9月になりました。8月が終わると、夏も終わりかな、と思ってしまいます。今年は9月になっても暑さが厳しいとか…。梅雨明けが遅かった分、暑さも長びくのかも知れません。
最近、オペラを聴く機会が多いんですね。中でもプッチーニであります。先日、三宮の中古やさんで「蝶々夫人」を買いました。しかし、なぜか「蝶々夫人」を聴くはずが、「トスカ」を聴くことになったんですね。何ででしょうね。妙に「トスカ」が聴きたくなったんですね。プッチーニの最大の魅力は、旋律の美しさにあるんでしょうね。プッチーニのオペラを聴いていると、非常によく似た旋律が出てくることがあります。まあ、「蝶々夫人」を聴いているのに、「トスカ」を聴いているような間違いをしていしまうことがあったり…。まあ、そこまでは…でしょうが、とにかく、このふたつのオペラは、美しい音楽に満ちあふれているんですね。
それで「トスカ」です。「トスカ」の名盤はいくつかのありますが、今回は、カラヤンです。1979年の録音。カーティア・リッチャレッリ(トスカ)、ホセ・カレーラス(カヴァラドッシ)、ルッジェーロ・ライモンディ(スカルピア)です。トスカは、リリコ・スピントのソプラノの役といえますが、リッチャレッリはそれよりは少し軽めの声です。それだけに、少々トスカにしては物足りなさを感じます。しかし、最初はそうでしたが、これをずっと聴いていると、リッチャレッリの美声がなんとも魅力的で、ほとんど気にならなくなるんですね。そして最初は力不足と感じたところが、なんとも繊細で、きめ細やかに感じられ、トスカの女性としての心も弱さやも感じられ、こんなトスカもいいし、むしろこれぞトスカ!と言えば大げさかもしれませんが、リッチャレッリのトスカ、いいです。そして、カレーラス。たいそうまじめで真摯なテノールですが、カヴァラドッシのひたむきさがよく現れています。「星は光りぬ」における表現力は素晴らしいです。表現の深さも含めて、最高のカヴァラドッシと思いました。これに対してライモンディのスカルピアは、さすがの歌唱で安定していますが、もう少し悪人であって欲しい気がしますした。まあ、このような三人に対して、もっと注目したいのがカラヤンであります。ここでのカラヤンの演奏は、実に美しい。旋律の歌わせ方もまさに琴線に触れるものです。またここぞというときの迫力もさすがと思わせるのです。そのカラヤンの意図をしっかり支えているのがBPOの力量ですね。ひとつひとつの楽器の演奏は、極上の美とも言えるべきものです。まさに、BPOの絶頂期とも言えるでしょう。
こんな演奏なんですが、これをしっかり聴いていると、カラヤンがリリコ・スピントやドラマティコのソプラノではなく、リッチャレッリを起用した理由がわかるような気がします。カラヤンは、自分の管弦楽よりも目立つソプラノを嫌がったんでしょうね。リッチャレッリは、BPOにうまく溶け込んでいるようです、1970年代以降、カラヤンは重いソプラノの役に少々軽めの声を充てることが多かったのも、そんなところに理由があったのかもしれません。リッチャレッリもこののち、カラヤンの指揮でトゥーランドットを歌います。彼女の声質からしてもふさわしいのはリューの方なんですがね。
このCDのジャケット(こんな言い方でいいのですかね)のリッチャレッリの写真はきれいですね。わたしは一度もリッチャレッリの舞台を見たことがないので、一度是非見てみたいものであります。
(DG 413 815-2 1989年 輸入盤)
最近、オペラを聴く機会が多いんですね。中でもプッチーニであります。先日、三宮の中古やさんで「蝶々夫人」を買いました。しかし、なぜか「蝶々夫人」を聴くはずが、「トスカ」を聴くことになったんですね。何ででしょうね。妙に「トスカ」が聴きたくなったんですね。プッチーニの最大の魅力は、旋律の美しさにあるんでしょうね。プッチーニのオペラを聴いていると、非常によく似た旋律が出てくることがあります。まあ、「蝶々夫人」を聴いているのに、「トスカ」を聴いているような間違いをしていしまうことがあったり…。まあ、そこまでは…でしょうが、とにかく、このふたつのオペラは、美しい音楽に満ちあふれているんですね。
それで「トスカ」です。「トスカ」の名盤はいくつかのありますが、今回は、カラヤンです。1979年の録音。カーティア・リッチャレッリ(トスカ)、ホセ・カレーラス(カヴァラドッシ)、ルッジェーロ・ライモンディ(スカルピア)です。トスカは、リリコ・スピントのソプラノの役といえますが、リッチャレッリはそれよりは少し軽めの声です。それだけに、少々トスカにしては物足りなさを感じます。しかし、最初はそうでしたが、これをずっと聴いていると、リッチャレッリの美声がなんとも魅力的で、ほとんど気にならなくなるんですね。そして最初は力不足と感じたところが、なんとも繊細で、きめ細やかに感じられ、トスカの女性としての心も弱さやも感じられ、こんなトスカもいいし、むしろこれぞトスカ!と言えば大げさかもしれませんが、リッチャレッリのトスカ、いいです。そして、カレーラス。たいそうまじめで真摯なテノールですが、カヴァラドッシのひたむきさがよく現れています。「星は光りぬ」における表現力は素晴らしいです。表現の深さも含めて、最高のカヴァラドッシと思いました。これに対してライモンディのスカルピアは、さすがの歌唱で安定していますが、もう少し悪人であって欲しい気がしますした。まあ、このような三人に対して、もっと注目したいのがカラヤンであります。ここでのカラヤンの演奏は、実に美しい。旋律の歌わせ方もまさに琴線に触れるものです。またここぞというときの迫力もさすがと思わせるのです。そのカラヤンの意図をしっかり支えているのがBPOの力量ですね。ひとつひとつの楽器の演奏は、極上の美とも言えるべきものです。まさに、BPOの絶頂期とも言えるでしょう。
こんな演奏なんですが、これをしっかり聴いていると、カラヤンがリリコ・スピントやドラマティコのソプラノではなく、リッチャレッリを起用した理由がわかるような気がします。カラヤンは、自分の管弦楽よりも目立つソプラノを嫌がったんでしょうね。リッチャレッリは、BPOにうまく溶け込んでいるようです、1970年代以降、カラヤンは重いソプラノの役に少々軽めの声を充てることが多かったのも、そんなところに理由があったのかもしれません。リッチャレッリもこののち、カラヤンの指揮でトゥーランドットを歌います。彼女の声質からしてもふさわしいのはリューの方なんですがね。
このCDのジャケット(こんな言い方でいいのですかね)のリッチャレッリの写真はきれいですね。わたしは一度もリッチャレッリの舞台を見たことがないので、一度是非見てみたいものであります。
(DG 413 815-2 1989年 輸入盤)
初めてお邪魔いたします。先般の拙ブログへのコメントありがとうございました。
うぐいすは実はイタリア・オペラはあんまり聴かなくって、もっぱらワーグナーなどのドイツ・オペラに明け暮れていましたが(笑)、生誕150年の昨年からプッチーニも聴き始めました。「トスカ」はマリア・カラス/サーバタ盤を聴いてます。でもこの盤はカラスよりもゴッビのスカルピアの方がたまらなく好きだったりします(笑)。今回のエントリーのカラヤン新盤はどうやら晩年特有の流麗で重厚な演奏のようですね。機会があったら聴いてみたいと思います。