子供たちの弾くピアノ
このピアノが何を語っているか、いつもそれに耳を傾けよう・・
そう思って聴いています。
どれだけ聴けているのかなぁ。。
とても上手に・・一見そう思える演奏でも、中身のないものもあります。
ちょっと拙くても、心のこもったものもあります。
今日は、とってもゴキゲンだね。。
ちょっと元気がないかな。。
さまざまです。
ピアノ興味ないんだけど。。
。。という音から。。
すこーし興味出てきた。
。。って、変化することもあります。
ピアノばかりでなく、子供たちのお話しすることも。。
いろいろ説明やら、お話しした後、
「わかった?」ってっ聞いて、
「わかりました。」
。。。
「あ~わかってないんだね~」
ってこともしばしば。。
「この辺に、わかってません。って書いてあるよ。」
これは小さい子ばかりでなく、大きくなった子供たちにも・・むしろ中高生の方が、こういう症状はよく見受けられ、すぐに「わかってます」「わかりますよ」っていうけど、本当にその言葉の向こうにある世界観の浅さに・・あぁ~~と思ってしまうことも、よーくあります。
そういえば、シュタイナー教育のことが書かれている本に・・確か「ミュンヘンの小学生」だったと思いますが、早わかり、早飲み込みの生徒は、むしろ問題だと、本当に大真面目に、父兄会で語られている様子が書かれていましたが、今どきの学校でこんなことを問題にすることはないですよね。
ふつうは、早くわかる方がいいとされるんだろうけど、物事の表層や言葉面(ことはづら)までで終わっていては、試験の点に結びついても、本当の生きる知恵にはならないんじゃないかなぁ。。
少なくとも、ピアノ演奏では、そうです。
昨日読み終えた、茂木健一郎さんと河合隼雄先生の対談書。
村上春樹さんと河合隼雄先生の対談書、茂木健一郎さんの「脳と仮想」、
で、茂木さんと河合先生の「こころと脳の対話」・・どんだけ、河合先生が好きなんだって感じですが、本当に大好きです!!
本当に読みやすくって、面白かったんですが、その中で興味深かったお話の中の一つをご紹介します。
「離人症性障害」という、大変なノイローゼで、現実感を持つことのできないという重い症状を持つ方がいらっしゃったそうです。
治るまでに5年かかったのですが、たいへん若く美しい方だったそうです。
その方が、回復した後おっしゃったことが、河合先生にとって印象深くまた大変なほめ言葉に聞こえたので、よくお話しするんですが・・と前おきをして、、
女の人(多くのセラピストのもとに通ったが、うまくいかず、何人かの後で河合先生のもとに通うことになった)の言葉、
「いちばん初め、先生に会った時に、この先生で自分は治ると思った。。今までの先生と違った。。私が部屋に入った時、先生は私の顔にも服装にも、全然関心を示されなかった。。それだけじゃありません。先生は私の話の内容に、全然注意しておられませんでした」(笑)
「僕、何をしていましたか」
「何をしておられたかというのは、すごく難しいんだけれども、あえていうなら、もし人間に『魂』というものがあるとしたら、そこだけ見ておられました・・・・」
ここで、茂木さんが、「うーん、すばらしい。すごいですね。」というと、河合先生は、
「そうでしょう。それも、ほんま、ほめ方としては最高ですね。」とお話を続けていらっしゃいます。
もう一つ、興味深かったのが、「わかった気になるおとしあな」というお話で、
カウンセラーで、講演が上手になる人はみんなダメになります。講演というのはやっぱりある程度、話術というか型がないとだめでしょう。こういう話でみんなを引っ張っていって、笑わせたり喜ばせたり感心させたり泣かせたり、だんだん自分が「わかってきた」ように思うんですよ。千人の心も動かせているんやから、一人の人間もやれると思ったら、それでもう失敗なんです。僕が見てて、カウンセラーやってる人で、講演が上手になる人は、カウンセラーとしてはみんなだめ。
どんな講演依頼が来ても全部拒否していたんだけど、そのうち「絶対しません。しかし・・・」とか何とか言って結局行く、でも話の内容はそこへ行って皆の顔を見て、思いついたことをしゃべる。で、時間が来たらやめる。
「河合先生は、時間をぴったり守られます」と褒められるんやけど、当たり前ですよ。時間が来たらやめるだけやのに(笑)
河合先生、いい~!素敵すぎます~!(爆笑)
こうして、30代から40代にかけて、河合先生の本を読み漁り、追っかけ、米子、鳥取、松江3か所で、幸運にも講演を聞くことができました。
とても興味深く、心に響き、涙が出た時もあります。
最後の松江の講演会の時は、大学教授をしている心理学者でカウンセラーの友人から、
「まこちゃん、今回の公演が最後になるかもしれないから、案内するね。」といって、教えてもらい、レッスンお休みしていきました。
県民会館大ホール、満席でした。
ビッグアーティストを迎えるような雰囲気でしたよ。
(ちなみに、心理学者で大学教授の彼女から、「のだめ・・面白いよ」と、教えてもらって読んだときは、まだコミック本の2~3巻目だった気がします。めちゃヒットしましたよね。)
河合先生は、茂木さんといくつかの約束をされたものの、それもかなわず、最後の対談の翌年、突然亡くなられてしまいました。
文化庁長官として、高松塚古墳などの問題で、ご心労が重なっていたのかなぁ・・という時期でした。もう少し生きていてほしかったという方は、ごまんといらっしゃるでしょうね。。
多くの知識人や、私のような一般人でも、理解しやすい語り口でのお話やら著作の数々。。
愛され慕われ尊敬された方だと思います。
私は、河合先生の言葉の数々のおかげで、何とか、かんとか、やってこれた気がするなぁ。。
さて、「心の声を聴く」
私の場合は、服装の変化なども気にはしています。
ちょっとした変化が、特に思春期は大切な要素になってきますからね。
もちろん、顔つき、言葉づかい。。
これも様々ですね。
今向き合っている子供たちを大切にしたい。
。。
子供がこう言ってたから。。。という言葉の向こう側にある「世界」・・魂の言葉というんでしょうかね。。
こういってたという言葉の表層にばかり、気がいくのではなく、(もちろん言葉の端々にも出てきますが)、深い次元で、くみ取れるようになりたいですね。
ピアノの音は、そういう子供たちの心の声なのだと思って、聴くようにしています。
5年・・10年・・20年・・
聴くうちに、研ぎ澄まされてくるんでしょうかね・・・?
今流れている、エリック・ルサージュが弾く、プーランクのピアノ曲
私、きっとプーランクと心の中ではお友達だわ。。
本当に素敵な人だった気がする。
天国に行けたら、お話ししてみよう。
ルサージュのピアノも大変素晴らしく、すごーく弾きたい気持ちいっぱいなんだけど、また腱鞘炎がぶり返しつつあるので、サポーターと湿布をして、ゆるーりと弾いております。
ほどほどにね。。
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