り、マークソフターなどの軟化剤を塗り、なじませます。
キャブもカンガルー便になるよう塗り分けていきます。クリームはGM鉄道カラー28番(アイボリーB)、青い部分は同16番(青20号)です。ヘッドライトを銀に、グリル部分をつや消し黒に塗ってあります。

デカールを貼ったバンは最低でも一晩乾かし、半光沢の水性トップコート(クリアー)を吹き付けます。
ホイールも銀色に塗ります。
十分に乾いたらバンをシャシーに固定して完成です。

カンガルー便だけでなく、他の事業者のトラックも別売りのデカールで再現できます。次回はそれらを紹介しましょう。

参考文献 RM LIBRARY84 車を運ぶ貨車(下) 
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