「google革命の進展」の中でも何度か書いたように、「google」の登場によりポータルサイトは確実に地盤沈下するだろうと思っていることもあって、今回のポータルサイト「goo」がRSSリーダーを提供するというニュースを見たとき、どんなものだろうと楽しみにしていたのだが、う~ん、果たしてこのRSSリーダーを提供することにとういう意味があるのだろうか。。
ニュース ブログ 自動収集ソフト - goo RSSリーダー
まず以前にも書いたが「google」のように、対話型インターフェースに知りたい情報に関する用語を入れれば、高い確度でその目的に合致するページを示してくれるという検索エンジンの登場は、様々な情報を統合的に提供してくれるという「ポータルサイト」の存在を薄くしつつある。それはそうだ、普通であれば友人の部屋にたどり着くのにまずはマンションの玄関をくぐり、その家の玄関をくぐり、廊下をたどり、目的の部屋に着くはずなのに、googleはいきなり「この窓から入れば友人の部屋はすぐだよ」と言っているようなものなのだから。
だからこそ、そんな地盤沈下の中でもポータルサイト側は様々な工夫を行ってきた。それはコンテンツの中身を面白くしようというものだったり、豊富な情報・付加価値の高い情報を提供するものだったり、あるいは「ブログ」といったユーザー参加型のコミュニティの提供だったり、ECモールの提供だったりとポータルサイト自体の盛り上げであり、もう1つが「gooスティック」や「gooスクリーンセーバー」といったポータルサイト連動型のツールの提供であった。
それはあくまで「ポータルサイト」との連動がベースとしてあった。しかしこのRSSリーダーはどういう位置付けなのか、よく見えないのだ。
以前にも書いたが、メルマガのようなツールを別にすれば、ポータルサイトのユーザーへのアプローチはPULL型が中心だった。つまり「来ていただいてなんぼ」というわけだ。これがニュースサイトやブログを中心に更新情報をユーザーに通知するというPUSH型の情報提供が現れた。その代表的な例が「RSS」であり、gooのアラート機能である。ただしRSSリーダーの場合、常にソフトを立ち上げておくという制約があった。
これに対してgooのアラート機能というのは、PCに常駐しているソフトが、何か新しいニュースがあるたびに通知してくれるというものである。RSSリーダーよりはさりげなく、しかも確実に最新情報を伝え、サイトに誘引していくというものだった。
このアラート機能、もともとはgooスティックに付属しているソフトで、この両者を利用すれば、例えばマイクロソフトに匹敵するだけのPC向けプラットフォームになれる可能性を秘めたものだった。PCに常駐していること、必要に応じてブラウザを立ち上げサイトへの誘引をはかれること―。それはフリーメールやIMを始めとしたパーソナルツールとの連動を可能とするものであり、あるいは検索のパーソナライズ化を徹底させる可能性を持ったものである。あるいは、様々な会員制サービスへのログインを簡易にするものとして、もしくは課金決済系のIDとの連動を可能にするものとして…
確かに今回提供されているRSSリーダーにはgooらしい工夫がなされている。ブログ検索を始め、gooブログとの連動のしやすさ、フリーメールへのログインが可能な点など。
しかしあまりにも中途半端な存在ではないか。
独立したRSSリーダーとして捉えるのであれば何もgooが提供する必要はない。それよりはgooスティックにブログ検索やRSSリーダー機能を搭載し表示させればすむ話である。
ではこれがgooが提供するブラウザを目指すのかというと、これまた中途半端である。インターネットの中心となるであろう「サイト検索」ではなく「ブログ検索」が中心に据えられ、名前を見てもIEに対抗しようという気概さえ感じられない。特に単純にログイン情報だけを引き受けているのではそれ以上の発展性というものはないだろう。
ましてRSSリーダーがブラウザ、メーラーにと同様に全ての人が常に立ち上げて利用するかというとそれは難しいだろう。結局ブラウザを通じて"お気に入りの"ブログを閲覧したり、サイト検索でたどりつくのであれば、むしろブラウザにその機能を内臓させた方が理にかなっている。
gooスティック、RSSリーダーを含め、結局は「プラットフォーム戦略のためのツール」としては何も描けてはいないのではないか。ここのツールがこれがあれば便利だよね、という程度で止まっており、それ以上に何かを感じさせる、もしくは補完・連動して動くものとは思えない。
特に今後、NTT東西はただのアクセス回線以上の価値の提供が難しくなるであろう。それは先細り傾向にある固定電話以外のコミュニケーションツールはインターネット上で他の事業者が提供することを意味する。それがP2P型のIMなのか、クラサバ型のIP電話なのか、それともビデオチャットなのかは分からない。ただインターネットに接続されるより多くの端末にインストールされている必要があることだけは確かだろう。
であれば、gooスティックであり、あるいはブラウザのようなソフトをプラットフォームを構成するものとしてどう活かすかというのが大事のはずだ。
仮にgooの更新情報をRSSでまとめて提供できる、その程度のことしか考えていないのだとしたら、gooよ、あまりにも悲しすぎないか?
