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都、築地の土壌調査へ 「汚染の恐れ」 営業継続に異論も 豊洲移転問題

2017年03月01日 | 政治
都、築地の土壌調査へ 「汚染の恐れ」
営業継続に異論も 豊洲移転問題
日本経済新聞 朝刊 2017/3/1 2:30

 東京都は28日、築地市場(中央区)の敷地に「土壌汚染のおそれがある」とした文書を正式に発表した。同市場の土壌調査を実施する。小池百合子知事は豊洲市場(江東区)の安全が確認できないとして移転を延期したが、築地の安全が確認できなければ、同市場での営業継続に異論が出る可能性もある。豊洲に加え築地の安心・安全も移転の論点に浮上してきた。




 発表した文書は築地市場跡地を通る予定の幹線道路、環状2号建設のための届出書。都環境確保条例に基づき、都建設局が都環境局に2016年3月25日付で提出した。



 届出書によると、築地市場の敷地は戦後、進駐軍が接収してドライクリーニング工場を建設し、クリーニングに用いる溶剤「ソルベント」タンクを2基設置した。多量の溶剤が用いられた可能性が高く、「土壌汚染のおそれがある」と指摘している。ただ、どのような物質に、どの程度汚染されているのかはわかっていない。

 都は築地市場の空気中の有害物質調査は実施している。環境基準を満たしているが、豊洲市場より高いベンゼンが検出された。都は「築地市場は吹きさらしで排ガス由来のベンゼンが漂っている」とみている。しかし、築地市場で大規模な土壌調査は行ってこなかった。

 築地市場協会の伊藤裕康会長は「築地市場は土壌汚染だけでなく、老朽化した建物や狭い敷地など劣悪な環境が問題。小池知事にこうした点を訴えたい」と語った。

 都は2月23日、築地市場の6棟で耐震基準を満たしていないことを報告。発がん性物質のアスベストが建物に残っていることも判明している。

 一方、豊洲市場は地下水の調査で飲み水の環境基準の79倍のベンゼンなどを検出し、都は再調査している。ある水産仲卸経営者は「築地も豊洲も両方ダメとなると困ってしまう」と漏らした。

 都の環境確保条例は、敷地面積が3千平方メートル以上の土地を改変する際、土地利用履歴の調査・届け出を義務付けている。汚染の恐れが判明した場合、着工までに土壌汚染調査を求めている。

 都は28日、築地市場ですでに完成している増築工事など8件でこの届け出がなかったことも明らかにした。今回、汚染の可能性が判明したため、この8件を対象に地下50センチメートルの土壌を調査する。結果が出るまで3~4カ月かかるとみられる。

 小池知事は28日記者団に、築地市場の土壌について「コンクリートやアスファルトでカバーされていて汚染の観点で法令上の問題はない」と語った。ただ、汚染の恐れが明らかになったことで対策を迫られる可能性もある。移転問題はさらに先が見通せなくなった。


「共謀罪」通常国会に提出へ 首相、与党幹部に伝達

2017年01月05日 | 政治
「共謀罪」通常国会に提出へ 首相、与党幹部に伝達
 政治/2017年01月05日 13:51 岐阜新聞



 安倍晋三首相は5日昼に官邸で開いた政府与党連絡会議で、テロ対策強化策として「共謀罪」の新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を、今月20日召集の通常国会に提出する方針を与党幹部に伝えた。出席者が明らかにした。菅義偉官房長官も記者会見で「テロ対策のための法律を政府として考えている」と表明した。2020年の東京五輪・パラリンピックに備えるため、成立を急ぐ必要があると判断した。

 首相は改正案の今国会成立をにらみ、対応に万全を期すよう与党側に要請した。

 菅氏は会見で、東京五輪に関し「テロを含む組織犯罪を未然に防ぐため、万全の体制を整えることが必要だ」と強調した。


厚木基地騒音訴訟(一審、二審を退けて最高裁で住民敗訴の判決)におけるマスコミの報道を見比べる

2016年12月11日 | 政治

厚木基地騒音訴訟では一審、二審の判決を退けて最高裁では住民敗訴の
判決が出された。
厚木以外に自衛隊、米軍の5基地の騒音訴訟が係争中であリ、
今回は、基地の騒音を巡る行政訴訟で初の最高裁判決であり、大きな影響を
与えそうだ。
判決を伝えるマスコミの報道を魚拓として貼っておきたい。 


