こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ワルターのブラームス4番

2019年06月23日 23時16分28秒 | ブラームス
今年は、6月も下旬なのに、梅雨入りの声を聞きません。梅雨入りの平均は6月7日。もっとも遅かったのは1958年の6月25日。梅雨入りが確認できなかった年が1963年とか。太平洋側の高気圧の張り出しが弱く、梅雨前線がはるか南に停滞したままになっているんですね。このまま上がらないと、夏が来ないとか。また梅雨入りが遅れると夏が短いとか、まあいろいろ心配ですね。今週後半からは雨みたいなので、梅雨入りも期待できますかね。もっとも、雨は嫌ですがね。

ということで、今回はブルーノ・ワルター指揮コロンビア響によるブラームス。交響曲第4番ホ短調作品98であります。1959年2月2,4,6,12,14日の録音。まあ、この演奏は古くから名演といわれているものであります。ワルターのブラームスの中でも最も有名な演奏ですかねえ。私も大学生のころに、このLPを買いました。その昔はフルトヴェングラーと並んでよく聞きましたねえ。たくさんあるこの曲の名演の中でも、際立つものでありましょう。

さて、この演奏、CDではかなり以前にSONYからの3枚組の全集を買いました(SRCR1725-7,1996年)。このCDは、なかなか鮮明な音ですが、多少音が細い印象なんです。決して音がよくないというわけではないです。これに対して、少し前にGRANDSLAMのこの曲の復刻CDを中古やさんで見つけました。これは、オープンリール・テープ(Columbia MQ323,19センチ、4トラック)からも復刻です。最近、こんな復刻CDはよく買っています。

それで、この復刻CDですが、音は少しこもったようで、SONYのCDに比べると鮮明さはなく、左右に分離はいまいちということで、そのあたりが少し不満でした。そして過日、GRANDSLAMには、もうひとつのこの曲の復刻CDがあるのを知りました。それは、2トラック、38センチのオープンリール・テープからの復刻でその音源は「Private archive」とありました。ユーザーレビューにも「同じレーベルから出た4トラ19㎝からの復刻盤と聞き比べてみたら月とスッポン。こんなにも違うかと驚くばかり。…2トラ38盤はSONYから発売されたシングルレイヤーSACDとそん色ないほどの高音質」ということでした。いやはや…。確かに、2-38と4-19では、違いますよねえ。うーん、2-38によるCDを買ってみよう!と思ったのでありました。

そうはいっても、4-19の復刻、SONYのCDと比べても、聴くべきところはあります。それは、音が非常に骨太で、SONYでは聴けなかった熱気あふれる演奏になっているのでした。けっこうこの演奏の印象を一転させるのでした。ワルターの演奏、特にこの4番については、曲調とも相俟って、「枯淡」という表現をたまに聞きます。しかし、このCDを聞く限りでは、そう言った表現はまったく当たらないのです。むしろエネルギッシュとは大袈裟でしょうが、非常に骨太で熱気に満ちた演奏委が展開されているのです。といっても、それは現在の演奏も含めてのものであり、ワルターの時代には、こんな演奏は少なくなかったとも言えますが…。

第1楽章、たいそうみずみずしいブラームス。表情は大仰ではないが、彫りの深い表現がとてもよい。そして流れるような旋律が心地よい。そして、次第に熱を帯びてくる。第2楽章。とても美しい旋律。慈しむように歌い上げる弦はしっかり統率され見事です。そんなところにもワルターらしさ満載。とはいえ、次第にここでも熱い気持ちが入っていく。第3楽章。 コロンビア響は小編成であるやゆえに、分厚い管弦楽は聴けないが、統率のそれた美しさはさすがであります。中間部のホルンも小振りな印象があるが、締まった美音。雄渾な演奏となっていく。そして、第4楽章。ここでも小振りのオケが少し気になるが、それを補う力強さと熱気。オケのまとまり。最後にこれが来るか、というほどの演奏。やはりこの曲には、この楽章がないとね。変奏が進むに連れて、熱も帯び、気持ちも高まって行く。ああ、いいなあ。

今年の夏は、やはり暑いんでしょうかねえ。暑い夏がやはり一番。でもほどほどの暑さであってほしいものです。
(GRANDSLAM GS-2062 2011年)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プレトニョフのピアノ・リサ... | トップ | ツィメルマンのショパン・バ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クレモナ)
2019-06-25 21:04:36
ブラームスの交響曲第4番、秋に聴きたくなる曲ですね。若い頃は、ブラームスという名は知っていても、なかなかLPを買わなかったですが、今は、大好きな作曲家の、一人になりました。
そこで、ワルターの演奏ですが、名演ですね。私も、同一の演奏を、数種類のCDで、所有しています。少し前から、古いCD(80年代)を見つけたら、出来るだけ購入するようにしています。この、ワルターの演奏も、所謂、マックルアー盤という、初期のCDを持っています。巷では、最も音の良いCDとされており、オークションなどでも、高額で取引され、人気があります。この、CDは、初期のため、AADなのです。通常、アナログ・オリジナルは、ADD、つまり、デジタルで、マスタリングし、CDにするのですが、前記のCDは、アナログ・マスターで、CDを作っているのです。つまり、アナログの音質を、忠実に再現しているCDということになります。確かに、最近の、アナログ・オリジナルのCDは、古い録音でも、殆どノイズや、ヒス音がありません。そのかわり、演奏の勢いや、熱気も感じられません。アナログ・マスターが、全て良いとは思いませんが、リマスタリングCDが、ただ聴き易い音質のものばかりでは、楽しくありません。
音質のことばかりになってしまいましたが、ワルターのこの時期の、一連の演奏は、オーケストラ奏者が、魂を込めて、老巨匠に尽くしたものということが、感じられます。普段は映画音楽などを演奏している、ミュージシャンが、久しぶりのクラシック音楽を、楽しんで演奏しているのが、解りますね。各楽器がピックアップされ、若干、ポップス系に近い録音ですが、そこは、ワルターが、きちんと、コントロールしています。特に、この第4番は、良いです。秋に、聴きたいです!
返信する
コメント、ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2019-06-26 21:42:03
クレモナ 様、コメント感謝です。私も以前は、ブラームスの交響曲は秋になると無性に聴きたくなるな、と強く思ったものです。逆に言うと、夏なんか、聴いとれるか、といつことでありますね。最近は、年中きいておりますが…笑。CDについても、LPがそうであったようの初期盤のほうが、いい音なんですね。確かに、初期のCDの方が、しっかりとした造りのような感じですね。一般的にAADよりも、ADD、そしてDDDの方がいい音がすると思い込んでいましたね。今後、ご指摘の視点で注意して聴いていこうと思います。またご教示ください。
返信する

コメントを投稿

ブラームス」カテゴリの最新記事