CDが売れなくなっている昨今ですが、私は相も変わらず買い続けているのであります。とは言え、購入の9割は中古やにお世話になっています。そして、最近よく買っているのは、オペラなんです。それは値段も安くなっていることと、最近新譜はほとんど発売されず、以前の出たものも、そのうち入手困難になるだろうと思うからです。でも、オペラのCDってカサが高いんですよね。オペラばかり買って、置く場所に困っている昨今であります。これも深刻な悩みですよねえ。
まあ、そんなことはさておき、今回は前回に続いてハイドンであります。過日、知人と話しているときに、知人が「テイトのモーツァルトの交響曲はいいですねえ」とのたまわれました。「テイトは交響曲も、また内田光子とのピアノ協奏曲もいいですよねえ」、と言ったのですが、そうだ、テイトはモーツァルトもいいが、ハイドンの交響曲もよかったよなあ、と思ったのです。ということで、テイトのハイドン交響曲を聴くことになったのでありました。
テイトとは、もちろんジェフリー・テイトのことです。1943年生まれのイギリスの指揮者で、もうすでに2017年に74才で逝去されています。先述のようにモーツァルトの録音のほか、どんな録音が残されているのか。手元には、オッフェンバックの『ホフマン物語』などもあったりですが、それほど明確にはわかりません。ハイドンについても、第94,95,97番と、第100,103,96番がそれぞれ収められているCDが2枚しか、持っていません。
実は、テイトのハイドン交響曲については、2007年12月に取り上げたことがあります。そのときに、ロンドン・セットは5枚のCDで分売されていると述べています。しかし、その後、テイトのハイドンにはほとんど関心を示さずになってしまい、この6曲以外は、未聴の状態が続いているのでありました。ロンドン・セット全曲でBOXにならないかとも、指摘していますが、15年以上たっていることもあり、なかなか入手は困難なんでしょうねえ。
ということで、今回はジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲第103番変ホ長調『太鼓連打』であります。1986年3月ロンドン・アビーロードスタジオでの録音。テイトの演奏、以前に第94,95,97番のCDを取り上げたときには、「心地よいテンポ、それでいて軽くならず、腰がすわっている。明快で見通しがよく、音楽が生き生きと流れる」と述べています。基本的には、今回も印象は変わりませんでした。テイトさん、風貌からも生真面目な印象を受けますが、演奏も至ってマジメ。テンポも一定。ハイドンの書いた楽譜を忠実に再現しようとする印象ですねえ。そんなスタンスから、ハイドンのよさがたいそうよく伝わって来ます。非常にメロディーなども聴きやすく、よく入ってくるんですね。それは、イギリスCOの小編成のオケのよさを十分に引き出していることによると思う。このオケ、バレンボイムとのモーツァルトピアノ協奏曲の演奏でも、実にいいオケでありました。派手さはないが、弦はよくまとまり、木管はいい音で歌う。この小編成ゆえの機動力が存分に発揮して、ハイドンがとてもいい音で生き生きと魅力的に演奏されているのでありました。聴いていると、ほんとに余分なものがなく、構成も安定して、実に堅固で揺るぎない。そして小気味よく旋律が歌われる。ハイドン演奏の理想形のように思います。
第1楽章、いつもの暗い序奏が終わると、晴れ渡った青空のようなアレグロの主部。ここも実に表情が豊かですね。この序奏がコーダの前に再び現れますが、それも陰鬱な表情への変化がいい。第2楽章、変奏曲です。それぞれ変奏で、実にさまざまな楽器が生き生きと活躍。聴いていて愉悦感いっぱいです。オケがとてもいい。第3楽章。大規模な印象を持つメヌエット。踊りの場面が思い浮かぶよう、また力強さも感じながらです。中間部も実に流れがよい。ハイドンのメヌエットのよさを存分に感じられる。そして終楽章。それに相応しい偉容やスケールの大きさが楽しめる演奏。四楽章、それぞれの特質をよく踏まえてのテイト。そのあたりの構成力も素晴らしいですねえ。
