監督/脚本:是枝裕和/音楽:細野晴臣『万引き家族』
親の死亡届を出さずに年金を不正に貰い続けていたある家族の実際にあった事件をもとに、
是枝監督が家族や社会について構想10年近くをかけて考え作り上げた作品。
第71回カンヌ国際映画祭において、最高賞であるパルム・ドールを獲得。
じっとりした汗が背中を伝うような湿度を感じた時間。
家族とは、法律とか、正義とは…。
色んな事がどろ〜っと歯痒く胸くそ悪い。
正に今の日本の闇の部分や家族・人間関係を浮き彫りにしている感じだった。
そういう事じゃないのよ、何も知らないくせに!
…と、心の中で葛藤する私。
やるせない。
人は冷たいし、残酷だし、寂しいし、優しい。
杓子定規じゃ計れない複雑な関係も出来事もあ
る。
決して気持ちが晴れ晴れする作品ではないが
是枝監督がどうしても伝えたい事や
キャストそれぞれの怪演は観る人の心に
何かしら訴えかけるものがあると思う。
樹木希林は元より
2人の子供と安藤サクラの演技が素晴らしい。
人間の二面性が表情から垣間見えた感じ。