【東京新聞】 厚木基地騒音訴訟の最高裁判決 周辺自治体首長ら「違法性に変わりない」
 2016年12月9日

厚木基地に駐機する自衛隊機。最高裁判決では自衛隊機の飛行差し止めは退けられた=大和市内で

写真

 米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(大和、綾瀬市)をめぐる第四次厚木基地騒音訴訟の最高裁判決。騒音の主因である米軍機の飛行差し止めは退けられ、自衛隊機の一部飛行差し止めなどを認めた二審判決からも後退するなど、原告側には厳しい判断となった。ただ基地周辺自治体の首長らは「違法性に変わりはない」と、被害の大きさがあらためて認められたことを重視。被害の抜本解消に、国の対応を求めた。 (原昌志)

 「一連の訴訟を通じて、騒音被害の深刻さがあらためて示された」

 黒岩祐治知事はこう談話を出し、「国は、四度にわたり被害の違法性が認められたことを重く受け止め、抜本的解決に最大限努力することを強く求める」と訴えた。日米間の合意で、二〇一七年ごろに米空母艦載機を岩国基地に移駐するとされており、実現に向けて「関係市と連携し、粘り強く国と米側に働き掛ける」とした。

 基地を抱える大和市。大木哲市長は「二審の判断が見直されたものの、これまでの司法判断はいずれも被害がいかに深刻かを示すものだ」と指摘。「基地周辺住民の大きな負担の上に、わが国の安全保障が成り立っている」とし、「一日も早く空母艦載機の移駐を」と求めた。

 「司法が騒音被害の違法性を認めている事実に変わりはない。国は騒音問題の抜本的解決に向け努力することを求める」とするのは、同じく地元・綾瀬市の古塩政由市長。相模原市の加山俊夫市長も「騒音被害の違法性は一審、二審と同様」とした上で「人口密集地の上空を激しい騒音を伴いながら飛行する異常な事態を、一日も早く解決すべきだ」と訴えた。

 海老名市の内野優市長は「厚木基地周辺は、長年にわたり騒音被害が発生しており、市民生活に大きな影響を及ぼしていることを国は重く受け止めるべきである」。横浜市の林文子市長は「このたびの判決にかかわらず、国は重く受け止める必要がある」とし、座間市の遠藤三紀夫市長は「結果について真摯(しんし)に受け止めていきたい」とコメントした。

【読売新聞】厚木基地訴訟、自衛隊機差し止め認めず…最高裁
 2016年12月08日 20時19分<iframe class="hatena-bookmark-button-frame" style="font-size: large;" title="このエントリーをはてなブックマークに追加" frameborder="0" scrolling="no" width="50" height="20"></iframe>

  • 第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決を前に、横断幕を手に最高裁に向かう原告団(8日午後1時19分、東京都千代田区で)=武藤要撮影
    第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決を前に、横断幕を手に最高裁に向かう原告団
    (8日午後1時19分、東京都千代田区で)=武藤要撮影
  • 第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決後、「逆転不当判決」などと書かれた旗を掲げる原告側の弁護士ら(8日午後3時28分、東京都千代田区で)=武藤要撮影
    第4次厚木基地騒音訴訟の上告審判決後、「逆転不当判決」などと
    書かれた旗を掲げる原告側の弁護士ら

    (8日午後3時28分、東京都千代田区で)=武藤要撮影

 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民らが、騒音被害を受けているとして国に飛行差し止めなどを求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の上告審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、自衛隊機の夜間早朝の差し止めを命じた2審・東京高裁判決を破棄し、請求を棄却する判決を言い渡した。

 自衛隊機の運航に高度の公益性があることや、国による騒音対策を踏まえ、「運航が妥当性を欠くとはいえない」と判断した。住民側の逆転敗訴が確定した。

 5人の裁判官による全員一致の意見。第4次訴訟は自衛隊機の飛行差し止めを行政訴訟で求めた初のケースで、今後、他の基地で行政訴訟が起こされた場合も、差し止めは難しくなった。同小法廷は、住民側が求めていた米軍機の差し止めや、2審が初めて認めた将来分の騒音被害に対する賠償も退けた。

 この日の判決はまず、自衛隊機の飛行差し止めの是非を判断するにあたっては、〈1〉運航目的の公共性・公益性〈2〉騒音被害の性質や程度〈3〉被害の軽減措置の有無や内容――を総合考慮すべきだとした。

 その上で、「厚木基地における運航は、日本の平和と安全や、国民の生命、財産の保護の観点から極めて重要な役割を果たし、高度の公益性、公共性がある」と指摘。自衛隊機の騒音被害は「軽視し難く、重大な損害が生じるおそれがある」と認定する一方で、国が午後10時から翌日午前6時まで訓練飛行を自主規制していることや、住宅の防音工事などに1兆円超を投じてきたことを評価し、「防衛相に裁量権の逸脱や乱用は認められない」として、運航を容認した。

