実に長いご無沙汰でありました。先月外国に出張に行って以来、いろいろとありました。出張のあとかたずけなどや、それはもう大変でありました。まあ約一ヶ月ほど、なんとも言えない多忙な毎日。まあこの5連休でやっと休めるかと思っています。でも、9月に入って、今年は涼しくなったなと思い、一方では茨城の大洪水があったり、いろいろとありました。しかし、一ヶ月ほどブログなしの生活をすると、それはそれでよかったかなとも思ったりして…。とはいえ、頑張って、更新をしようと思ったのでありました。
そんなことで、今回はブラームスのピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15。演奏は、アレクシス・ワイセンベルグのピアノに、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン交響楽団。1972年の演奏であります。ジュリーニは、この時期ウィーン響の首席指揮者だった時期で、御年58才でした。一方、ワイセンベルグは、この時期カラヤンと盛んに録音をしていた時期であり、最も録音も多く、彼の生涯の中で最も充実していた頃で会ったと思います。御年43才でありました。
しかし、ジュリーニは、ブラームスは多くの録音をしている作曲家だったようですね。交響曲については、1960年代にNPOと、1990年代のVPOと、それぞれ全曲録音があります。他にも、第1・2番をロス・フィル、2・4番をシカゴ響とそれぞれ録音しております。また、ピアノ協奏曲も1960年代にクラウディオ・アラウと1・2番を録音しています。それなりにブラームスwを好んで演奏してはったんでしょうねえ。
この演奏、EMI Classicsの決定盤1300というシリーズの一枚なんですが、録音が今イチよくないですね。このCDだけなのかは、わからないのですが、ピアノの音はそんなに思わないのですが、オケの音を中心に全体的に乾ききって潤いのない響きになっております。時代的なものかと言えば、1970年代ですからそうも思えない。そんなところが、少々残念ではありますが、それはそれで、演奏はなかなかどうしてどうしてであります。
ジュリーニという人は、これほど熱い演奏をするのか、とまず思います。ライブでもないのに、実に激しく燃えた演奏を展開しています。特に、第一楽章では、14分の後半から最高潮に達し、ジュリーニと思える人、馬にムチを入れるような叫び声が聞こえるのです。まさにオケにムチをいれるようであります。そんな演奏にまず驚かされます。アラウとの演奏と比べてもそれは県庁なんですねえ。何が彼をそうさせたのか。ワイセンベルグのピアノなんでしょうか。そのワイセンベルクのピアノも、録音に原因があるかもしれませんが、実に硬質であります。そして、一音一音が明瞭で際だった美しさも感じますね。しかし、最初はこのブラームスは、うーんどうなんかなあ、と思いました。もっとしっとりと際だった美しさのブラームスがいいなあ、とか勝手に思っていたのですね。しかし、これを聴き慣れると、このよさが次第に現実のものになってくるのですねえ。ワイセンベルグの澄んだ硬質のピアノは、この上無い美音としてひしひしと心に突き刺さるのであります。そして、ジュリーニも、剛の一本槍ではなく、なかなか剛柔をうまく展開して、いやはや巧さが滲み出てきます。
第一楽章、極めて剛胆な、そして迫力に満ちたオケと、その中で際立ち一歩の引かないワイセンベルクのピアノ。圧倒されます。第2楽章は、一転してしっとりとした美しさが満載。ギレリスのピアノは月明かりの中で浮かび上がってくるような趣で、この楽章はいいですねえ。そして、第3楽章、両者が競い合うような展開から、曲のよさがあふれ出てきます。最後は、両者の拮抗した競い合いが昇華されるのでした。
今日、参院平和安全法制特別委員会で安保法案が可決されました。加えて、ホークスがパリーグの優勝となりました。いろんなことが起こっているのでありました。でも、このCDのジャケットのおふたりは、なかなか渋いですね。
(EMI TOCE-13213 2005年 決定盤1300)
