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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

『マカベウスのユダ』

2024年05月05日 23時59分00秒 | ヘンデル
今年初めてマリーンズ観戦。ほっともっと神戸でのバファローズとの二連戦です。まず、30日は佐々木朗希と宮城の投手戦。安定した佐々木の投球。7回までも10奪三振。1-0の快勝でした。そして1日。3-1でリードされた9回。拙守に助けられながらも、打者一巡の猛攻。安田の逆転打などで一挙6点のビックイニングで大逆転勝利でありました。ほんとに、見応えのあるゲームでありました。なかなかこんな勝ち方を連続して見れるとは、よかったよかったでありました。

ということで、まずはGWを楽しんだ二日間でしたが、それはそれとして、今回はヘンデルであります。1747年4月に初演されたオラトリオ『マカベウスのユダ』。このオラトリオは、あの「見よ勇者は帰る」が登場すること。あの表彰式、甲子園や大相撲などいろいろの場面で演奏される、あの曲ですね。これまでこの原曲は聴いたことがなく、ヘンデルを熱心に聴くようになって、この曲が収められている『マカベウスのユダ』を聴くに及び、その中で、ああこれだこれだということで、原曲を知ったのでありました。

とはいうものの、この『マカベウスのユダ』は、有名な割にはCDは少なく、アーノンクール、ガーディナー、ホッグウッド、ミンコフスキー、などのヘンデル作品を多く録音されている指揮者も。このオラトリオの録音がありません。ただクーベリックがバイエルン放響と行った1962年のライブ録音があります。ヴンダーリッヒやアグネス・ギーベル、ユリア・ファルクなどを配している魅力的な録音なんですが、ドイツ語版の大幅カットありでモノラル、ということで、私は持っておりませんし、未聴であります。それで、いろいろとCDを探したのでありますが、やはり中古やさんでいくつか発見することができました。

その中で、ニコラス・マギーガン指揮フィルハーモニア・バロック・オーケストによる演奏です。ギ・ド・メイ(T ユダ)、リサ・サッファー(S イスラエルの女)、パトリシア・スペンス(Ms イスラエルの男)ブライアン・アサワ(C-T 使者)、デヴィット・トーマス(B 司祭シモン)、ルロイ・クロム(B ユーポレムスバス)など。1992年11月の録音です。このCDには、ヘンデルが様々な機会に書き下ろした異稿もすべて収録されているのもうれしいです。

しかし、このオラトリオ、内容はまだしもどんな場面か、よくわからないのです。お話はユダヤ教徒たちが、偶像を崇拝する異教徒からの支配を克服・勝利するとか。どんな場面かはCDのトラックに記された標題を参考にするしかないのです。やはり解説本が欲しいところであります。ということで、このオラトリオ、いわば絶対音楽のように、ひたすら聴くのでありました。こんな聴き方では、曲の正しい理解ができないとのご批判もあるでしょうが、好むと好まざるに関わらず、これしかできない現状をお察しください。それでも十分に楽しめるのであります、

この演奏ですが、まずはマギーガンとオケが非常にいい。表情が豊かで、歌手以上に雄弁にそれぞれの場面を丁寧に歌い上げています。それに支えられた歌手の歌唱も、実に気持ちがこもっています。ソプラノのサッファー、メゾソプラノはスペンス、テノールのメイは、それぞれのアリアはとても魅力的です。ヘンデルのオペラでは、ゆったりとしたテンポでの女声のアリアをたいそう好むのですが、ここでもスペンスの第3幕冒頭の「天の父よ」やサッファーの第一部の「敬虔な酒宴、敬虔な空間」はそのよさが際立っていますね。また、第二部のサッファーと合唱による「ああ、惨めなイスラエル」では深い悲しみに満ちています。この女性ふたり。ソプラノとメゾソプラノ、クセのない美声でとて気持ちのよい歌唱です。第一部後半の自由について、まずソプラノそしてメゾソプラノのアリア、そののち二人のデュエットと展開していくところはとてもいいです。加えて、テノールのメイがとてもうまいですね。彼のアリアは特徴的な個性の強いものが多いのですが、第二部の「戦いを誇る人間はなんて虚しいんだろう」と第三部の「名誉をもって砂漠に栄冠を授けよう」は、前者は弦楽と後者は金管とのデュエットのような、非常に巧いテノールを実感しますねえ。それで、肝心の「見よ勇者は帰る」ですが、第三部の中ほどに登場しますが、あのメロディをテンポよく歌い上げる合唱、行進曲、とてもいいですねえ。ここで上げなかったですが、他も実に素晴らしい曲が満載のオラトリオであります。

そのバッファローズ戦の前に、マリーンズは、貯金3からまさかの7連敗でありました。投手がなかなか押さえられないし、打てませんでした。とりあえずバファローズとそれに続くイーグルス5連戦は、4勝1敗で乗りきりました。これで借金1まで戻しました。明日からは、ライオンズ戦。種市と佐々木で勝ち越し、五割としたいところです。
(Harmonia Mundi HMU90707778DI 1993年 輸入盤)

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