昨日、城南宮で行われた「お火焚祭」へ行ってきました。「お火焚き」とは、江戸時代から京都地方などで行われる神事で、陰暦11月に社前において火を焚き、祝詞や神楽で神意を慰めるもので秋の収穫感謝の新嘗祭のひとつです。また、古くから庭燎(にわび)を焚いて神楽を舞ったものの名残であるとも言われています。
城南宮のお火焚き祭は、交通安全祈祷殿の前で、午後2時から3時過ぎまで行われます。(参加無料)まず、参詣者をお祓いし、神殿にお供え、そして火床に火を入れます。
火床には、参詣者が納めた約3万本の願い串(奉納料300円)が次々と入れられます。そして、宮司さんにより榊葉や塩などが、くべられます。途中、何度か、参詣者全員で詞を唱え、無病息災、家内安全を祈願します。
時折、火柱や白煙が高く舞い上がります。みんなの願いが天までとどくような不思議な光景です。
その後、「浦安の舞」が奉納されます。浦安の舞は、1940年の「皇紀二千六百年奉祝会」の全国の神社で行われた奉祝臨時祭のために作られたものです。国風歌舞や全国神社に伝わる神楽舞を下地に、作曲作舞した神楽舞です。「浦安」とは心中の平穏を表す言葉です。また日本書紀には、日本の事を浦安の国と記されています。
お火焚き祭では、燃え上がる火を背に舞うので、写真だけ見ると激しい舞の様に見えますが、実は、ゆっくりで静かで厳かな舞です。神社などで普段見られる神楽舞とは全く違う印象です。
神殿に対して奉納される舞なので、巫女さんの表情が見えませんが、ゆっくり静かな舞を、ふたりで合わせるのがとても大変だろうと思いました。
お火焚き祭終了後、この日初披露された神苑内の「もみじの丘」の渡り初めが行われました。神職を先頭に、参詣者が続きます。
「もみじの丘」には、斎館の前にたくさんのもみじが植えられています。(有料区域)
紅葉は、ちょうど色づき始めです。若い木なので、枯れた葉などがなくきれいです。この後の成長が楽しみです。どうか、ライトアップなど、しませんように・・・。室町の庭の紅葉も色づきはじめです。今年の紅葉はゆっくりなので、11月末ぐらいからが見頃かな?
城南宮 http://www.jonangu.com/index.html
参拝、駐車場は無料 神苑拝観:大人600円 小中400円 神苑拝観所要時間:20分~ 城南宮はよく訪ねています。サイト内検索:城南宮
城南宮は、京都南ICのすぐそばにある方除の大社です。この城南宮のある地は、平安京の大阪方面からの入口にあり、交通の要衛の場所でした。また平安末期には離宮(鳥羽離宮・城南離宮)がおかれ院政が行われた場所です。