どっちに転んでも荒れるんだろう。米国サンフランシスコ市で、屋内施設利用者にワクチン接種完了の証明を義務付ける決定がなされた様である。自由の国アメリカでは接種忌避者もそれなりの勢力を有しており、この決定を巡って物理的なドンパチに至らない事を祈っている。ワクチン行政は時の政府にとっては厄介者でしか無いそうである。接種を進めれば稀に(そして確実に)発生する重篤な健康被害を叩かれ、接種を控えれば疫病蔓延に対する無策を叩かれる。巧言令色を駆使出来なければ支持と信用を失うのであるから、ほぼ無理ゲーである。当面は接種推進の声が大きい状況が続くのだろうが、何かのきっかけで逆転する危険性を孕んでいるのであり、その変わり身の速さに追従するには今の行政は巨大過ぎる。政府叩き放題のボーナスゲームに熱中し、その余禄として国内世論対立の先鋭化が鈍るのであれば、火中の栗を拾った甲斐もあったと自分を慰めて欲しいのである。