そう 淹れたての珈琲が好き
甘い香りではない
焙煎の音ではない
ほろ苦い味ではない
朝陽が射しこむからではない
もうすぐ賑やかな朝風景が広がるからではない
この ゆったりとした空間があって
誰にも邪魔されない 時があって
小窓を開けたら 流れる外気が心地よくて
古びたカセットから 懐かしの映画音楽が流れて
昨日の新聞が まだ置かれてある
いま この時に居て
何かを 夢見て
何かに 心奪われて
何かを 探して
何かに 納得して
心の旅だろうか
そんな 大げさではない
ちょっとした 心模様に
少しだけ 何かが揺れて
私が私でいられる 瞬間
優しい味の 香りの 雰囲気の
染まる 染める 染めたい
ひとときが ここにある
ひとりの ほんの小さな部屋の
珈琲タイム…だろう