鹿島のパスワークには「設計図」が見える
試合冒頭の10分間、見ただけでも、両チームのレベルの違いがよくわかる。
もちろん鹿島アントラーズの方が上だ。
インサイドキックの球質のレベルがまるで違うのだ。
鹿島のパスワークは「設計図」がよくわかる。一方のセレッソ大阪は何がやりたいのかまるでわからない。
ただセレッソは相手にサッカーをやらせないよう試合を殺しに来たため、鹿島も苦労した。
鹿島がポゼッションし、セレッソがカウンターの機会をうかがう、という展開だった。
4-2-3-1のミラーゲームだ
鹿島のフォーメーションは4-2-3-1。守備時4-4-2だ。スタメンはGKが沖悠哉。最終ラインは右から常本佳吾、犬飼智也、町田浩樹、永戸勝也だ。
2CMFはディエゴ・ピトゥカとレオ・シルバ。2列目は右から荒木遼太郎、小泉慶、白崎凌兵。ワントップは土居聖真である。
一方、C大阪も4-2-3-1のミラーゲームだ。
鹿島は相手ボールに対する寄せが速く、切り替えが機敏だ。
獲物に襲いかかるスズメバチの群れのようである。
セレッソはボールを持ってもほとんどまったく何もできない。
なぜロティーナ監督を手放したのか? という感じである。
セレッソは正体不明のヌエのようだ
セレッソは常に自陣にブロックを敷いてべったり引き込むわけでもなく、ミドルプレスだ。
むしろラインは高い時さえあるのだが、なんだかふにゃふにゃした正体不明のミステリアスなサッカーであり、かえってその「ワケのわからなさ具合い」が鹿島の足を引っ張り鹿島にサッカーをさせない。
そうこうするうち鹿島のリズムがすっかり狂ってくる、という非常に珍しい試合展開になっている。
「クルピ・マジック」と言えなくもない。
そんなセレッソはいざブロック守備の態勢に入ると要所で6バックになり、(ロティーナ体制の名残りなのか)けっこう守備が堅い。
ザ・アンチフットボールである。
相馬アントラーズの切り替えの速いピリッと冴え渡るサッカーを見ようと意気込んでいたのだが、すっかりアテが外れてしまった。セレッソのせいだ。
こうなったら途中出場するであろう上田綺世を見るのだけが唯一の楽しみである。
あとはどんな絵を描くか? だけのセレッソ
鹿島のビルドアップは両SBを高くあげ、2人のCBが大きく開いて2バックで行う。
セカンドボールをよく拾うし、特に小泉慶はスプリントがすばらしい。
対するセレッソは藤田直之と原川力という「いぶし銀」が2人もおり、最終ラインには期待の星である瀬古歩夢がいる。
もちろん、いうまでもなく至宝・清武弘嗣もいる。
あとはどういう絵を描くか? だけなのに、非常に惜しい話だ。
守備は堅いのだから残るはどうビルドアップし、どう展開し、どうフィニッシュするか? という問題である。
鹿島の荒木、冷静な切り返しで「勝負あり」の決勝点
後半9分だった。ピッチの中央で鹿島のディエゴ・ピトゥカが組み立てのパスを出す。
それを受けた永戸勝也が左サイドから、敵GKとディフェンスラインの間を狙ったすばらしいグラウンダーのラストパスを送る。
決定的。「あとは打ってくれ」という話だ。
だがドンピシャのタイミングでゴール前に入ったシューターの白崎凌兵が、セレッソ左SB、丸橋祐介の倒れながらのいいディフェンスに合いフィニッシュが決まらない。完全に1点ものの守備だった。
そして大団円は後半27分に訪れる。
セレッソのパスミスが鹿島にとっては超ナイスパスになり、このプレゼントボールを受けた土居聖真が左を上がってきた荒木遼太郎にラストパス。荒木は冷静に切り返しを入れ、右足でゴールの右スミに沈めた。
決勝点である。
下から足元に絡みついて水の底へもろとも引き摺り込もうとするかのような怨霊みたいなセレッソ相手の試合だ。
それだけに鹿島にとっては、この試合に競り勝ったのは非常に大きい。
