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トヨタが挑む両刃の剣 配車アプリ最大手に出資 車「共有」で販売減も

2016年05月26日 | 企業研究
トヨタが挑む両刃の剣 配車アプリ最大手に出資
車「共有」で販売減も
日本経済新聞 朝刊 総合2 2016/5/26 3:30

 トヨタ自動車が配車アプリ世界最大手、米ウーバーテクノロジーズと提携する。スマートフォン(スマホ)を活用したライドシェア(相乗り)サービスは利用者を増やし、自動車大手だけでなくIT(情報技術)企業も熱い視線を送る。車を取り巻く環境の激変を象徴するが、自動車会社にとっては両刃(もろは)の剣となるリスクもはらむ。



配車アプリ「ウーバー」ではスマホで乗降場所を指定すれば送迎してくれる
 2009年発足のウーバーはすでに欧米など70カ国・地域の451都市でサービスを手掛ける。民泊サイト「エアビーアンドビー」と共にシェアリングエコノミー(共有型経済)のけん引役で企業価値は7兆円に迫る。



 事業の柱がライドシェアだ。一定条件を満たす個人が有償で利用者を同乗させて運ぶ。欧州など各地で当局やタクシー会社と摩擦が生まれたが数十万人がドライバー役を務めているようだ。

 トヨタは数十億円を出資するとみられ、米国でライドシェアのドライバーにトヨタ車をリース販売する。ウーバーが磨く自動運転技術と連携するかにも注目が集まる。

 この分野では米ゼネラル・モーターズ(GM)など海外勢の先行が目立つ。独フォルクスワーゲン(VW)も24日、イスラエルのゲットに3億ドル(330億円)を出資すると発表。米アップルなどの関心も高く、車やIT大手、新興企業が「競争と協調」を繰り広げる激戦区となりつつある。

 グーグルは車を「消費者がインターネット広告に触れる場所」と位置付ける。アップルは伸び悩むスマホなどの機器販売をカバーし、コンテンツ提供の拡大を狙う。IT大手は車を新たな収益源と位置付けることができるが、自動車メーカーにとっては環境の変化が追い風となる保証はない。

 例えばシェアリングエコノミーでライドシェアと並び注目を集めるカーシェアリング。スマホ普及で個人間貸し借りが容易になり、自動運転によって車の効率利用が進めば、結果として新車販売が減る可能性もある。

 米国では1980年代から2000年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」で、所有から利用に関心が移っていることが顕著だという。こうした傾向が強まれば「ものづくり」のみに依存する収益基盤は揺らぐ。英バークレイズは昨年、「40年に米新車販売は15年比4割減る可能性がある」との見通しを示した。

 年初に米国で開かれた世界最大の米家電見本市では越境提携の増加を示すように車関連の出展が目立った。米フォード・モーターのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は「デジタル化に伴う大きな混乱は避けるものではなくむしろチャンスだ」と強調した。

 大量の部品を組み立てて高品質の車を1千万台規模でつくる事業だけでなく、それらを基盤に新たな付加価値を生み出せるか。トヨタだけでなく自動車メーカー共通の課題となっている。