こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

890円のトリスタン

2007年12月10日 22時13分30秒 | ワーグナー
先週末に忘年会で三宮に行きましたが、そのとき久々にタワーさんに寄りました。最近は、中古やHMVのネットでの購入が多く、タワーさんにも足が向いていなかったですね。いろいろとCDを見ましたが、やはり値段は安くないですね。HMVのネットと比べると、2枚組でも1000円くらいの差があり、ここまで価格差があると購入意欲がわいてきませんね。そこで、ワゴンにある安売り商品を物色した次第です。その中で、エーリヒ・クライバーのワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を二つ見つけました。一つは、1952年のバイエルン国立歌劇場、今一つは、1938年のテアトロ・コロンのそれぞれライブです。3枚組で値段はなんと890円!まあ、録音がよくないので2000円くらいでは考えますが、890円なら「買いだ!」と思いました。それで1938年の方を選びました。それはトリスタンをマックス・ローレンツが歌っているからですね。
このCDの写真がローレンツですが、なんやらスーツの宣伝みたいです。なかなかの男前ですが、戦前のヘルデン・テノールとしては第一人者ですね。1950年代半ばまでは活躍されてましたが、全盛期の良好な録音がなかなかないのが残念ではあります。
それで、本日は代休を取りましたので、夕方から全曲を聴きました。私はそれほど音の善し悪しは気にならないほうなんですが、全曲を通してジャリジャリノイズは聴かれ、第三幕前半は聞きにくく、回転数がおかしい箇所もかなり見られ、加えて音が少しとんでいるところも確認されました。まあ、この年代のものだとこんなもんでしょう。しかし、そんな音の劣悪な状態でも、一気に全曲を聴けました。まあトリスタンの曲の力もあるでしょうが、演奏は素晴らしいものでした。まず、クライバーですが、全編通じて熱い演奏を展開します。イゾルデのアニー・コネツニーは、それほど力量があるわけではありませんが、清楚な歌唱はよかったです。ブランゲーネのカリン・ブランツェルも二幕の夜の場面ではよく通る声が印象に残ります。そしてローレンツですが、第一幕・第二幕の終わりの場面は、時代がかった声ですが、立派な歌い振りです。そして、第三幕前半のトリスタンの真骨頂の場面は、音が今イチで残念ですが、音域も広く味わい深く、説得力のある、聴かせる歌声です。そして、イゾルデがやってくる場面に向かって音楽は最高潮に盛り上がります。このあたりの高揚感はさすがです。しかし、最後の愛と死では、雑音がイゾルデの歌声を邪魔するんですね。うーん。ニルソンだったら雑音には負けないでしょうかね。
音が良かったらと思う演奏ですが、それでも約三時間半、楽しめるCDであります。

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