 1審・横浜地裁は、午後10時から翌日午前6時まで、やむを得ない場合を除いて自衛隊機の差し止めを認めた。2審も差し止めを認めたが、期間は今年末までに限定していた。

 米軍機の差し止めについては、「国に権限がない」として退けた1、2審判決を同小法廷も支持した。

 民事訴訟による賠償請求は、2審が将来分(計約12億円)も認めたが、同小法廷は最高裁判例を踏まえ、「不適法」として却下した。過去分(計約82億円)については国が上告せず、既に支払われている。

 厚木以外に自衛隊、米軍の5基地の騒音訴訟が係争中で、差し止めはいずれも民事訴訟で争われている。

2016年12月08日 20時19分 

 

 

【朝日新聞】厚木騒音訴訟、飛行差し止め・将来分賠償認めず 最高裁
河原田慎一

2016年12月8日21時02分

 

 米軍と自衛隊が共同で使う厚木基地神奈川県大和、綾瀬市)の周辺住民ら約7千人が、軍用機の飛行差し止めや騒音被害に対する損害賠償を国に求めた訴訟の上告審判決が8日、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)であった。一、二審判決が認めた自衛隊機の夜間・早朝(午後10時から午前6時まで)の飛行差し止めを一転して退けたほか、二審判決が認めていた将来の騒音被害に対する損害賠償についても訴えを却下した。

 5人の裁判官全員一致の意見。各地の同様の基地騒音訴訟にも影響しそうだ。

 第4次となる厚木基地訴訟は、2007年に提訴。自衛隊機の運航を「行政の公権力行使」ととらえ、その違法性を問う「行政訴訟」の形でも初めて訴えた。

 第一小法廷は、住民に重大な損害のおそれがあることなどから、行政訴訟の要件を満たしていると判断。運航の権限を持つ防衛相に、差し止めが認められるほどの裁量権の逸脱、乱用があるかを検討した。公益性や騒音被害の程度、防音対策などを総合的に考慮した結果、「自衛隊機の運航が、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くとは言えない」と結論づけた。

 一方、将来分の損害賠償について二審判決は、米空母艦載機岩国基地山口県)への移転を見越して今年末までの将来分の支払いを認めていた。しかし第一小法廷は、「賠償額をあらかじめ明確に認定できない」と指摘。訴えは不適法だとして覆した。過去分の賠償については、二審判決が命じた約82億円がすでに支払われている。

 この訴訟で住民は米軍機の飛行差し止めも求めたが、最高裁は審理の対象とせず、訴えを退けた二審判決が確定した。(河原田慎一)

 

【毎日新聞】自衛隊機飛行差し止め請求棄却 最高裁
2016年12月8日 15時15分(最終更新 12月9日 09時17分)

 
上告審判決のため最高裁に向かう第4次厚木基地騒音訴訟の原告団
=東京都千代田区で2016年12月8日午後1時18分、徳野仁子撮影

 厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の周辺住民約7000人が米軍機と自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた「第4次厚木基地騒音訴訟」の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は8日、自衛隊機の夜間・早朝の飛行禁止を命じた2審判決を破棄し、住民側の差し止め請求を棄却した。飛行差し止めについては住民側の逆転敗訴が確定した。2審判決のうち、過去の騒音被害に対する国の賠償を約82億円とした部分は既に確定していた。

 1、2審は米軍機飛行差し止めの請求は退けたものの、全国で初めて自衛隊機の飛行差し止めを認めたため、最高裁の判断が注目されていた。小法廷は、2審が今月末までの将来分の損害賠償として約12億円の支払いを認めた部分も破棄した。過去分の騒音被害を金銭で救済する従来の司法判断の枠組みに後退する内容となった。

 

 周辺住民らは当初、民事訴訟を起こし、騒音被害に対する損害賠償と米軍機、自衛隊機の飛行差し止めを求めていた。最高裁は1993年2月の1次訴訟判決で、差し止め請求を退ける一方で国の賠償責任を認め、全国の基地訴訟で賠償によって被害救済を図る司法判断が定着した。

 一方、93年判決は自衛隊機の運航が「防衛庁長官(当時)の公権力の行使に当たる」との判断を示し、行政訴訟であれば差し止めが認められる可能性を残した。このため住民側は4次訴訟で民事訴訟とともに初めて行政訴訟を起こした。米軍機に対する差し止め請求は却下されたが、1、2審で自衛隊機の夜間、早朝の飛行禁止が認められた。

