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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

カラヤンの、一片の曇りもないハイドン

2024年05月19日 11時59分00秒 | ハイドン
どうも、年齢的に少し無理をすれば、風邪をひいてしまう。こんなことになっているようです。先週も、火水木と計30㎞走って、木金と4㎞歩いて、そのあと10㎞走る、これを二日続けました。すると二日目の夜には、喉に異変。そして翌日にはどうも風邪の症状。これで数日は走れない…。まあ、体が悲鳴をあげているんでしょうねえ。このごろ、そんなことが年に2度ほど、年中行事のように起こるのですね。まあ、風邪くらいでいいのでしょうが、何だか悲しくなるなあ。でも、何事もほどほどが大切なんでしょうねえ。

まあ、それはさておき、今回はハイドンのロンドン交響曲からです。最近、ベートーヴェンの交響曲をカラヤンの1960年代録音の演奏で聴きました。カラヤンの演奏、以前にも述べたかもしれませんが、最近あまり聴いていないです。しかし、久々に聴くと、やっぱりこの人の演奏はスゴいなあ、と思ってしまう。ベートーヴェンの交響曲も、そのむかし5番や7番はレコードで持っていて、買ったときはそれほどいいとは思わず、同じころに買ったフルトヴェングラーをよく聴いてました。今回レコードも久々に取り出して、聴いてみましたが、やはりそれなりに素晴らしい演奏であるとの感想でありました。レコードで聴くのもSACDで聴くのも、カラヤンは同じようにスゴいなと実感したのでありました。

そんなことから、今回のハイドンもカラヤン指揮BPOの演奏。カラヤンはハイドンを1970年代前半にEMIに録音したこともありますが、今回のは1981-82年にベルリンでBPOと録音したロンドン交響曲集であります。全部で12曲あり、どの曲でもいいのですが、私的には第99番変ホ長調が、一番好きな曲でもあるので、このあたりを取り上げます。

最近のハイドンの演奏は古楽器が主流であり、カラヤンのような演奏はあまり取り上げられないし聴かれないのが現状でしょうね。しかし、このカラヤンの演奏は、一言で言うなら、一点の曇りもない、のです。欠点らしきものが見当たらない。ただ、演奏が実に堂々としていて、威厳すら感じる。そして煌びやかなほどの豪華な演奏なんですねえ。まさに、ベートーヴェンのような偉容に満ちた、そして正に現代オーケストラの到達点ともいえるような立派な演奏であります。

問題は、ハイドンの交響曲は、こんな演奏でいいのか、ということ。これらの曲は、モーツァルトの最後の三大交響曲以降、ベートーヴェンの第1番以前に位置づけられる。まあ、ベートーヴェンですら大規模なモダンオケでの従来型の演奏は、少なくなってきている。ハイドンにおいても、同じなんですね。そして、カラヤンのような演奏がハイドンに相応しいのか。ただ、どちらも演奏次第ではないか、と判断すべきでしょう。私はこんな演奏、嫌いではありません。

そう考えると、カラヤンに演奏は素晴らしい。ただ、時折少々たいそうすぎないか、と思ってしまうのしても、それでも一片の曇りもない。ゆったりしたテンポで、オケをしっかりドライブして、表現についてもいたってニュートラル。過度な表現もなく、平均的。これがおもしろくないということだろうが、逆に言うなら、高い水準での万人に受け入れられる演奏ではないか。このことは、個性的で心を揺さぶるような演奏はCDで再現することは限界があり、そんなことを望むのなら、実演を聴くべきと思う。かのフルトヴェングラーでも、ライブとスタジオ録音では、かなりの違いがある。CDで聴く音楽は汎用性も重要であると思うのでした。

99番は、第1楽章の序奏からスケールと大きさととその偉容。他では聴けない大きさ。そしてオケの演奏は実に緻密。主部に入っても実に豪華な演奏で音楽が流れる。スマートに無駄もなくひたすらにハイドンの音楽を理想的に再現。第2楽章アダージョ。ゆったりとしたテンポで、弦や木管の極上の美しさは比類ない。ここでもこれ以上、これ以下もない、理想的な表現と思う。美の極地であります。第3楽章メヌエット。カラヤンのメヌエットはこの音楽をバックに舞踊する姿をよく思い浮かべることができる。これが素晴らしい。実に愛らしく、そして優雅さ、そして気品を感じる。これもカラヤンの見事さ。そして終楽章。最初の弱音での演奏から、ダイナミックな演奏への転換など、実にうまい。ハイドンの終楽章は、「さあ、みんなで終わりましょう」的な表現、と最も感じさせてくれるのがカラヤンの演奏ですね。ハイドンの交響曲は、これでなければいけない、というカラヤンでありました。

この時期は、毎年要注意の季節なんですね。5・6月と10・11月。このあたり季節の変わり目であるのと、仕事でも折り返し地点になる。そんなこんなで、今週一週間はお休みにならざるをえないのですが、そうも言ってられないこともあったりで、悩ましい限りであります。
(DG POCG-3743/7 1997年)

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