計算マニアのねちっこさには畏敬を覚える。地球に衝突する危険性が高いとされる小惑星ベンヌであるが、最新の観測の結果、確率が2200年代までに2700分の1だったものが、2300年代までに1850分の1に跳ね上がったそうである。現時点では2182年9月24日が一番危ないので、不要不急の外出を避けるのが望ましい。なおベンヌの長径は560mで、落下時に出来るクレーターはその10倍、被害の範囲は100倍と予測されているので、大抵の都市は直撃すればひとたまりも無いが、そこまで運の悪い街はそうそう無いだろう。それより1850分の1と云うのは天文学的にはとても高い確率である事の方に驚いている。降雨確率30%だったら傘持っていこうかな、と云う日常感覚からすれば正に桁違いであり、筋金入りの計算マニアでなければ弾き出せない数値だろう。そう云うねちっこい方々が張り巡らせたネットワークの上に文明は成立しているのであり、お近づきにはなりたくないが感謝しているのである。