 小法廷は、飛行禁止時間の延長を求める住民側と、差し止めの取り消しを求める国側の双方の上告を受理。審理対象を自衛隊機の差し止め部分に限定し、2審の結論見直しに必要な弁論を開いた。

 国は「米軍機の騒音を被害に含めるのは誤りだ」と主張。自衛隊の活動には公共性があり、夜間・早朝の飛行も防衛相の裁量権の範囲内にあるとした。

 一方、原告弁護団は「睡眠障害などの健康被害は金銭では回復できない。2審判決は深刻な被害を解消する第一歩」と強調。原告の住民は「爆音にさらされる状況は今も変わらない。飛行差し止めを認め、裁判を終わらせてください」と訴えていた。
 今回は、基地の騒音を巡る行政訴訟で初の最高裁判決となった。【島田信幸】


【NHK】厚木基地訴訟 最高裁は自衛隊機飛行差し止め認めず
12月8日 15時15分

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神奈川県にある厚木基地の周辺の住民が騒音の被害を訴えた裁判で、最高裁判所は、2審で認められた自衛隊機の飛行差し止めと将来の被害の賠償を認めない判決を言い渡しました。一方、過去の被害に対するおよそ82億円の賠償は確定しました。飛行の差し止めや将来の賠償を認めない判断は、各地の基地をめぐる裁判にも影響するものと見られます。

厚木基地の周辺の住民が起こした4度目の集団訴訟で、2審の東京高等裁判所は、夜から早朝にかけての自衛隊機の飛行差し止めと、将来の騒音被害も含めたおよそ94億円の賠償を国に命じた一方、アメリカ軍機の飛行差し止めは認めず、双方が上告しました。

8日の判決で、最高裁判所第1小法廷の小池裕裁判長は「住民は騒音により睡眠妨害や精神的苦痛を繰り返し継続的に受けている」と指摘し、今回の裁判では住民が行政訴訟を起こすための要件は満たされているという判断を示しました。そのうえで、「自衛隊機の運航には高度の公共性や公益性があり、住民の被害は軽視できないものの、飛行の自主規制や防音工事への助成が行われていることなどを総合的に考慮すれば、自衛隊機の運航が著しく妥当性を欠くと認めるのは困難だ」として、飛行の差し止めを認めませんでした。

また、騒音被害については、将来の被害の分まで賠償を認めるのは過去の判例に違反するとして、2審で認められた賠償のうち、将来の被害の分が取り消され、2審が終結した時までの分としておよそ82億円の賠償が確定しました。

アメリカ軍機については住民の上告が退けられ、飛行差し止めを認めない判断が確定しました。

自衛隊やアメリカ軍の基地の騒音をめぐっては、厚木基地のほかにも5か所で裁判が起こされていますが、最高裁が飛行の差し止めや将来の賠償を認めなかったことで、判断に影響するものと見られます。

官房長官「判決は国の主張へ裁判所の理解」

菅官房長官は後の記者会見で、「判決は、国の主張について裁判所の理解を得られたものだ。航空機騒音の影響に可能な限り配慮するのは当然であり、政府としては、アメリカ側に要請するとともに、空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐を着実に進めていきたい」と述べました。
また、菅官房長官は「住宅防音工事等の各種周辺対策をこれからも行っていきたいと思うし、厚木基地周辺の騒音を軽減して、周辺住民の負担軽減を図ることができるように、政府としては努力していきたい」と述べました。

原告団長「大変残念だがさらに戦う」

原告団の金子豊貴男団長は判決のあとの会見で、「大変残念な結果だったが、最高裁判所から、『努力不足だ、もっと戦え』と言われたと受け止めて、この判決にへこたれず、全国の仲間とともにさらに戦っていきたい」と述べ、5度目の集団訴訟を起こす考えを示しました。

また、弁護団の中野新団長は「最高裁判所は何も進歩していない判決を出すのだと残念に感じた。今後は、この最高裁の非常識な理屈を突破していかなければいけない。気を落とさずに、戦いの輪をこれからも広げていきたい」と話していました。

各地の基地訴訟に影響も

従来のように過去の騒音被害に対する賠償だけを認めた最高裁の判断は、各地の基地をめぐる裁判にも影響するものと見られます。

40年余り前に各地で始まった基地の騒音をめぐる裁判では、平成5年に最高裁判所が国の賠償責任を認めなかった2審の判断を取り消してから、賠償を命じる判決が相次ぐようになりました。

一方で、飛行の差し止めについては訴えが退けられてきましたが、平成5年の判決の中で最高裁は、日本政府の権限の下で運航される自衛隊機については、住民が民事訴訟ではなく行政訴訟を起こせば差し止めが認められる可能性を示唆しました。

