先週、岡山県立美術館の特別展『雪舟と玉堂』を見に行きました。今回は雪舟の「山水長巻」がすべて見れるというので、岡山まで出かけた次第です。雪舟の絵画、今回はじっくり見ることができました。やはり「山水長巻」は圧巻でした。山水図での山や木などだけではなく、海の様子や船や家屋なども非常に写実的に描かれ、墨の濃淡だけで、ここまで表現できるか、と驚きました。また、直線が非常にきれいですね。雪舟の凄さを再認識させてもらいました。
ということで、もう3月。今回はシューベルトであります。スヴィヤトスラフ・リヒテルの演奏で、ピアノ・ソナタ第17番二長調D.850です。この曲は、以前に村上春樹さんの『海辺のカフカ』や『意味がなければスイングはない』で取り上げられ、そのこともあり二度ほど取り上げました。1825年に作曲され翌年に出版されており、バート・ガスタインで作曲されたことから『ガシュタイナー』とも言われているそうです。この呼称は初めて知りました。
リヒテルのシューベルトは、ビクターからの19.21番や、EMIからの13番などがスタジオ録音として知られています。他にもライブなどもたくさんあって、いろいろと複雑です。例えばProfilから出ているモスクワでのライブを集めた10枚組には、6,13,14,15,16.17,19.21番が収められています。またデッカには9,15,18番のライブ演奏も残されています。他にも、ライブ音源などがけっこういろいろと残されており、そのあたりはベートーヴェンでも同じ状況ですねえ。
それで、今回の17番ですが、1956年6月14日プラハでのライブです。まだリヒテルが西側にデビューする前の「幻のピアニスト」のころの演奏です。モノラルですがSACDハイブリッド盤。ピアノの独奏は、モノラルでもそれほど聴きにくくはないものが多いのですが、このCDはかなり音質がいいです。SACDとなったお陰でしょうか、まったくストレスなく聴くことができますね。といっても、もとのモノラルの音質がどうだったかは、知らないですがね。
リヒテルの演奏、まずは強打のピアノに驚かされます。ロシアピアニズムの流れですね。リヒテル、このとき40才。若くて元気一杯のピアノが展開されています。ただ、そんなピアノだけではないのが、リヒテルの凄さなんでしょうねえ。この曲って確かに変。でも多かれ少なかれ、この人の曲ってそんな傾向がある。でも、それぞれの楽章は非常に魅力的。リヒテルはそれぞれの楽章もよさを最大限に表現しています。大胆でダイナミックな表現で一気に突っ切るかと思えば、穏やかで、消え入るよな微かな美しさも表現している。シューベルトを抜群のテクニックで縦横無尽に演奏しているのであります。強弱・硬柔を巧みに織り交ぜながら一気に駆け抜ける様は、天才の閃きを感じるところであります。
第1楽章、まずは一発。リヒテルの強打が炸裂。速めのテンポでまくし立て、目まぐるしい展開に耳が奪われる。鮮やかな打鍵で凄まじい技巧を駆使し、その強靱な響きは快感であります。第2楽章、一転して静寂な穏やかなピアノ。ただし強靱さは健在。シューベルトらしい美しい楽章を抒情的に歌い上げる。リヒテルのピアノは繊細にそれを表現し、無上の美しさがそこにはある。第3楽章、再び躍動感に満ちた強打が展開。左手は活発で右手の対抗するよう。そして中間部になると、一転して抒情的。それも強靱なピアノで展開されそれは無上の美しさに達するよう。そして再び強打での反復。爽快なピアノであります。そして第4楽章。以前に「おかしい終楽章」といて取り上げました。しかし、このリヒテルはいいです。これまでと打って変わって軽快なピアノ。軽やかなステップで駆け抜ける。この楽章自体のことは置いといて、リヒテルの見事な演奏に聴き惚れてしまいます。軽快に愛らしく踊り、そのピアノに酔うのでありました。
このDCは、タワーさんのセールで見つけました。安かったです。また、最初に述べた「雪舟と玉堂」の特別展は、いつもお世話になっているヒロノミンV様のブログで教えていただきました。感謝申し上げる次第であります。
(Praga PRDDSD350067 2016年 輸入盤)
