ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

iPhoneとドコモ

2007年12月20日 | デジタル家電・iPodなど
iPhoneをめぐる争奪戦が激しさを増している。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えたところによると、日本国内における「iPhone」の販売についてNTTドコモが優勢だとという。もちろんこれまでにiPhoneについては、ソフトバンクモバイルが提携話を進めているという報道があったし、今回の報道を受けてKDDIもAppleに接触していたようだ。

実際、iPhoneのUIについてはとても日本のメーカーじゃぁ太刀打ちできないほどの使いやすさがあるし、そのインパクトだけでも非常に魅力的だ。ただMACユーザーや新しい物好きな層にとっては楽しみな商品かもしれないけれど、現状のiPhoneでは日本ではそこまで普及しないのでは、というのも正直な感想だ。

理由はいくつかある。

例えば、KDDI小野寺社長が触れているように、Appleは「端末メーカーとして力を持ち、垂直統合をやろうと思っている」のだとすると実質的にキャリア主導の水平統合モデルを作ろうとしている日本の通信キャリアにとって、目先の利用者獲得以上のメリットがあるものではない。

少なくとも、iPhoneでは(iTMで購入した楽曲以外の)キャリアが規定した「着うた」や「着うたフル」のようなサービスは利用できない。このことはキャリアにとっては課金回収代行という、定額制移行後の収益源を失うことになる。それでもまだiTMでの楽曲購入の際にキャリア課金を利用してもらえるのであればともかく、Apple側からすると、楽曲配信という薄利多売な商売の中で、9%のキャリア手数料とクレジットカード会社の手数料4%前後とを比較すれば当然クレジットカードでは購入を推奨するだろう。

となるとキャリアにとっては利用者の獲得しかメリットはない。

また利用者にとっても、iPhoneの格好良さはもちろん魅力的ではあるけれど、現状の完成度からすると、あまりに「がさつ」だ。

カメラの画素数にしろ、メールの打ちにくさにしろ、現状の日本の携帯電話のスペックに慣れている人間からすると実用的とは言いがたい。

今回の報道を受けて、ドコモとソフトバンクの間ではiPhoneの独占的契約にむけて、Apple社との激しい条件闘争が繰り返されるのだろう。結果、気がつけばApple社だけがおいしい目をみるという状態にならないようにして欲しいものだ。


米WSJ、「日本でのiPhone発売はドコモが優勢」と報道 - ITmedia +D モバイル

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