工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

I Stand Alone

2023年12月29日 | ジオラマあれこれ
 年の瀬に1/35の人形を作って、ちょっとしたビネットにしてみました、というのが今日のテーマです。
 タミヤ1/35でドイツ機関銃手・ドイツ空軍戦闘機エースパイロット2体セットというキットが出ています。もともと1/16で同じ内容のキットが出ていますが、それのスケールダウン版のようです。秋葉原の某模型店でセール品となって出ており、人形の塗装の練習にと思い、購入しました。

 ドイツ機関銃手ですが、コートを着込み、MG42を肩に担いだ姿で、個人的には大戦後期の苦しい戦いを強いられるドイツ軍のイメージです。組立については特に問題はありません。あとは塗装でどれだけ頑張れるかということになります。
 ビネットに組み込む前の姿です。襟章のデカールを貼る前です。

後姿も抜かりなく再現されています。

人形の塗装については、シェパード・ペインの「ダイオラマの作り方」に出ている内容をなぞっただけで、新しいことはしていません。すべて筆塗りです。服はファレホのドイツ軍ユニフォーム色ですが、ハイライト、シャドーをつけていますので、だいぶ印象が違うのではないかと思います。また、裾まわりはタミヤカラーアクリルのフラットアースを薄く溶いて塗りました。顔はファレホのダークフレッシュという色を使い、はじめから暗めにしています。
ヘルメットや飯盒、ガスマスクケースはタミヤカラーのフィールドグレーです。MG42については、はじめに艶消し黒で下地を作った後に、タミヤカラーエナメルのガンメタルとメタリックグレイを混ぜたものを塗りました。
ビネット用のレンガですが、こちらもタミヤのレンガセットが手元にあったので使いました。縦に二枚使い、崩れた感じを出すためにニッパー、レザーソウでランダムに斜めに切りました。

はじめにファレホのフラットブラウンで全体を塗り、そのあとでランダムに薄茶、オレンジなどを混ぜたり、そのまま塗ったりということで一つ一つの違いを出しました。足元に近いあたりは少し暗めにしているほか、部分的に黒系の色をすりこみ、煤けた感じを出しました。一つ一つがはっきり造形され、目地も深いので墨入れの要領で目地も容易に再現できました。普段はNゲージのもっと小さいレンガを塗り分けたりしていますので、それに比べれば苦労の甲斐も目に見える形で表れてくれます。レンガの壁の上段にはプラ材を切り出してグレー色に塗ったものを貼り「石材が乗ってます」という感じを出しました。
地面は情景テクスチャーペイントのライトグレイを塗ったのですが、セメントっぽい色で気に入らず、一日おいてからアクリルガッシュのニュートラルグレイ、アンバーを混ぜた色で塗りなおしました。レンガの壁を置き、兵士の足元のあたりにレンガの破片、箱、伸ばしランナーで作った薬莢やらを撒き、その上から情景テクスチャーペイントの粉雪をランダムにすりつけています。

ビネットの全景です。



哀愁漂う後姿です。

後ろの装備も汚したり色を考えたのですが、あまり見えなくなってしまいました。

このビネットですが、圧倒的な物量を誇る連合軍の攻勢から何日も耐え、ようやく押し返したものの、10キロ南にいる主力部隊が窮地に追い込まれているということでせっかく守った陣地を捨て、転進しようとしている姿をイメージしました。疲れと安堵を覆いつくすようなどこかやるせない表情が見て取れますでしょうか。

このビネットには「I Stand Alone」というテーマをつけました。私の好きなT-Squareのバラードなのですが、作曲の安藤正容さんのギターをフィーチャーした哀愁漂う曲で、途中から入ってくる伊東たけしさんのサックスもまた、情感あふれるものとなっており、冬が似合う曲でもあります。

もう一つ、ルフトバッフェのエースです。

こちらもファレホのルフトバッフェユニフォーム色を基調にしています。もともと黒っぽい色ですので、ハイライト、シャドウが難しく感じました。

顔は戦闘中ではなく、地上でリラックスした状態に思えますので、ファレホのベーシックスキントーンを基調にしています。
救命胴衣は指示通りタミヤカラーアクリルのダークイエローです。シャドウ部分はダークイエローにフィールドグレーを混ぜたものを、ハイライトにはイエローグリーンを少量混ぜています。

ビネットについては機関銃手に比べるとお手軽で、情景テクスチャーペイントの草・グリーンを塗布しているだけです。傍らにドラム缶を置いて、足元には子犬を置きました。こちらは初代・動物セットに入っていたもので、それこそ発売と同時くらいに買ったものでしたが、なかなか使い道がなく、数十年の時を経て登場していただきました。私は犬が苦手なので、あまり上手に塗れていません。失礼。


パイロットの方に話を戻しますが、こちらもどこか斜に構えたような、明日の身の保障がないことをどこか感じているような表情で仕上げました。

ドイツ空軍のパイロットについては、酣燈社からその昔出ていた「第2次大戦 世界の戦闘機隊 付・エース列伝」という書物の中で詳しく知ることとなり、パイロットたちの容貌、容姿も含め、他の国とは違う、という感がありました。エースパイロットの戦後もまた、さまざまでしてトップエースのハルトマン、バルクホルン、ラルなど西独空軍で幹部になった人たち(中にはスタインホフのように参謀総長になったエースもいます)、ヴァイセンベルガーのように戦後レーサーとなるも、1950年にニュルブルクリンクで毎年行われていた「アイフェルレンネン」というレースで事故死した人もいます(ウィキペディアの日本語版ではF2レースと記載がありますが、英語版ではF3となっています。F1はこの年から始まっていますが、F1のドイツGPはその翌年まで待たなければなりませんでした)。

最後はモノクロで、この二人を写した写真です。












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