試合冒頭の10分間、見ただけでも、両チームのレベルの違いがよくわかる。
もちろん鹿島アントラーズの方が上だ。
インサイドキックの球質のレベルがまるで違うのだ。
鹿島のパスワークは「設計図」がよくわかる。一方のセレッソ大阪は何がやりたいのかまるでわからない。
ただセレッソは相手にサッカーをやらせないよう試合を殺しに来たため、鹿島も苦労した。
鹿島がポゼッションし、セレッソがカウンターの機会をうかがう、という展開だった。
4-2-3-1のミラーゲームだ
鹿島のフォーメーションは4-2-3-1。守備時4-4-2だ。スタメンはGKが沖悠哉。最終ラインは右から常本佳吾、犬飼智也、町田浩樹、永戸勝也だ。
2CMFはディエゴ・ピトゥカとレオ・シルバ。2列目は右から荒木遼太郎、小泉慶、白崎凌兵。ワントップは土居聖真である。
一方、C大阪も4-2-3-1のミラーゲームだ。
鹿島は相手ボールに対する寄せが速く、切り替えが機敏だ。
獲物に襲いかかるスズメバチの群れのようである。
セレッソはボールを持ってもほとんどまったく何もできない。
なぜロティーナ監督を手放したのか? という感じである。
セレッソは正体不明のヌエのようだ
セレッソは常に自陣にブロックを敷いてべったり引き込むわけでもなく、ミドルプレスだ。
むしろラインは高い時さえあるのだが、なんだかふにゃふにゃした正体不明のミステリアスなサッカーであり、かえってその「ワケのわからなさ具合い」が鹿島の足を引っ張り鹿島にサッカーをさせない。
そうこうするうち鹿島のリズムがすっかり狂ってくる、という非常に珍しい試合展開になっている。
「クルピ・マジック」と言えなくもない。
そんなセレッソはいざブロック守備の態勢に入ると要所で6バックになり、(ロティーナ体制の名残りなのか)けっこう守備が堅い。
ザ・アンチフットボールである。
相馬アントラーズの切り替えの速いピリッと冴え渡るサッカーを見ようと意気込んでいたのだが、すっかりアテが外れてしまった。セレッソのせいだ。
こうなったら途中出場するであろう上田綺世を見るのだけが唯一の楽しみである。
あとはどんな絵を描くか? だけのセレッソ
鹿島のビルドアップは両SBを高くあげ、2人のCBが大きく開いて2バックで行う。
セカンドボールをよく拾うし、特に小泉慶はスプリントがすばらしい。
対するセレッソは藤田直之と原川力という「いぶし銀」が2人もおり、最終ラインには期待の星である瀬古歩夢がいる。
もちろん、いうまでもなく至宝・清武弘嗣もいる。
あとはどういう絵を描くか? だけなのに、非常に惜しい話だ。
守備は堅いのだから残るはどうビルドアップし、どう展開し、どうフィニッシュするか? という問題である。
鹿島の荒木、冷静な切り返しで「勝負あり」の決勝点
後半9分だった。ピッチの中央で鹿島のディエゴ・ピトゥカが組み立てのパスを出す。
それを受けた永戸勝也が左サイドから、敵GKとディフェンスラインの間を狙ったすばらしいグラウンダーのラストパスを送る。
決定的。「あとは打ってくれ」という話だ。
だがドンピシャのタイミングでゴール前に入ったシューターの白崎凌兵が、セレッソ左SB、丸橋祐介の倒れながらのいいディフェンスに合いフィニッシュが決まらない。完全に1点ものの守備だった。
そして大団円は後半27分に訪れる。
セレッソのパスミスが鹿島にとっては超ナイスパスになり、このプレゼントボールを受けた土居聖真が左を上がってきた荒木遼太郎にラストパス。荒木は冷静に切り返しを入れ、右足でゴールの右スミに沈めた。
決勝点である。
下から足元に絡みついて水の底へもろとも引き摺り込もうとするかのような怨霊みたいなセレッソ相手の試合だ。
それだけに鹿島にとっては、この試合に競り勝ったのは非常に大きい。