ということで、もう3月。今回はシューベルトであります。スヴィヤトスラフ・リヒテルの演奏で、ピアノ・ソナタ第17番二長調D.850です。この曲は、以前に村上春樹さんの『海辺のカフカ』や『意味がなければスイングはない』で取り上げられ、そのこともあり二度ほど取り上げました。1825年に作曲され翌年に出版されており、バート・ガスタインで作曲されたことから『ガシュタイナー』とも言われているそうです。この呼称は初めて知りました。
リヒテルのシューベルトは、ビクターからの19.21番や、EMIからの13番などがスタジオ録音として知られています。他にもライブなどもたくさんあって、いろいろと複雑です。例えばProfilから出ているモスクワでのライブを集めた10枚組には、6,13,14,15,16.17,19.21番が収められています。またデッカには9,15,18番のライブ演奏も残されています。他にも、ライブ音源などがけっこういろいろと残されており、そのあたりはベートーヴェンでも同じ状況ですねえ。
それで、今回の17番ですが、1956年6月14日プラハでのライブです。まだリヒテルが西側にデビューする前の「幻のピアニスト」のころの演奏です。モノラルですがSACDハイブリッド盤。ピアノの独奏は、モノラルでもそれほど聴きにくくはないものが多いのですが、このCDはかなり音質がいいです。SACDとなったお陰でしょうか、まったくストレスなく聴くことができますね。といっても、もとのモノラルの音質がどうだったかは、知らないですがね。
リヒテルの演奏、まずは強打のピアノに驚かされます。ロシアピアニズムの流れですね。リヒテル、このとき40才。若くて元気一杯のピアノが展開されています。ただ、そんなピアノだけではないのが、リヒテルの凄さなんでしょうねえ。この曲って確かに変。でも多かれ少なかれ、この人の曲ってそんな傾向がある。でも、それぞれの楽章は非常に魅力的。リヒテルはそれぞれの楽章もよさを最大限に表現しています。大胆でダイナミックな表現で一気に突っ切るかと思えば、穏やかで、消え入るよな微かな美しさも表現している。シューベルトを抜群のテクニックで縦横無尽に演奏しているのであります。強弱・硬柔を巧みに織り交ぜながら一気に駆け抜ける様は、天才の閃きを感じるところであります。
第1楽章、まずは一発。リヒテルの強打が炸裂。速めのテンポでまくし立て、目まぐるしい展開に耳が奪われる。鮮やかな打鍵で凄まじい技巧を駆使し、その強靱な響きは快感であります。第2楽章、一転して静寂な穏やかなピアノ。ただし強靱さは健在。シューベルトらしい美しい楽章を抒情的に歌い上げる。リヒテルのピアノは繊細にそれを表現し、無上の美しさがそこにはある。第3楽章、再び躍動感に満ちた強打が展開。左手は活発で右手の対抗するよう。そして中間部になると、一転して抒情的。それも強靱なピアノで展開されそれは無上の美しさに達するよう。そして再び強打での反復。爽快なピアノであります。そして第4楽章。以前に「おかしい終楽章」といて取り上げました。しかし、このリヒテルはいいです。これまでと打って変わって軽快なピアノ。軽やかなステップで駆け抜ける。この楽章自体のことは置いといて、リヒテルの見事な演奏に聴き惚れてしまいます。軽快に愛らしく踊り、そのピアノに酔うのでありました。
このDCは、タワーさんのセールで見つけました。安かったです。また、最初に述べた「雪舟と玉堂」の特別展は、いつもお世話になっているヒロノミンV様のブログで教えていただきました。感謝申し上げる次第であります。
(Praga PRDDSD350067 2016年 輸入盤)
ベールに包まれてた頃のリヒテルですか。私はピアノ演奏よりもオーケストラ曲や室内楽ばかりきいているので、リヒテルのシューベルト自体聴いたことがないのです。参考にさせていただきます。
リヒテルは、全集を録音するなどではない人なので、どの曲の演奏があるのか、これにライブが加わって、実に把握が難しいですね。ライブも正規?なのか…。でも、演奏はやはり素晴らしいものが多いですね。
また、ご教示ください。
あと、1週間で、「緊急事態宣言」が解除される予定です。感染者数が減っていない(いや、増加している)状態でも、病床逼迫度合いが下がっているということで、恐らく、解除されると思います。つまり、さらに延長しても、意味がないからです。この延長期間は、何だったのでしょうか?一体!
ほんとに、緊急事態宣言の意味がなくなってきていますね。延長してもあまり意味がない、のが現状なんでしょうね。どうなることか。第4波が来ますかね。
また、ご教示ください。