こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

今、最も新しいハイドン

2010年04月17日 00時15分49秒 | ハイドン
4月の半ばというのに、またまた寒くなりました。ここ数日はほんとに寒い毎日であります。これだけ寒暖の差があると、けっこう辛いですね。今更、冬衣装にもどるわけにも行かず、妙に「伊達の薄着」になってしまい、寒さに震えております。先日も三宮に出張があり、ついつい帰りにCDやさんに寄ってしまい、行ったら行ったで、欲しいなと思えるCDは不思議とあるんですねえ。いやー、またまた買ってしまう、ほぼ中毒状態でありますねえ。

というわけで、今回はハイドンです。以前にも触れたことがありますが、最近モダン楽器によるハイドンの演奏の新譜は、あまり見ることができませんよね。そんな中、つい最近VPOによる3枚組のCDが出ました。「ハイドン・メモリアル・イヤーを記念して、ウィーン・フィル自らがプロデュースしたCDが制作されました。ロレックスの協賛も得てつくられたこのセットは、80ページの豪華なブックレットと共に質感の良い紙製ケースに収められています」ということなんですね。アーノンクール、ウェルザー=メスト、ブーレーズ、ドホナーニ、メータの5人の指揮者によるハイドンの7つの交響曲がライブ録音で収められています。この中から、ニコラウス・アーノンクール指揮による交響曲第93番ニ長調 Hob.1:93。録音は2009年5月10日。ウィーン、コンツェルトハウスでのライブです。このCDの中では最も最近のもの。去年の演奏ですねえ。

今や、押しも押されぬ巨匠として、揺るぎない存在となったアーノンクールですが、1970年代においては、ウィーンでは決して認められていたわけではなかったそうですね。アーノンクール批判の急先鋒のひとりが、かのカール・ベームであったことは広く知られているお話。現在では、VPOともたいそうも緊密な関係が築かれているみたいですし、それはBPOとも同様ですね。まあ、彼の主張する音楽が広く認められてきた証でもあるでしょう。そんなアーノンクールがVPOと演奏したハイドンをこのCDから取り上げた理由は簡単です。彼の演奏が一番印象に残ったからであります。

というのも、このアーノンクールによる演奏、特にVPOから極めて素晴らしい音を導き出しているからなんです。充実して実に立派な演奏ですねえ。こんな演奏の前では、ピリオド楽器かモダン楽器かなんてことは、まったく無縁です。そんなわけで、この演奏、VPOが他ではちょっと聴けないような音を出しています。演奏は、まさしくピリオド楽器による奏法なんです。しかしそんなことはまったく気にならないほどであります。それくらいVPOの美音がいいのであります。まあ、個人的にはこんな演奏よりは、昔風のウィーン的な情緒にあふれた演奏をVPOには聴かせて欲しいとは思うのです。しかし、そんな気持ちも吹っ飛ぶようなアーノンクールとVPOの演奏です。

まず、VPOから引き出された音は、たいそう明快です。竹を割ったようなスパッとした弦であります。そしてアンサンブルの密度が高い。つまり一点の曇りもなく純度の高い演奏です。そして、時折聴くことのできる木管は、愛らしさを保ちながらもこれまた混じり気のない音色となっていますね。そして、アーノンクールの指揮も、明快です。ハイドンの演奏はかくあるべきだという信念が伝わってきそうです。そしてスケールの大きな恰幅のいいハイドンです。他を圧倒するような堂々としたハイドンを聴くことができます。この93番、いわゆるザロモンセットの最初の番号の曲ですが、親しみ安い曲ですよ。第1楽章は、ハイドンらしい始まりで、その後の主部も聴きやすいものアーノンクールの特徴か。加えて表情も豊かな主部です。第2楽章、弦楽四重奏的に始まるのです。ハイドンは多くの交響曲を残しましたが、いろんな試みがしています。この弦の響きも愛らしい。第3楽章メヌエット。優雅さよりも堂々としたもの。演奏のキレも心地よい。そして終楽章ロンド、颯爽としたハイドンとなって大団円。

しかし、このブログでもハイドンは多く取り上げていますね。ということは、ハイドンはかなりよく聴くし、かなりのお気に入りなんでしょう。またハイドンを聴きましょう!
(Wiener Philharmonike WPHLH2009123 2010年 輸入盤)

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