厚木基地で4度目となる今回の集団訴訟では、住民が民事訴訟とともに初めて行政訴訟も起こし、1審の横浜地方裁判所と2審の東京高等裁判所で初めて自衛隊機の飛行差し止めが認められました。また、これまでの民事訴訟では、2審が終結したときまでの「過去の被害」に限って賠償が認められていましたが、東京高裁は、アメリカ海軍の航空団が別の基地に移転するまでの「将来の被害」も認める異例の判断を示していました。

しかし、最高裁はいずれの判断も取り消し、従来のように2審が終結したときまでの被害に限って賠償を命じました。

騒音をめぐる裁判は、東京の横田基地、石川県の小松基地、山口県の岩国基地、沖縄県の嘉手納基地、沖縄県の普天間基地でも起こされ、住民が将来の被害も含めた賠償を求めていますが、8日の判決が影響するものと見られます。

また、今回のように行政訴訟で自衛隊機の飛行差し止めを求める裁判が厚木基地以外で起こされた場合にも影響を受けることになります。

専門家「訴訟のハードルは高く」

最高裁判所の判決について、基地の騒音をめぐる裁判に詳しい東京経済大学の礒野弥生教授は「飛行の差し止めが否定されたわけではなく、自衛隊がきちんと騒音対策をとることが条件になったといえる。飛行の自主規制をしない基地では差し止めが認められる可能性はある」と指摘しています。

一方で、「騒音の緩和策や飛行の自主規制などの努力をしていれば夜間飛行の差し止めは認められないという意味で、今後、差し止めを求める訴訟のハードルは高くなった」と話しています。
 

【沖縄タイムズ】社説[厚木基地騒音訴訟]救済の道狭めた判決だ
2016年12月9日 07:00

 同様に、二審判決が認めた「将来分」の騒音被害の損害賠償も認めず、過去分の約82億円にとどめた。

 騒音被害の大きな要因となっている米軍機の差し止め請求は、一、二審同様に審理対象とせず退けた。

 住民側の逆転敗訴だ。

 判決は住民の健康被害について、騒音によって精神的苦痛を継続的に受けており、「睡眠妨害の程度は深刻で軽視できない」とした。一方、自衛隊機について夜間・早朝飛行の自主規制が取られ、住宅防音工事への助成などの対策が講じられていると指摘した。

 つまり騒音被害による国の賠償責任は認めながらも、一定の対策は取られており、過去分の賠償を金銭で支払わせるから、それで我慢してくれ、と言わんばかりの司法判断だ。被害の大本である米軍機や自衛隊機の飛行はそのままである。

 住民が真に求めているのは賠償金ではない。静かに暮らせる環境だ。国の対策が効果を上げていないから飛行差し止めを求めているのだ。人権の砦(とりで)である司法が、自らの役割である住民救済の道を狭めたに等しい。

■    ■

 厚木基地の周辺住民が第1次訴訟を起こしたのは1976年。既に40年がたつ。基地騒音を巡る訴訟は、沖縄の嘉手納、普天間の両爆音訴訟をはじめ、横田(東京)、小松(石川)、岩国(山口)でも続いている。

 厚木の4次訴訟は、民事訴訟だけではなく、行政機関の権限行使の是非を問う行政訴訟として、差し止めを求めた初のケースだ。2015年7月の二審判決は、自衛隊機の夜間・早朝飛行差し止めと、将来分の損害賠償を認めた。被害救済の幅を広げたとして、住民側から「一歩前進」と受け止められた。

 それだけに、今回の最高裁判決は後退であり、到底納得できない。

 一部の地域に負担を強い、小手先の対策を講じるだけで騒音被害を長年放置し、訴えがあれば過去分の賠償金を払って収める-。これを繰り返すのは政治の堕落だ。

■    ■

 11月の第2次普天間爆音訴訟の那覇地裁沖縄支部判決は、「違法な被害が漫然と放置されている」と国を批判した一方、米軍機の差し止め請求を棄却した。根本的な解決を図るには、飛行差し止めしかない。判決は矛盾している。

 「日本の法の支配が及ばない」として、米軍機の飛行差し止め請求を退ける。いわゆる「第三者行為論」に基づく司法判断が続く限り、住民の苦しみは続く。そもそも日本政府が提供した基地を米軍機が利用し、騒音が発生している。米軍機が「第三者」であるはずがない。政府も司法も、責任を持って被害の訴えに向き合ってもらいたい。

 
 

