～朝もやのなか～

　　　　　

　朝もやで煙り

　薄雲で覆われて　隠されたような　

　朝のはじまり　

　窓辺の　まわりのすべてを包み込み

　立ち込めた霧のなかに　いるみたい

　
　曇り色に塗られた空も

　どこから　どこまでなのか

　濡れてきた庭木にかかる

　小ぬか雨も　

　いつから降っているのか

　わからないままで

　
　街路樹のようなけや木

　近所のモダンな屋根や窓ガラス

　小路の外灯　電柱　あぜ道

　庭の山茶花　鉢植えの水仙　

　すべてが　もやのなか　

　
　やがて　どこからか

　通学している

　子供達の声が聴こえ

　車の走る音も　

　
　さあ　朝が動き出したけど

　春霞なのか　いつまで続く