ニュース ブログ 自動収集ソフト - goo RSSリーダー
まず以前にも書いたが「google」のように、対話型インターフェースに知りたい情報に関する用語を入れれば、高い確度でその目的に合致するページを示してくれるという検索エンジンの登場は、様々な情報を統合的に提供してくれるという「ポータルサイト」の存在を薄くしつつある。それはそうだ、普通であれば友人の部屋にたどり着くのにまずはマンションの玄関をくぐり、その家の玄関をくぐり、廊下をたどり、目的の部屋に着くはずなのに、googleはいきなり「この窓から入れば友人の部屋はすぐだよ」と言っているようなものなのだから。
だからこそ、そんな地盤沈下の中でもポータルサイト側は様々な工夫を行ってきた。それはコンテンツの中身を面白くしようというものだったり、豊富な情報・付加価値の高い情報を提供するものだったり、あるいは「ブログ」といったユーザー参加型のコミュニティの提供だったり、ECモールの提供だったりとポータルサイト自体の盛り上げであり、もう1つが「gooスティック」や「gooスクリーンセーバー」といったポータルサイト連動型のツールの提供であった。
それはあくまで「ポータルサイト」との連動がベースとしてあった。しかしこのRSSリーダーはどういう位置付けなのか、よく見えないのだ。
以前にも書いたが、メルマガのようなツールを別にすれば、ポータルサイトのユーザーへのアプローチはPULL型が中心だった。つまり「来ていただいてなんぼ」というわけだ。これがニュースサイトやブログを中心に更新情報をユーザーに通知するというPUSH型の情報提供が現れた。その代表的な例が「RSS」であり、gooのアラート機能である。ただしRSSリーダーの場合、常にソフトを立ち上げておくという制約があった。
これに対してgooのアラート機能というのは、PCに常駐しているソフトが、何か新しいニュースがあるたびに通知してくれるというものである。RSSリーダーよりはさりげなく、しかも確実に最新情報を伝え、サイトに誘引していくというものだった。
このアラート機能、もともとはgooスティックに付属しているソフトで、この両者を利用すれば、例えばマイクロソフトに匹敵するだけのPC向けプラットフォームになれる可能性を秘めたものだった。PCに常駐していること、必要に応じてブラウザを立ち上げサイトへの誘引をはかれること―。それはフリーメールやIMを始めとしたパーソナルツールとの連動を可能とするものであり、あるいは検索のパーソナライズ化を徹底させる可能性を持ったものである。あるいは、様々な会員制サービスへのログインを簡易にするものとして、もしくは課金決済系のIDとの連動を可能にするものとして…
確かに今回提供されているRSSリーダーにはgooらしい工夫がなされている。ブログ検索を始め、gooブログとの連動のしやすさ、フリーメールへのログインが可能な点など。
しかしあまりにも中途半端な存在ではないか。
独立したRSSリーダーとして捉えるのであれば何もgooが提供する必要はない。それよりはgooスティックにブログ検索やRSSリーダー機能を搭載し表示させればすむ話である。
ではこれがgooが提供するブラウザを目指すのかというと、これまた中途半端である。インターネットの中心となるであろう「サイト検索」ではなく「ブログ検索」が中心に据えられ、名前を見てもIEに対抗しようという気概さえ感じられない。特に単純にログイン情報だけを引き受けているのではそれ以上の発展性というものはないだろう。
ましてRSSリーダーがブラウザ、メーラーにと同様に全ての人が常に立ち上げて利用するかというとそれは難しいだろう。結局ブラウザを通じて"お気に入りの"ブログを閲覧したり、サイト検索でたどりつくのであれば、むしろブラウザにその機能を内臓させた方が理にかなっている。
gooスティック、RSSリーダーを含め、結局は「プラットフォーム戦略のためのツール」としては何も描けてはいないのではないか。ここのツールがこれがあれば便利だよね、という程度で止まっており、それ以上に何かを感じさせる、もしくは補完・連動して動くものとは思えない。
特に今後、NTT東西はただのアクセス回線以上の価値の提供が難しくなるであろう。それは先細り傾向にある固定電話以外のコミュニケーションツールはインターネット上で他の事業者が提供することを意味する。それがP2P型のIMなのか、クラサバ型のIP電話なのか、それともビデオチャットなのかは分からない。ただインターネットに接続されるより多くの端末にインストールされている必要があることだけは確かだろう。
であれば、gooスティックであり、あるいはブラウザのようなソフトをプラットフォームを構成するものとしてどう活かすかというのが大事のはずだ。
仮にgooの更新情報をRSSでまとめて提供できる、その程度のことしか考えていないのだとしたら、gooよ、あまりにも悲しすぎないか?
今更ツールバーとブラウザを中心に戦略してもどーにもならないかもしれないし。
何より、某MSN8のように、提供側がパッケージでツールを提供しようとして、それをユーザがウザク思ってコケたって過去もあるし。
ただそこで思考を閉じてしまっていいのか、という気はするんです。google登場以前の検索サイトを巡る状況にしろ、今のブラウザやインターネットプラットフォームが完成しているかというとそうではないんじゃないか、と。
今は力を温存する時だとしているのならいいんですが、思考停止のままだとしたら、いつまでたっても日本のインターネットを巡る技術は後追いにしかならないと思うんですね。
NTTってその辺考えてるんでしょうかね~