日露首脳 領土問題で協議

2016年11月20日 | 政治
日ロ首脳、1対1で領土問題協議
安倍首相「いい話し合いできた」
2016/11/20 10:26 日経

 【リマ=地曳航也】ペルーを訪問している安倍晋三首相は19日夕(日本時間20日朝)、リマ市内のホテルでロシアのプーチン大統領と約70分間会談した。12月15日に首相の地元・山口県長門市で首脳会談を開くのに続き、翌16日にも東京で会談することを確認した。首相は終了後、記者団に「12月の訪日に向け良い話し合いができた」と語った。


 首相とプーチン氏の会談は今年に入り3回目、第1次安倍政権時代を含めると15回目となる。最初の35分間で全体会合をした後、双方の通訳を残し2人だけで協議。日本政府側の説明によると、2人での会談は北方領土問題を中心に話した。

 全体会合では「8項目の経済協力」の進捗を確認。首相はプーチン氏の訪日準備を加速するため岸田文雄外相をロシアに派遣する方針を示した。プーチン氏は8項目の経済協力を「良い計画だ」と評価し「人の交流をさらに伸ばしていく必要がある」とも語った。

 首相は会談終了後、記者団に北方領土問題を含む平和条約交渉について「解決に向けて道筋が見えてきているが、一歩一歩山を越えていく必要がある。着実に一歩一歩前進していきたい」と指摘。「プーチン大統領と2人きりで腹蔵ない意見交換ができた。2人の信頼関係の上でなければ前進していかない。2人でしっかりと話せたのは意義があった」と強調した。

安倍首相「日本がTPP主導」発効厳しいと認識

2016年11月14日 | 政治
安倍首相「日本がTPP主導」発効厳しいと認識 参院特別委
11.14 17:58 共同通信

安倍首相は14日午前、参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会に出席。「米国が政権交代期にある今、わが国こそが早期発効を主導しなければならない」と述べ、TPP推進の方針が変わらないことを明確にしました。
ただ、トランプ次期米大統領が脱退を掲げているため、発効の可能性については「大変厳しい状況になってきた」との認識を表明。「決して終わってはいない」とも語り、国会承認の意義を強調しました。

また、ペルーの首都リマで19日から開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、TPP参加国による首脳会合を開催することが決まったことも明らかにしました。

【祝】生活が「自由党」に党名変更 小沢氏発表

2016年10月12日 | 政治
生活が「自由党」に党名変更 小沢氏発表
2016/10/12 17:30 日経

 生活の党の小沢一郎共同代表は12日、記者会見で党名を「自由党」に変更すると発表した。来年1月の衆院解散・総選挙の可能性を踏まえ、党勢拡大を狙った。これに先立つ両院議員総会で正式に決定し、月内にも党名変更の手続きを済ませる見通し。

 自由党は小沢氏が新進党を解党し、1998年に結成して党首を務めた政党と同じ名前。すでに先週から党員らを対象に郵送のアンケートを送付し、意向を確認していた。小沢氏は「自由党のときが一番政治的理念も政策も純粋ではっきりとして、筋道の通った活動をすることができた。国民の支持ももらった。その意味で原点回帰ではないが、皆の気持ちが一致した」と語った。

 党首として自由党を率いた小沢氏は自民、公明両党との連立政権を2000年に離脱し、03年に旧民主党と合併した。

税逃れ課税、対象国拡大 法人税率20%以上も 財務省検討

2016年09月29日 | 政治
税逃れ課税、対象国拡大 法人税率20%以上も 財務省検討
2016/9/29 3:30 日経朝刊

 財務省は企業や個人が税を逃れるために海外に移した所得に対し、日本から課税する仕組みを強化する。現在は法人税率が20%未満の国・地域の事業実態のないペーパーカンパニーが対象だが、中国や韓国など20%以上の国・地域にも広げる。企業が自己申告する仕組みも入れ、事務負担増に配慮しながら過度な課税逃れを防ぐ。

 29日の政府税制調査会に財務省の考えを示す。中国や韓国には日本企業の子会社が多いため、経済界は税逃れ対策の強化に伴う事務負担増に反発していた。今回、財務省が企業の負担軽減策も併せて示すことになり、経済界も受け入れる見通しとなった。今後、与党の税制調査会と2017年度税制改正に盛り込むための調整に入る。

 財務省が見直すのはタックスヘイブン対策税制と呼ばれる仕組みだ。現在は20%未満という税率基準がある。該当する国・地域のペーパーカンパニーの所得は日本の親会社や個人の所得に合算して、日本から課税している。今後は税率基準を廃止し、日本の法人実効税率29.97%より低く、20%以上の国にも対象を広げる。中韓両国のほか、マレーシア、オランダなど約40カ国・地域が新たに対象に加わる。

