こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

『ソロモン』を観た、聴いた

2024年11月10日 23時58分00秒 | ヘンデル
米国大統領選挙。民主党が勝つことを願っていたのですが、なかなか共和党は票を集めたようですね。もし負けたときには、前回のような騒動が起こるだろうな、と思っていましたが、それもなく、平穏に終わったようです。しかし、米国の民衆が望む政治家が当選した人なんでしょうし、他国のものがとやかく言うことではないのでしょうが、世界におおきな影響力をもつ立場だけにいろいろと心配もありますよねえ。四年間、米国大統領にふさわしい仕事を期待したいです。

ということで、今回はヘンデルです。ボツボツ聴いている、ヘンデルの歌劇とオラトリオ。今回はオラトリオ『ソロモン』であります。1748年に作曲、初演されたもので、ヘンデルのオラトリオでも最後の方のものです。先にヘンデルのオラトリオなどを取り上げたときに、その歌詞のことや実際の舞台がなかなか見れないことを述べましたが、それは私の見識の誤りでありました。歌詞については、ネットでは対訳を見ることができますし、実際の演奏も同じくネット(YouTubeなど)で見れる場合が多いです。その気になれば、なんとかなるものでありました。反省。

それで、この曲についても、まず対訳を入手。それをもってYouTubeの動画を見ました。YouTubeにはいくつかの演奏が見れました。私が見たのはマクリーシュ指揮のガブリエリ・コンソート&プレイヤーズのもの。ソロモンのCTのイエスティン・ディヴィスと女声のギリアン・ウエブスター、サラ・タイナンがとてもよく、かなり気に入って見てました。ただ字幕がないのが少し辛かったので、対訳をネットで入手して、それを片手に見たのでありました。

このオラトリオは三幕からなるのですが、なかなかの内容。第1幕は妻のために宮殿を云々、第3幕シバの女王の来訪があり云々。そして第2幕は一人の赤子を二人の女性が取り合うことにソロモンが裁きを下し、その見事さにみなさん賞賛、とまあ大岡裁きのようなもの。まあ三幕を通して、偉大な王のソロモンを讃えるもので、内容的にはどうもいい?な、と思い、対訳もそれほど熱心には見ませんでした。まあ結局、以前のように、音楽をひたすら聴き、YouTubeを見たのでありました。その演奏の映像があるのは、うれしいことでしたね。

このオラトリオのCDですが、ジョン・エリオット・ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏を聴いています。キャロリン・ワトキンソン(A ソロモン)、ナンシー・アージェンタ(S ソロモンの妻)、バーバラ・ヘンドリックス(S シバの女王)アンソニー・ロルフ・ジョンソン(T 大司祭)、スティーヴン・ヴァーコー(Br レヴィ人)、ジョーン・ロジャース(遊女1)、デラ・ジョーンズ(遊女2)です。1984年6月、ロンドンでの録音になります。

配役を見ても、女声が多いのです。女声好きの私にはとても嬉しい。ただソロモン役はアルトが歌ってますが、最近はカウンター・テナーが多く、それが主流かな。このCDが録音されたときは、まだアルトなどが歌うことが多かったんでしょうかね。とはいえ、このCDの女声はどれも素晴らしい。ゆったりとした、落ち着いた、そして聴き込んでいくうちに、その曲のよさがしみじみと心の中に広がっていく、そんなヘンデルのよさが全編に聴くことができます。

まず、第1幕。ソロモンの妻のアリアがいいです。ソロモンとの二重奏とその前後のアリア。特に、終わりのナイチンゲール・コーラスの前のアリアは、特に好きですね。アジェンダの伸び伸びとした歌唱でとてもいい。第二幕では、遊女1のロジャースの透き通ったソプラノがいい。3曲のアリアとソロモンとの二重唱は心を洗われるようです。第3幕では、シバの女王のヘンドリックス。やっとここに来て登場か、と思わせる歌唱はやはり存在感あります。2曲のアリアがありますが、終曲に近いところで歌われるアリアの説得力はさすがであります。加えて、全曲を通して、モンテヴェルディ合奏団は、やはり秀逸です。そして最後になりましたが、ワトキンソンのソロモンもなかなかの熱演でありました。これは蛇足ですが、ソロモンの妻はヘンドリックスでもよかったのではないか、思ったり…。また、YouTubeのマクリーシュの演奏でのサラ・タイナン、ソロモンの妻と遊女1を歌ってましたが、これが非常によかった。視覚的にも素晴らしいのでありました。

米大統領選は終わりましたが、兵庫県知事選まで、あと一週間。いろんな候補が出て、ネットなどでは混迷してきてますねえ。これもいったいどうなることやら…。
(Philips 412 612-2 1985年 輸入盤)

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