話はもどりますが、中古やさんで買うと、安いので、ついついたくさん買ってしまいます。それは嬉しいのですが、前述のように置き場所がほんとになくなってしまいます。断捨離とは無縁の生活。いつまで続くのでありましょうや…笑。
(EMI TOCE-4051 1997年)
まあ、そんなことはさておき、今回は前回に続いてハイドンであります。過日、知人と話しているときに、知人が「テイトのモーツァルトの交響曲はいいですねえ」とのたまわれました。「テイトは交響曲も、また内田光子とのピアノ協奏曲もいいですよねえ」、と言ったのですが、そうだ、テイトはモーツァルトもいいが、ハイドンの交響曲もよかったよなあ、と思ったのです。ということで、テイトのハイドン交響曲を聴くことになったのでありました。
テイトとは、もちろんジェフリー・テイトのことです。1943年生まれのイギリスの指揮者で、もうすでに2017年に74才で逝去されています。先述のようにモーツァルトの録音のほか、どんな録音が残されているのか。手元には、オッフェンバックの『ホフマン物語』などもあったりですが、それほど明確にはわかりません。ハイドンについても、第94,95,97番と、第100,103,96番がそれぞれ収められているCDが2枚しか、持っていません。
実は、テイトのハイドン交響曲については、2007年12月に取り上げたことがあります。そのときに、ロンドン・セットは5枚のCDで分売されていると述べています。しかし、その後、テイトのハイドンにはほとんど関心を示さずになってしまい、この6曲以外は、未聴の状態が続いているのでありました。ロンドン・セット全曲でBOXにならないかとも、指摘していますが、15年以上たっていることもあり、なかなか入手は困難なんでしょうねえ。
ということで、今回はジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲第103番変ホ長調『太鼓連打』であります。1986年3月ロンドン・アビーロードスタジオでの録音。テイトの演奏、以前に第94,95,97番のCDを取り上げたときには、「心地よいテンポ、それでいて軽くならず、腰がすわっている。明快で見通しがよく、音楽が生き生きと流れる」と述べています。基本的には、今回も印象は変わりませんでした。テイトさん、風貌からも生真面目な印象を受けますが、演奏も至ってマジメ。テンポも一定。ハイドンの書いた楽譜を忠実に再現しようとする印象ですねえ。そんなスタンスから、ハイドンのよさがたいそうよく伝わって来ます。非常にメロディーなども聴きやすく、よく入ってくるんですね。それは、イギリスCOの小編成のオケのよさを十分に引き出していることによると思う。このオケ、バレンボイムとのモーツァルトピアノ協奏曲の演奏でも、実にいいオケでありました。派手さはないが、弦はよくまとまり、木管はいい音で歌う。この小編成ゆえの機動力が存分に発揮して、ハイドンがとてもいい音で生き生きと魅力的に演奏されているのでありました。聴いていると、ほんとに余分なものがなく、構成も安定して、実に堅固で揺るぎない。そして小気味よく旋律が歌われる。ハイドン演奏の理想形のように思います。
第1楽章、いつもの暗い序奏が終わると、晴れ渡った青空のようなアレグロの主部。ここも実に表情が豊かですね。この序奏がコーダの前に再び現れますが、それも陰鬱な表情への変化がいい。第2楽章、変奏曲です。それぞれ変奏で、実にさまざまな楽器が生き生きと活躍。聴いていて愉悦感いっぱいです。オケがとてもいい。第3楽章。大規模な印象を持つメヌエット。踊りの場面が思い浮かぶよう、また力強さも感じながらです。中間部も実に流れがよい。ハイドンのメヌエットのよさを存分に感じられる。そして終楽章。それに相応しい偉容やスケールの大きさが楽しめる演奏。四楽章、それぞれの特質をよく踏まえてのテイト。そのあたりの構成力も素晴らしいですねえ。
話はもどりますが、中古やさんで買うと、安いので、ついついたくさん買ってしまいます。それは嬉しいのですが、前述のように置き場所がほんとになくなってしまいます。断捨離とは無縁の生活。いつまで続くのでありましょうや…笑。
(EMI TOCE-4051 1997年)
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