 新しいタックスヘイブン対策税制では子会社の所得の種類によって、課税の有無を判断する仕組みに変える。配当や知的財産といった事業実態がなくても得られる所得は課税対象にする。一方で、現行制度では課税対象になっているリース事業は事業実態があるとして、対象から外す。

 財務省は新たに対象に加わる法人税率20%以上の国には負担軽減策を設ける方向で検討する。企業が所得の種類を分類する手間を省き、子会社が事業実態のないペーパーカンパニーか自ら判断して申告する仕組みにする。企業や個人が虚偽の申告をしている疑いがあれば税務調査などをかけて実効性を保つ考えだ。

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課税逃れ 対策求める声強まる
2016/9/29 3:30 日経朝刊

▽…国・地域ごとの税率の差を利用して、企業や個人が税率の低い国・地域に利益などを移して税負担を軽くすること。税率が低い国・地域は「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれ、カリブ海のケイマン諸島やバージン諸島などが有名だ。欧州などでは知的財産から生まれる利益に通常より低い税率を適用する「パテントボックス税制」で投資を呼び込む動きもある。

▽…近年は対策を求める声が強まっている。適正に税を徴収できていないことによる不公平感や、本国の監視が届きにくく企業の不正会計、犯罪資金の資金洗浄(マネーロンダリング)の温床になっているとの指摘があるためだ。今年には、富裕層の節税実態などを暴露した「パナマ文書」の公開をきっかけに、租税回避地に多額の投資をしていたアイスランドの首相が辞任に追い込まれる事態も起きている。

▽…経済協力開発機構(OECD)は多国籍企業による行き過ぎた税逃れを防ぐための実行計画をまとめ、各国に対応を促している。互いの国にある金融口座の情報を定期的に自動で交換できる仕組みも整備し、8月には日本がパナマと交換協定を結んだ。



蓮舫民進、出足から暗雲「野田幹事長」に騒然

2016年09月17日 | 政治
蓮舫民進、出足から暗雲 「野田幹事長」に騒然
2016/9/17 0:09 日経

 民進党の代表に就いたばかりの蓮舫氏が、体制づくりの出足でつまずいている。野田佳彦前首相の幹事長起用に党内から批判が相次ぎ、そのあおりで16日中に予定していた他の執行部人事の先送りを余儀なくされた。26日召集の臨時国会が迫るなか、蓮舫氏がめざす挙党態勢の構築にいきなり暗雲が垂れこめている。

民進党の両院議員総会で幹事長に決まった野田佳彦前首相(左)と蓮舫代表(中)=16日午後、民進党本部

 代表選から一夜明けた16日午後、党本部で開いた両院議員総会であいさつに立った蓮舫氏。やや硬い笑顔で「みんなの声を一つにしていく。向かうべきは安倍内閣だ」と切り出すと、「幹事長に野田佳彦衆院議員をご提案させていただきたい」と続けた。「安倍晋三首相と衆院でしっかり対峙できる経験をお持ちの方だ」と説明した。

 蓮舫氏は野田氏が率いる「花斉会」に所属する。野田氏は後ろ盾のような存在だ。弁舌に定評があり、参院議員の蓮舫氏にとって衆院で論戦の核になるとの判断がある。

 野田氏は首相だった2012年、自民、公明両党と消費増税に向けた3党合意を主導。衆院解散に踏み切り、大敗した。蓮舫氏は15日夜、都内で野田氏と会って幹事長を打診したが固辞された。蓮舫氏が「この人事を進めないと他の人事が先にいかない」と押し切った。

 党内は騒然とした。「12年の選挙で議席を失った人の思いもある。責任をしっかり説明すべきだ」(逢坂誠二衆院議員)、「蓮舫氏は清新さを訴え党を変えると言った。これでは何も変わらない」(篠原孝衆院議員)などと厳しい声が続いた。

 事実上の党ナンバー2である幹事長を代表と同じグループから出すのも極めて異例だ。蓮舫氏を支持した他のグループからも「下野の最大の戦犯である野田氏の傀儡(かいらい)政権だ。次の衆院選を乗り切れない」との批判が上がる。

 両院総会に出席したのは147人の全議員のうち60人と半分以下だった。「野田幹事長」を承認した拍手はまばらで、20分ほどで終了。他の人事は週明けに持ち越した。

 蓮舫氏は両院総会の前、代表選で支援を受けた細野豪志元環境相に電話で代表代行への就任を打診した。だが細野氏は回答をいったん留保したうえで党本部の蓮舫氏のもとに乗り込み、野田幹事長案を「党の分裂につながりかねない」と見直すよう直談判した。

