決算!忠臣蔵
本作は『忠臣蔵』を「忠臣」、「義士」ではなく
金銭面から見た映画です。
お金の流れから『忠臣蔵』を見ることで
ある意味、リアルな赤穂浪士の姿が
『決算忠臣蔵』には描かれています。
あと「一両=12万円」のように金額が画面に
出るのでわかりやすいです。
大石内蔵助 壱
ご存知、『忠臣蔵』の主役・大石内蔵助。
『決算忠臣蔵』の大石内蔵助は忠臣で
殿の浅野内匠頭への忠義の心も篤(あつ)く
殿のために仇を討とう、と考えています。
ただ・・・。
例えば『忠臣蔵』では、
「敵の目を欺(あざむ)くには、まず味方から」と
大石が遊郭に通い女遊びをします。
そして、「実はそれは芝居だった」
「大石内蔵助は酒に酔っていなかった」と
なるのがお約束です。
ですが、『決算忠臣蔵』の大石内蔵助は
本当に女好きな人物に描かれています。
だから鈴木福くんの大石主税(ハマり役!)が
父を心配したり、竹内結子さんの妻・りくが
大石内蔵助が妾と縁を切って「ホッ」とする
のです。
大石内蔵助 弐
『決算忠臣蔵』の大石内蔵助はよく怒っています
だからか、親戚一同は大事なことを大石には
知らせず穏便に事を済ませようとします。
この親戚一同(板尾創路が怪演)が全員グルに
なるのって、極めて日本的な悪といいますか
わからないでもないんですよね。
作中のセリフにもある通り、
たとえ、お家再興がなった、としても
いいとこ、半分なんですよね。
まして幕府が赤穂の良質な塩がとれる土地を
手放すはずがない、と。
大石内蔵助は引く手あまた、つまり仕官先が
たくさんありましたが、あくまで
赤穂藩のお家再興にこだわり続けました。
ですが、その夢は打ち砕かれました。
そして、大石内蔵助は、これを機に
討ち入りを決断したのです。
『決算!忠臣蔵』の大石内蔵助は、
忠臣で、部下思いですが、同時に人間くさくも
あるのですす。
矢頭長助
矢頭長助(やとう・ちょうすけ)とよみます。
岡村隆史さん、芝居がうまいです。
少し暗いんですが。
『決算忠臣蔵』における討ち入り推進派が
西村まさ彦さん、寺脇康文さんでイケイケです。
推進派に対して「どれだけお金がかかるか?」
という現実的な面で冷静に発言するのが、
岡村隆史さんと西川きよしさん、です。
「小さなことからコツコツとためた金」という
西川きよしさんの意志を継いだのが
岡村隆史さん演じる矢頭長助です。
大石内蔵助とは竹馬の友・・・
ですが石高に差がありすぎて、矢頭長助は
いささか自虐的になっています。
倹約家の矢頭長助はお金がもったいないから
と、「かご」をつかいません。
ですが大石内蔵助の身重の奥さん・りくに
矢頭長助は「かご、つかえばええのに」と言います。
これは、矢頭長助は金の使い方を知っている
ということでしょう。
ただ節約をしてるだけでなく、優しいところも
あるのです。
そして矢頭長助が親友の大石のために
「かご」に乗るのですが・・・
これが命取りに!
矢頭長助は討ち入り直前に落命しますが、
矢頭長助の一子・矢頭右衛門七(えもしち)
は四十七士の1人として、討ち入りに参加します。
そして矢頭長助の意志を継いだのが
貝賀弥左衛門(かいが・やざえもん)
です。
そして意志を継いだ貝賀弥左衛門が大高源五と
同士のやる気をためす神文返しをやる展開とした
のは、とても見事だと思います。
以下余談のこと乍ら
石原さとみさん演じる瑤泉院(ようぜんいん)さま
です
『決算忠臣蔵』では吉良邸討ち入り後のことも
少し語られます。
討ち入りをした縁者で15歳以上の男子は島流しと
なったそうですが、三年後には皆許されて無事に帰国
できたそうです。
この減刑の陰には、瑤泉院さまの除名嘆願運動
(+大石内蔵助)があったればこそ。
石原さとみさんが演じた瑤泉院(ようぜんいん)は、
赤穂藩主・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の妻です。
世間の同情が赤穂浪士に集まり、芝居などで
赤穂浪士が『忠臣蔵』として、だんだん有名に
なってきますが・・・。
『鞍馬天狗』で有名な大佛次郎先生の
『赤穂浪士』で、西川きよしさん演じる
大野九郎兵衛がどうなったかが
書かれています。
また司馬遼太郎先生の『新選組血風録』に
収録されている「池田屋異聞」は、
ある赤穂浪士の末裔の明暗を、
池田屋事件をからめて書かれています。
あと、『赤穂浪士』で検索すると、よく出てくる
「くすペディア」ですが。
それは「もりくすお」さんの書いた「赤穂浪士」の
ウィキペディアです。
「もりくすお」さんはいろいろと有名ですが
『プリンセス・プリンシパル』で小悪党の
フランキーを演じた人です。
もうすぐ、クリスマスですが、
一説によると、クリスマスが有名になった
のは、12月25日に大正から昭和に改元
されたから、らしいです?
今の令和改元ブームみたいなもの
でしょうか?
もひとつ余談ですが、
iPS細胞で有名な山中教授の親友に
令和とかいて「令和(のりかず)君」
という方がいるそうです。
来年は、
『君と漕ぐ』、『響け!ユーフォニアム』
『ハイスクール・フリート』
『プリンセス・プリンシパル』
を書くのが目標です。
あと映画『燃えよ剣』が楽しみです。
今年は、これが最後の更新になりますが、
いろいろ、ありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いいたします。
よいお年を☆
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