人類の夢は甘くない。火星での居住を想定した実験の参加者をNASAが募集している。いよいよ地球外に生存の場を拡大する時代になったかと思うと胸が熱くなるのだが、段階としては初歩の初歩らしい。それでも1年間隔離された施設の中で食物の生産や様々な実験を行わねばならない事に加え、疑似的なアクシデントが不定期に引き起こされるらしく、その対応にも当たらねばならない。相当神経が図太くなければ務まらないだろう。また応募資格として心身健康である事は当たり前としても、STEM分野の修士号を取得しているか1000時間の飛行経験の有るパイロットである事も求められる。次々と降り掛かる難題をクリアするにはそれ相応の知識と技能が必要なのは分かるが、これだけの過酷な要件を満たす米国民が何人居るのかは興味が有る。私は上記条件を全て満たしていない上に喫煙者はダメらしいので潔く諦めるが、凡人が宇宙に飛び立つには百年早いのが何とも口惜しいのである。