こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

お盆明けのブラームス

2011年08月17日 22時22分16秒 | ブラームス
お盆で帰省をしておりました。いろいろと仕事も持っていったのですが、結局は全く手を付けず、持参した成瀬巳喜男などの映画をビデオで見ていました。『浮雲』『驟雨』などなど。そして、今日は甲子園に行って来ました。母校が勝ちましてベスト4進出ということで、めでたいことであります。ほぼ一週間ほどのお盆休みでしたが、もうこれも終わり。明日からはまた出勤します。もう夏も残り少なくなりましたねえ。といってもまだまだ暑いですが…。

ということで、久々の更新となりますが、今回は真夏ですが、ブラームス。チェロ・ソナタ第2番ホ短調作品99であります。演奏は、ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチとルドルフ・ゼルキン。1982年7月ワシントンでの録音です。この演奏、1980年代半ばと思うんですが、レンタルCDやさんで借りて、カセットテープに録音して聴いていたものです。そんな聴き方は、その当時はけっこうしていましたよね。CD一枚けっこう高かったですからね。このふたりの演奏、言うまでもなく、いわゆる巨匠の組合せ。その当時も、それに目が奪われて借りたことを憶えています。おふたりともお亡くなりになって、ずいぶんたった気がします。

この曲は、1886年にスイスの避暑地トゥーン湖畔で作曲されました。第1番ホ短調に比べると、はるかに明るく、スケールの大きな曲です。避暑地でのブラームスの幸福な日々が反映されているのでしょうか。ブラームスのチェロによる旋律は、たいそう美しいですねえ。ピアノ四重奏曲第3番第3楽章や、ピアノ協奏曲第2番第3楽章、二重協奏曲第2楽章、ピアノ三重奏曲第1番第1楽章などなど。チェロ・ソナタも同様であります。また、チェロ・ソナタ第1番は暗いですよねえ。もう最初からブラームスの内面的というか、じわーっとくる暗さとでもいうのか。いつも思うのですが、第1番があって次ぎに第2番となります。普通は1番聴いて2番を聴く。よくあるのが、1番を聴いて少々暗さにあてられて、第2番はもういいや、ってことになる。LPではA面・B面にそれぞれ収められているので、そうでもないのですがね。いっそのこと第2番を先にもって来る、というのも考えても良いのでは、と思います(でも非現実的ですかね)。でも、1番、悪い曲ではまったくなく、嫌いではないのですよ。

さてさてこの演奏です。やはりこのふたりの演奏には花がありますね。ロストロポーピッチのチェロ、第1楽章のスケールの大きな演奏では、まことに雄大に、第2楽章のしっとりくるところでは、しっかり旋律を歌い上げてくれます。第3楽章スケルツォ。非常に情熱的な楽章、熱いチェロが聴かれます。そして第4楽章躍動感溢れる活発な演奏であります。終始、骨太の力強いチェロが朗々と歌われています。一方、ゼルキンのピアノですが、これは私的にはロストロポーピッチ以上にいいんですね。チェロに負けることのないピアノ。第1楽章では拮抗する緊張感がいいです。第2楽章。明るいピアノ、チェロの美しい旋律を支えるピアノです。第3楽章、力強く、
チェロにも引けを取らないピアノ。非常に明晰な演奏。第4楽章でも同じく展開していきます。なかなか恰幅もよく、明るい。まあ、ブラームスにしては、ちょっとどうかな、と思ったりもしますが、曲がこんな曲なので、それほど気にはなりません。それよりも、このふたりの演奏に耳を奪われてしまいますね。

この曲、この演奏とともに世評の高いものに、フルニエがバックハウスと、またフィルクスニーと共演したふたつの演奏がありますが、私は未聴であります。このCDは、三宮の中古やさんで600円で買いました。蛇足ですが、第2楽章にうなり声が聞こえます。どちらの声でしょうねえ。
(DG UCCG5129 2007年 The Best 1000)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« CDを中古やさんに売ってきま... | トップ | 近所から聞こえる『英雄ポロ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (バルビ)
2011-08-19 20:25:20
ブラームスの室内楽は好きで、結構LPもそれなりに集めたんですが、チェロソナタだけは進んで聴こうと思う気持ちがいまだに起きません。多分、この曲の佳さがまだ分かっていないんだと思います。

このLPもレコード棚に飾ったままで、まだ1~2度しか聴いていないと思います。LPが「もっと聴いて」って泣いていますよ。

まぁ、この曲このLPを聴かなくても、他に一杯聴きたいものがあるんだから、あんまり困ることはないんですがね。

もう一度、挑戦してみます。

返信する
惜しかったです (ヒロノミンV)
2011-08-19 22:19:10
 こんばんは。
 母校さんは準決勝で残念ながら涙を飲みましたね。準々決勝の試合運びは「これだけ強いなら、もしや・・・」と思ったんですが。
 半田山の付属高校といい、近年の岡山県勢は頼もしいです。

 ぼくもブラームスのチェロソナタは、すぐに曲が思い浮かばない・・・程度しか聴いた事がありません。弦楽六重奏なんかは好きなんですが。ゼルキンとスラヴァなら、ぜひ聴いてみたいと思います。
返信する
コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2011-08-19 22:33:20
バルビ 様、コメント感謝です。このジャケット、私はけっこう好きです。LPならなお良いでしょうね。この2曲の順番は、2番を聴いて1番を聴くのがいい、と私は強く思っています。それは私が2番が好きだからかも知れませんが…。ブラームスの室内楽は、味わい深く奥が深いですねえ。かく言う私も、襟を正してこれからも聴いていこうと思います。またご教示ください。 
返信する
コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2011-08-19 22:42:38
ヒロノミンV 様、コメントありがとうございます。今日の準決勝、勝てば明日は甲子園へと思い、仕事をサボってテレビ観戦していました。まあ結果はともかく、よく頑張ってくれました。応援、ありがとうございました。やはり、関東の壁は厚かったですね。

私はブラームスとチェロとは、相性がいいと密かに思っております。この二人のような巨匠による演奏も、いまでは遠い昔のような感じがします。そこんところが、悲しいことであります。
返信する

コメントを投稿

ブラームス」カテゴリの最新記事