すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【森保ジャパン】「金八先生」型サッカーの限界が見えた

2024-02-20 13:48:44 | サッカー日本代表
プロの世界に「学級民主主義」を持ち込むな

 森保監督が考えるサッカーは、ひとことで言えば「金八先生」型である。何より「生徒」の人権と意志を尊重してプレーさせる。いわゆるボトムアップというやつだ。

 だがプロサッカー集団の運営と、学級の育成や運営はまったくの別物である。プロサッカーに生徒を優先する過度な民主主義なんて必要ない。

 そういうふうにプロサッカー集団と子供の学級を同一視し、「ボトムアップで育てる」などと生徒会を重視する誤認を犯している点が森保監督の大きな欠陥といえる。

 なぜならプロは負けたら終わりだからだ。

 だが一方、子供は人生に一度負けてもまだ未来がある。敗者復活戦を戦える。しかも「子供のうちに一回負けておく」ことで学べる人生哲学という大きな財産さえ得られる可能性がある。そこが両者の根本的な違いである。

 ゆえに負けたら終わりのプロは絶対に負けないよう、トップダウンで一戦必勝をめざす。ペップによるポジショナルプレー然り、クロップのストーミング然りだ。プロの世界は監督の戦術とそれによるチーム運営で勝てるかどうか? がすべてである。

 この点で生徒の人権を過剰に尊重しすぎる森保ジャパンは、大いなるカン違いだといえる。

「ボトムアップ」という名の洗脳から脱出せよ

 さて、ちょっと話題が飛ぶが………軍部が国民を洗脳し主導したあの戦争に負けた日本人は、その反省から(無意識のうちに)スポーツにおけるいい意味での全体主義をも完全否定し、極端な学級民主主義に陥ってしまいがちだ。

 プロのサッカー監督と、抑圧的で非民主的な「軍部」とを同一視し、ことさら生徒優先のチームを作りたがる。しかもそのチームというのが国の象徴であるサッカー日本代表なのだから皮肉が効いている。

 人間の脳は、信じたことを実現しようとする。

 すなわちこれらの異常な現象はすべて、日本人が自己洗脳に陥っているために起こる出来事だ。これこそ戦後、日本人がハマっている集合的無意識の正体である。

 例えば日本サッカー協会が得意げに掲げる「夢フィールド」なるネーミング自体が、すでに洗脳臭い。いかにも学級や子供を大切にしそうな臭いがプンプンする。

 しかもサッカー協会は別に「国民をハメてやろう」などと考えてこのネーミングを掲げているわけでは無論ない。すべては無意識のなせるワザだ。

 つまり協会が(意図的にではなく)「夢フィールド」という洗脳ワードを使っている時点で、森保監督と同様、すでに自らが背負う歴史の足枷に嵌っている可能性すらある。

 そろそろ日本人は、こうした「敗戦という名の洗脳」から卒業すべきではないだろうか?

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