意外な一面…

鬼塚専務は強烈な人と考えている社員も多いようですが、実に人間臭い人だと私は思いました。
雪道をとっとこ走らせていたときでした。
前方に融雪剤を撒き走る作業車がありました。
高速道路ではよく見る風景です。
ご存じない皆さんに説明しますと、雪が積もった時に雪をのける作業車とは違いますよ。 雪が降り始めたときに、白い顆粒状のナトリウム系の薬品を撒くのです。これで雪を溶かすわけですが、あまり強く降っている場所では効き目がありません。
この辺りは雪は降りますが北陸のように豪雪ではないので、融雪剤で済むのでしょう。

…とにかくこの融雪剤を撒きながら走る作業車は2車線ある車道を平行して走るものですから後続車は数珠繋ぎになります。
高速道路の入口付近に電光掲示板が備え付けてありますがそこに『作業車あり渋滞３キロ』と出ています。作業車は５０キロで走りますから渋滞を招くわけです。
…で話を戻します。
作業車が前方に走っているために渋滞になっています。雪と言いましてもこの辺りはそう積もったりはしませんからみぞれみたいな雪なのです。ただのんびりしていると本格的に降った時が心配ですからつい早く抜けてしまいたいのです。
そんな私の気持ちが運転に現れていたのでしょうか、 鬼塚専務はいつもと違った感じでおっしゃいました。 『高村さん帰って寝るだけだから…』
この言葉を聞いて私は気が楽になりましたね(笑)
ちょっと文章では表せない柔らかなニァンスです、
私はほっとしましたが、同時に反省もいたしました。
つまり鬼塚専務にこんな気遣いをさせてしまったことをです。。
ほかの運転士ならこんな時どうしたんだろうか！
私は鬼塚専務のこまやかな気配りをいただいて改めて自問自答しました。。。