 党関係者によると、蓮舫氏は政調会長と国会対策委員長も16日中に決める意向だった。反発した細野氏が「急いで決める必要もない。ここは一呼吸置いたらどうですか」と促した。蓮舫氏は同日、代表の座を争った前原誠司元外相に顧問を打診したが前原氏は断った。

 「自分の政治人生の落とし前をつけるため、火中の栗を拾う。蓮(ハス)の花を下で支える蓮根(レンコン)になったつもりで徹底して下支えする」。野田氏は幹事長就任にあたりこう語った。

 10月には衆院で2つの補欠選挙があり、共産党との協力が焦点となる。野田氏はかねて共産党との連携に慎重だったが、16日は「自民、公明の連合軍に挑むには野党の連携も不可欠だ」と述べた。党内を二分するテーマだけに、残りの人事次第では混迷に拍車がかかる可能性もある。

それでも泉田新潟県知事の知事選出馬を願う!あなたしかいない!

2016年08月31日 | 政治

新潟県の泉田知事の不出馬の理由について、東京で見るテレビ報道では全くわからないので、ネットで調べてみました。

泉田知事の後援会のHPと新潟県のHPには、新潟日報の「日本海横断航路の船舶購入」での報道で県の主張を伝えていないこと、事実とは違う報道がされていることを記載しています。

新潟県HP:http://www.pref.niigata.lg.jp/kowanshinko/1356850852951.html#internalLink1
 

泉田後援会HP:http://www.h-izumida.jp/topics/20160830.html

特に、後援会のHPでは泉田知事本人が下記を書いています。

『新潟県内で大きな影響力を有する新聞社が、県の説明は読者に伝えることはせず、一方当事者の主張に沿った報道のみがなされている状況です。また、東京電力の広告は、今年5回掲載されていますが、国の原子力防災会議でも問題が認識されている原子力防災については、例えば、県が指摘している現在の指針に従えば避難が必要になったときにはUPZ圏内の住民40万人強を2時間で避難させなければならなくなる問題等県民の生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はありません。このような環境の中では、十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しいと考えています。
以上のような状況に鑑み、この秋の新潟県知事選挙からは撤退したいと思います。これまで、ご支援をいただいた皆様方には、お詫び申し上げますとともに心よりの感謝を申し上げます。』

上記のように、泉田知事は、新潟日報が広告主である東京電力のいいなりであることを明確に書いています。
新潟日報は、発行部数約49万部、県下普及率約60%(2005年)と
圧倒的な購読者数を誇る地元紙です。同紙が新潟の世論を形成すると言っても過言ではなく、再三にわたる県の抗議を報道しないのは、泉田潰しと言っても過言ではないと思います。

ますます腹が立ってきました。泉田知事には「やっぱり出る」と選挙告示日当日でも良いので出馬して欲しいと思います。

 

 

 



参考)日刊ゲンダイ(8月31日)の記事:
反原発のシンボル 泉田新潟知事が突然「出馬撤回」の背景 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188900 #日刊ゲンダイDIGITAL


鹿児島知事、川内原発の停止要請へ 九電、来週にも回答

2016年08月27日 | 政治
鹿児島知事、川内原発の停止要請へ
九電、来週にも回答 2016/8/26 15:30 日経夕刊

 鹿児島県の三反園訓知事は26日午後、九州電力に対し、川内原子力発電所(同県)の一時停止と点検・検証を要請する。県庁に瓜生道明社長を呼び、文書を直接手渡す。熊本地震で住民の不安が高まっているというのが理由だ。九電は来週中にも回答する方針。知事に原発を止める法的権限はない。今後は九電の対応が焦点になる。

 新規制基準導入後で、知事が稼働中の原発の一時停止を求めるのは初めて。三反園氏は7月の知事選で脱原発派の支持も得て当選した。19日には川内原発周辺を視察し、原発事故が発生した際の住民の避難計画を「見直す必要がある」と指摘。九電に「タイムリーで正確な情報発信」を求める考えを示した。

 川内原発は1号機が10月6日ごろから、2号機は12月16日ごろから定期検査に入る見通しで、知事の要請の有無とは関係なく一時停止する予定だった。九電は業績への影響を避けるため、定期検査より前の一時停止要請には応じない構えだ。

 川内原発は昨年9月に営業運転を再開した。熊本地震でも原発がある場所は小さな揺れにとどまった。瓜生社長は「いろんな試験で点検はさせていただいている」と強調。安全には問題ないという立場だ。