～散歩道をひとり～

　　　

　いつもだと

　桜の花が　華やかに咲いて　

　楽しませてくれる　並木道

　小高い丘に　続いている桜木は

　黙ったままで　蕾も固くて

　膨らむ気配すら　見せない


　ああそうか　まだなのか

　昨日の陽射しは　暖かくて

　光の渦のように周りながら

　ふりそそいでいたのに　　

　眠ったままで　忘れていたのか　

　ほころぶのを　


　そう言えば　今日はやけに

　風が冷たくて　肌寒い

　「コートを着たり脱いだりの

　人様に合わせている場合ではない」

　なんで　

　思われているのだろうか　

　
　春の息吹を　感じながら　

　花の咲く日を　待っている

　散歩道をひとり