十月、十一月は八代目中村芝翫の襲名披露公演だ。
私は玉三郎の藤娘が観たかったので十月をチョイス。
初日とは気づかずに行ったのだがTVのカメラがでていたのと大きなしゃしんとで、ああ、そうかと思ったのだ。
今回は親子4人そろっての襲名。
中村橋之助丈が八代目中村芝翫。
長男国生クンが四代目中村橋之助。
次男宗生クンが三代目中村福之助。
三男宜生クンが中村歌之助。
このところ歌舞伎界では、おめでたいことがなかったので、一気に三人ということだろうか。
私は夜の部を観劇。
夜には口上がつく。
歌舞伎界の重鎮が顔を見せるので、これも楽しみの一つ。
幕もこの日のための特別なもの。
デザインは佐藤可士和さんのデザインだそうだ。
一幕が終わりいよいよ口上。
坂田藤十郎丈を中心に勢ぞろい。
次々にお祝いの言葉を述べていく。
児太郎クンの番になった。
お父上のことふれる。
本来なら福助サマのほうが先に襲名披露をしていたのに、その直前に病に倒れてしまったのだ。
ただいまリハビリ中とのこと。
いよいよ八代目中村芝翫丈の番。
「芝翫」という名跡は女形だとおもっていたのだが、立役の八代目とはどうしてかなと思っていた。
それは七代目が決めたことだそうだ。
なんだか、現在の様子がわかっていたのではないかと思ってしまった。
口上が終わりロビーに出る。
入り口では三田寛子さんがお客様にごあいさつに忙しい。
また、劇場のスタッフもこの日は胸に蘭の花をつけていて、いっそう華やか。
客席にはきれいどころが上手、下手の桟敷席に20人ずら~り。
粋な計らいをするな、成駒屋さん。
そういえば、十八代目中村勘三郎丈も、平成浅草座ができたときに、やはりきれいどころを並べていた。
三幕目は藤娘。
もちろんこれもお目当て。
始まる前に、下手の照明のところに着物を着た人影が・・・。
係の人とは様子が違う。
思わずオペラグラスで見ると・・・・、あ、七之助クンだ!
こんなところで、先輩の芸を見るのだな。
さて、舞台があき、町娘の様子で出てきた玉三郎丈。
どうみても十七、八、九の娘にしか見えない。
やりて婆を演じるときもあれば、町娘から姫まで。
本当に年齢不詳だ。
そのたおやかな舞に、しばしうっとり。
今日は、いつになく華やいだ歌舞伎座。
こういう特別な公演もまた面白い。