そんなことで、今回はブラームスのピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15。演奏は、アレクシス・ワイセンベルグのピアノに、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン交響楽団。1972年の演奏であります。ジュリーニは、この時期ウィーン響の首席指揮者だった時期で、御年58才でした。一方、ワイセンベルグは、この時期カラヤンと盛んに録音をしていた時期であり、最も録音も多く、彼の生涯の中で最も充実していた頃で会ったと思います。御年43才でありました。
しかし、ジュリーニは、ブラームスは多くの録音をしている作曲家だったようですね。交響曲については、1960年代にNPOと、1990年代のVPOと、それぞれ全曲録音があります。他にも、第1・2番をロス・フィル、2・4番をシカゴ響とそれぞれ録音しております。また、ピアノ協奏曲も1960年代にクラウディオ・アラウと1・2番を録音しています。それなりにブラームスwを好んで演奏してはったんでしょうねえ。
この演奏、EMI Classicsの決定盤1300というシリーズの一枚なんですが、録音が今イチよくないですね。このCDだけなのかは、わからないのですが、ピアノの音はそんなに思わないのですが、オケの音を中心に全体的に乾ききって潤いのない響きになっております。時代的なものかと言えば、1970年代ですからそうも思えない。そんなところが、少々残念ではありますが、それはそれで、演奏はなかなかどうしてどうしてであります。
ジュリーニという人は、これほど熱い演奏をするのか、とまず思います。ライブでもないのに、実に激しく燃えた演奏を展開しています。特に、第一楽章では、14分の後半から最高潮に達し、ジュリーニと思える人、馬にムチを入れるような叫び声が聞こえるのです。まさにオケにムチをいれるようであります。そんな演奏にまず驚かされます。アラウとの演奏と比べてもそれは県庁なんですねえ。何が彼をそうさせたのか。ワイセンベルグのピアノなんでしょうか。そのワイセンベルクのピアノも、録音に原因があるかもしれませんが、実に硬質であります。そして、一音一音が明瞭で際だった美しさも感じますね。しかし、最初はこのブラームスは、うーんどうなんかなあ、と思いました。もっとしっとりと際だった美しさのブラームスがいいなあ、とか勝手に思っていたのですね。しかし、これを聴き慣れると、このよさが次第に現実のものになってくるのですねえ。ワイセンベルグの澄んだ硬質のピアノは、この上無い美音としてひしひしと心に突き刺さるのであります。そして、ジュリーニも、剛の一本槍ではなく、なかなか剛柔をうまく展開して、いやはや巧さが滲み出てきます。
第一楽章、極めて剛胆な、そして迫力に満ちたオケと、その中で際立ち一歩の引かないワイセンベルクのピアノ。圧倒されます。第2楽章は、一転してしっとりとした美しさが満載。ギレリスのピアノは月明かりの中で浮かび上がってくるような趣で、この楽章はいいですねえ。そして、第3楽章、両者が競い合うような展開から、曲のよさがあふれ出てきます。最後は、両者の拮抗した競い合いが昇華されるのでした。
今日、参院平和安全法制特別委員会で安保法案が可決されました。加えて、ホークスがパリーグの優勝となりました。いろんなことが起こっているのでありました。でも、このCDのジャケットのおふたりは、なかなか渋いですね。
(EMI TOCE-13213 2005年 決定盤1300)
こんにちは。
お休み。楽しんでいらっしゃるようですね。ジュリーニのEMI録音はなんで?と思うほどに録音がよろしくないです。CSOとのブラ4もイマイチ。
DGやSONYのころに比べ、知情意のバランスの均衡がとれた演奏が多かったEMI期だけに残念。
さて、演奏ですが、ご指摘の通り、録音が良くないです。まず、オーケストラ、ヴァイオリンの音がザラつき気味で美しくないです。低弦を効かせていますが、全体的に音の溶け合いが悪く、バラバラに聴こえます。ピアノの音もキレが悪く、濁っています。ブラームスの青春の歌が、十分表現されていないと思います。
ワイセンベルクは割と好きなピアニストでした。この人は強靭な打鍵やテクニックが売りでしたが、それが却ってレパートリーを縮めたのではないかと思います。現在どのようになっているのかは解りませんが、カラヤンと競演した人は出世しないという、ジンクス通りになってしまったのでしょうか?バーンスタインと競演したラフマニノフの第3番なども、良い演奏でしたがね。