先週の奈良博に続き、京都国立博物館に行って来ました。家人が東福寺展に行きたい、と言うことだったので。京博に行くのは、かなり久々です。2013年に建てられた平成知新館を見るのは初めてのようなので、もう10年以上行ってなかったようですね。東福寺展ですが、禅宗の寺院らしい頂相など絵画や書が多く、けっこう見るのに疲れました、最後の方に、金剛力士像や四天王像、二王像などがありましたが、運慶の作っぽい多聞天立像には驚きました。
そんな博物館の一方で、西宮芸文にも行ってきました。なんだか遊んでいるばかりのようですが、この11月はけっこう仕事も忙しく、それはそれでしっかりやっています(笑)。それで聴きに行ったのは、小菅優さんのピアノであります。小菅さんの演奏を聴くのは、2015年に岡山でブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴いて以来ですね。私はこの人のピアノはけっこう好きなんで、それでこれは行かなければなるまい、ということで行ってきました。
今回は、小ホールである神戸女学院小ホールでの公演。このホール、ステージを取り巻くように円錐形の客席があります。定員は約400人のほんとにこじんまりとしたホールです。ステージもそんなの大きくはなく、演奏者と観客の距離は近いです、今回は、購入に出遅れて、ステージの背後の席しか取れませんでした。3000円でありました。ほぼ満席の盛況ぶりでありました。小菅さん、人気ありますねえ。
そして演目は、メンデルスゾーン 幻想曲嬰ヘ短調op.28「スコットランド・ソナタ」、ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調op.27-2「月光」、シューベルト ピアノ・ソナタ第18番ト長調D894「幻想」でありました。小菅優 ソナタ・シリーズ Vol.2「夢・幻想」ということだそうです。ベートーヴェンについては、既に全集をCDで聴くことができます。シューベルトについては、聴いたことがなく、小菅さんの演奏としては初めてになります。
ただ、今回少し気になったのが、ステージに背後の席ということがあるんでしょうか。小菅さんのピアノが少し濁ったような音で聞こえたのです。気のせいかもかもしれませんが…。やはり、ピアノは、反射板の前の方が音はいいのかな、と思いました。1000円の値段の差なので、次回は背後の席はやめておこう、と思いました。加えて、演奏者の後ろ姿ばかりしか見えないですからねえ。小菅さんがこちらを向いてくれたのは、ほんの数回程度でありました(笑)。ただ、ピアノを弾く指の動きは、しかと見ることができました。
まあ、それはそれとして、演奏であります。私が小菅さんの演奏でいいな、と思うのは、まず演奏に奥行きがあること。これは表現が難しいのですが、立体的とでもいいましょうか。そして、ピュアなピアノの音色。また、表現や表情が実に多彩であり、深みを感じるのでありました。ベートーヴェンの『月光』。第一楽章の幻想的な風景は実によかった。ピアノの静かな響きが情感にあふれて夢見るようです。そして第2楽章、第3楽章と次第に盛り上がっていく。
次は、シューベルト。ベートーヴェンのまとまりの比べると、独立した楽章として聴くならいいのですが、どうも一つの曲としてはまとまりが悪い。加えて、楽章ごとにその内側に深く入っていくなら、なんとなくうまくまとまらない。そんなシューベルトの曲を、非常に考えた演奏。美しさや悲しさ、恐ろしさ、切なさ、それに夢見るような世界。それぞれの移り変わるそれぞれの歌がそれにふさわしく表現されている。まだ、絶望感までは行き着かないが、それを少し見てしまうところも聴けるのも悲しいし、まだ救いはあるんだろう。
そんなシューベルトのあと、アンコールでは、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」が弾かれた。シューベルトの悲しみをバッハは救ってくれるようでした。
そんな博物館の一方で、西宮芸文にも行ってきました。なんだか遊んでいるばかりのようですが、この11月はけっこう仕事も忙しく、それはそれでしっかりやっています(笑)。それで聴きに行ったのは、小菅優さんのピアノであります。小菅さんの演奏を聴くのは、2015年に岡山でブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴いて以来ですね。私はこの人のピアノはけっこう好きなんで、それでこれは行かなければなるまい、ということで行ってきました。
今回は、小ホールである神戸女学院小ホールでの公演。このホール、ステージを取り巻くように円錐形の客席があります。定員は約400人のほんとにこじんまりとしたホールです。ステージもそんなの大きくはなく、演奏者と観客の距離は近いです、今回は、購入に出遅れて、ステージの背後の席しか取れませんでした。3000円でありました。ほぼ満席の盛況ぶりでありました。小菅さん、人気ありますねえ。
そして演目は、メンデルスゾーン 幻想曲嬰ヘ短調op.28「スコットランド・ソナタ」、ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調op.27-2「月光」、シューベルト ピアノ・ソナタ第18番ト長調D894「幻想」でありました。小菅優 ソナタ・シリーズ Vol.2「夢・幻想」ということだそうです。ベートーヴェンについては、既に全集をCDで聴くことができます。シューベルトについては、聴いたことがなく、小菅さんの演奏としては初めてになります。
ただ、今回少し気になったのが、ステージに背後の席ということがあるんでしょうか。小菅さんのピアノが少し濁ったような音で聞こえたのです。気のせいかもかもしれませんが…。やはり、ピアノは、反射板の前の方が音はいいのかな、と思いました。1000円の値段の差なので、次回は背後の席はやめておこう、と思いました。加えて、演奏者の後ろ姿ばかりしか見えないですからねえ。小菅さんがこちらを向いてくれたのは、ほんの数回程度でありました(笑)。ただ、ピアノを弾く指の動きは、しかと見ることができました。
まあ、それはそれとして、演奏であります。私が小菅さんの演奏でいいな、と思うのは、まず演奏に奥行きがあること。これは表現が難しいのですが、立体的とでもいいましょうか。そして、ピュアなピアノの音色。また、表現や表情が実に多彩であり、深みを感じるのでありました。ベートーヴェンの『月光』。第一楽章の幻想的な風景は実によかった。ピアノの静かな響きが情感にあふれて夢見るようです。そして第2楽章、第3楽章と次第に盛り上がっていく。
次は、シューベルト。ベートーヴェンのまとまりの比べると、独立した楽章として聴くならいいのですが、どうも一つの曲としてはまとまりが悪い。加えて、楽章ごとにその内側に深く入っていくなら、なんとなくうまくまとまらない。そんなシューベルトの曲を、非常に考えた演奏。美しさや悲しさ、恐ろしさ、切なさ、それに夢見るような世界。それぞれの移り変わるそれぞれの歌がそれにふさわしく表現されている。まだ、絶望感までは行き着かないが、それを少し見てしまうところも聴けるのも悲しいし、まだ救いはあるんだろう。
そんなシューベルトのあと、アンコールでは、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」が弾かれた。シューベルトの悲しみをバッハは救ってくれるようでした。
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