人間はITに迎合するな。ITを人間に従わせよ。そう云う発想なのかも知れないし、考え過ぎかも知れない。シヤチハタが昨今話題のNFTを活用した電子印鑑の開発に乗り出すそうである。何でNFTなのかは良く分からないが、パブリック認証局に手数料を支払うタイプの電子署名より安上がりになると云う目論見でも有るのだろう。印影に芸術性が認められれば転売も可能になるかも知れないが、色々とややこしい事になりそうだから止めた方が良い。シヤチハタのプレスリリースに拠れば、電子契約書では印影が表示されない場合が多く、ぱっと見で締結されているかが分かり難いと云う悩みが有るそうである。契約書とかそう何回も読み直すものとも思えないのだが、ハンコが捺されている安心感と云うのは、理屈で片付けられないものなのだろう。「ひとにやさしい」ITは望ましい方向性の一つには違いないのだが、旧弊清算の好機であるDXとの組み合わせには一工夫求めたいのである。