こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ガーディナーによる『未完成』

2010年04月21日 21時35分44秒 | シューベルト
新年度になりましたが、少々お疲れです。3月から今まで少々オーバーワーク気味。新年度の始まりは、それなりに緊張感もあってか、なんとか頑張っていましたが、ここに来て、少々バテております。今週からは、月・火と6時台前後までの仕事が加わりまして、それもつらいところです。GWまであと十日ほどになりましたが、それまではなんとか気張っていかないといけません。今日も昼下がり、室内と違ってぽかぽかと暖かい屋外にでると、なんとも気持ちがいい。芝生にでも寝転んで昼寝がしたいな、と思ったのでありました。

そんな今日この頃なんですが、今回はシューベルトです。先日三宮の中古やさんで見つけたCDです。ジョン・エリオット・ガーディナー指揮リヨン歌劇場管弦楽団によるシューベルトです。交響曲第8番ロ短調D.759『未完成』であります。1987年7月フランスのモンペリエ歌劇場での録音です。これを買った理由は、500円という値段に惹かれたからにからに他なりません。これは交響曲第9番『ザ・グレート』とで一枚に収められていますが、LPの時代では考えられなかった組合せです。近年、こんな組合せはけっこう見ることができますね。去年の年末、同じ曲をホルスト・シュタインの演奏で取り上げましたが、これも8・9番が一枚になっていました。
さて、ガーディナーと言えば、古楽器演奏の一つの旗頭ですが、最近ではベートーヴェンどころかブラームスまで手がけています。将来的にはブルックナーやマーラーまでたどり着くことは必至でありましょう。この演奏はリヨン歌劇場管弦楽団とのものですが、ちょうど1983年から89年まで同歌劇場の音楽監督だったことで、この組合せになりました。もちろん同劇場管は、モダン楽器のオケですが、古楽器演奏の成果を取り入れたものになっています。

常々、申しておりますが、古楽器による演奏が苦手でありましす。このCDも最初は、9番だったんですが、この9番、どうもよろしくない。おそらくは、古楽器の音色がこの9番には、似つかわしくないのでしょう。もっと分厚い演奏がいいのでしょうかねえ。とはいうものの、随所にいいとことは感じますね。それでうーん、やはりこんなもんかなと思って、まあ『未完成』もついでに、ということで続けて聴きましたら、この『未完成』、たいそういいのです。私の耳もいい加減なもので、この曲については、そんなに古楽器という印象を持たなかったのです。それよりは、例えば第1楽章では、ドラマティックで劇的、かつ明晰な演奏に大いに好感が持てます。この曲のオーボエや弦による、有名な旋律が流れるようでかなり明快に聞こえます。そして、明暗の区別も明瞭。この曲の暗さは十分に表現され、それと一転した明るさの対比もおもしろい。また、ここぞという時の合奏のまとまりのよさと鮮烈さも、誠に新鮮であります。曲が進むにつれて、好調さは増し、更に盛り上げてくれていますね。また第2楽章でも憧憬のような曲の美しさがよく表されています。明るさの中に、急転暗部になっていきあたりも鮮やかです。ガーディナーのエネルギッシュな指揮もこの曲を聴いていると思い浮かんできそうです。全体的にテンポは速めですが、丁寧な演奏ゆえにそんなイメージはあまりなく、むしろシューベルトの音楽がわかりやすく展開されているところが、ほんとにいいです。

このガーディナーの『未完成』を聴いていると、第2楽章で終わったことが、なんと尻切れトンボのようで、この続きが聴きたいなあ、とつい思ってします。こんなことを思う演奏は初めてでした。この楽章に続く楽章とはいったいどんなものでしょうかねえ。
(ERATO WPCS-21010 WARNER CLASSIC BEST 100 2000年)

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