※上田正樹とサウス・トゥ・サウス「この熱い魂を伝えたいんや」
(1975年、芦屋ルナ・ホールでのライヴ)
上田正樹とサウス・トゥ・サウス
上田正樹とサウス・トゥ・サウスの「この熱い魂を伝えたいんや」である。
こやつを初めて聴いたのはレコードだった。高校生のときだ。してみると、このライヴが行われた1~2年後にレコードで聴いたことになる。
当時、うちのバンドのド不良ギタリストの遠藤が、「ぜひ松岡にこれを聴かせたい」というのでなんとジャケットに太筆のマジックで「松岡」と大書したレコードを私に手渡してきた。ちょっと引いた。
で、聴いたが、もう一発でやられた。驚天動地だ。上田正樹の熱いヴォーカルと、正木五朗のファンキーなドラミングにすっかり沈没した。
それ以来、ソウル一直線。いろんな音源を聴いたが、それはともかく。
いま思えばそのギタリスト遠藤という男は、勉強はからっきしだったが音楽の情報にはメッキリ敏感で、いち早くチャーの初期音源を引っ張って来たのもヤツだった。彼の情報は的確で速いのだ。
で、その後レコードは遠藤に返却し、今度は大学生のとき近所の「貸しレコード屋」(なつかしい)でその同じアルバムのレコードを借りてテープに録音し聴いていた。
だがそれもいつしか喪失し、やっと先日、アマゾンに発注した同盤のCDが手元に届いた。またも「この熱い魂を伝えたいんや」である。ついに上田正樹にしかるべき印税を支払ったわけだ。
それがいま爆音で鳴っている。
やっぱりいいなぁ。
上田正樹の激しい煽りに煽り煽られ、いまにも踊り出しそうだ(恥ずかしい)。
ちなみにこの盤は最後、観客の「アンコール!」という掛け声で幕を閉じる。それを聴いたかつてのド不良ギタリストの遠藤が、「アンコが凍るかよぉ」てな駄洒落を言っていたのをふと思い出した。
どうしてるかなぁ、遠藤。