最近は会食論法が流行りらしい。会食はしていないけど、友人と宅飲みしたとかランチに行ったとか、聞き取り調査で回答する人が一定数居るそうである。「会食=改まった食事」と云うイメージは分からなくも無いが、意図を正しく伝える難しさを痛感する。マスクのガードを外し、飛沫を受けたりエアロゾルが溜まったりする空間に長時間滞在するのは止めましょう、と詳細に説明すれば済む話でもないだろうし、移る時には5分でも移るのである。多種多様なリスク因子が重なる代表的なシチュエーションを、ポリコレ的に無難な表現にしたものが「会食」だったのだろうが、もう少し直接的な言い回しの方が良かったのかも知れない。口と鼻を覆ってない状態で呼吸するな、とまで突き詰められれば良いのだろうが、流石に副作用が大き過ぎる。万人に分かり易いメッセージの発信は斯くも難しいものであり、総合的俯瞰的な建前論でゴリ押ししたくなる気持ちも分かるのである。