そこに意味を見出すのは個人の勝手である。Steamで「Nothing」なるゲームがリリースされた。ルールは単純で「何かしたらゲームオーバー」である。起動して何かキーを押すとスタートするが、表示されるのは灰色の画面と経過時間を示すメッセージだけである。キーボードとマウスだけではなくゲームパッドにも対応しているのは極めて親切ではあるが、操作したら負けてしまうので迂闊に触れない。ゲーム性はほぼ皆無なのだが、レビューでは「圧倒的に好評」となっており、こう云う訳の分からんもんの愛好家は世界に少なくない様である。ゲームしない事が最高のゲームだ、と禅問答めいた感想を述べても良いのだが、そう云う悟りの境地に至るのはハードルが高そうである。分からないものには何らかの意味を与えないと安心出来ないのは人類の悪い癖であり、「ああ、何もしないんだけなんだな」とあるがままを受け入れる心構えも、場合によっては必要なのかも知れないのである。