しかし、新型インフルエンザの猛威、止まるところを知りませんねえ。これから冬にかけて、どうなるんでしょうか。若年層に患者さんが多いという傾向はあるらしいですが、特に、学校現場では大変でしょうねえ。いやはやであります。秋も深まり、うがいと手洗いを励行する毎日です。これが強毒性の鳥さんだったらどうなっているんでしょうねえ。考えただけで空恐ろしいことです。
そんなわけで、秋たけなわです。秋の声を聴くと、ブラームスを聴きたくなる。これは私だけではなく、秋の定番とも言える嗜好かと思います。いやいや、そんなことではなく、近年は年中聴いているんですよ。なんといっても、交響曲作曲家としては、別格ベートーヴェンに次ぐ、二番手ということには異論はないでしょう。
ということで、秋の定番、ブラームスであります。ブラームスを振っての第一人者というと、うーん、いろいろと思い浮かぶんですが、やはりカラヤンかなあ~ってね。他にも、聴いていておもしろい演奏とか、興味深いもの、いろいろと思うところはあるんですが、一人挙げろとなると、どんなもんでしょうか。カラヤンは、ブラームスの全集を幾度か録音しています。手兵となったBPOとは1960年代、70年代、80年代と3度。どれも立派なものです。加えて、他にも1960年前後にVPOとデッカに録音したブラームスがあります。ちょうどこの時期にデッカにVPOと録音したものが数枚あります。ハイドンのロンドン・太鼓連打、Rシュトラウスのツァラトゥストラ、そしてブラームスの1番など、以前に取り上げた演奏があります。この時期のカラヤンの充実振りとVPOの素晴らしさに満ちた演奏、魅力一杯であります。今回のブラームス交響曲第3番ヘ長調作品90。カラヤンがVPOと1961年9月から10月にかけて、ウィーンのゾフィエンザールで録音したものです。
このブラームス、まずカラヤンの若さに満ちた指揮振りとVPOの音色が至極魅力的であります。カラヤンの指揮は、それほど情感たっぷりとか熱気いっぱいとかといったものではありません。そんな演奏になりかかるのですが、いつもその手前でセーブするとでもいうんでしょうか。カラヤンは情に流されない、冷静なブラームスを聴かせてくれます。そんな演奏は、少々物足りない気もしますが、曲を冷静にしっかりとした気持ちで演奏していく中に、曲のもつ美しさなどが再現されているんです。特に、VPOの演奏は極めて純度が高く、彼岸のような美しさにあれています。第1楽章、VPOのなだらかで、滑らかな音は、ブラームスの力強さに加えて、曲の持つ意志の強さをうまく再現しています。次第に曲は熱気を帯び行く中で、独特の世界が現出されます。第2楽章、限りない憧憬に満ちた楽章でもありますが、そこまで感情に溺れることにないところに、曲の美しさを感じます。VPOならではのうねるような美音に満ちています。そして、第3楽章。ロマンティックな旋律で、その中に埋没する手前で留まる。もう少し感傷的になって欲しいなとも思うが、ぎりぎりのところで我慢している、という演奏でしょうか。弦は極めて美しい。第4楽章、これまででは最も情熱や感情がほとばしる演奏。最後はこれまでのぎりぎりを少し越えて決めてくれますよ。そこが終楽章でしょうか。そんなところで全体的には、カラヤンのぶっ飛ぶぎりぎりのところで留まったことで、VPOの美しさがを極めることができる、そんなところでしょうか。ひいてはブラームスの美しさがいい演奏ですねえ。こんなブラームス、秋によく合うんでしょうねえ。
このCD,ベートーヴェンの7番が一緒になっています。これもいい演奏・魅力的な演奏であります。しかし、このCDは800円で買いました。800円ですよ。ほんと安い!
(DECCA UCCD-9501 2007年)
そんなわけで、秋たけなわです。秋の声を聴くと、ブラームスを聴きたくなる。これは私だけではなく、秋の定番とも言える嗜好かと思います。いやいや、そんなことではなく、近年は年中聴いているんですよ。なんといっても、交響曲作曲家としては、別格ベートーヴェンに次ぐ、二番手ということには異論はないでしょう。
ということで、秋の定番、ブラームスであります。ブラームスを振っての第一人者というと、うーん、いろいろと思い浮かぶんですが、やはりカラヤンかなあ~ってね。他にも、聴いていておもしろい演奏とか、興味深いもの、いろいろと思うところはあるんですが、一人挙げろとなると、どんなもんでしょうか。カラヤンは、ブラームスの全集を幾度か録音しています。手兵となったBPOとは1960年代、70年代、80年代と3度。どれも立派なものです。加えて、他にも1960年前後にVPOとデッカに録音したブラームスがあります。ちょうどこの時期にデッカにVPOと録音したものが数枚あります。ハイドンのロンドン・太鼓連打、Rシュトラウスのツァラトゥストラ、そしてブラームスの1番など、以前に取り上げた演奏があります。この時期のカラヤンの充実振りとVPOの素晴らしさに満ちた演奏、魅力一杯であります。今回のブラームス交響曲第3番ヘ長調作品90。カラヤンがVPOと1961年9月から10月にかけて、ウィーンのゾフィエンザールで録音したものです。
このブラームス、まずカラヤンの若さに満ちた指揮振りとVPOの音色が至極魅力的であります。カラヤンの指揮は、それほど情感たっぷりとか熱気いっぱいとかといったものではありません。そんな演奏になりかかるのですが、いつもその手前でセーブするとでもいうんでしょうか。カラヤンは情に流されない、冷静なブラームスを聴かせてくれます。そんな演奏は、少々物足りない気もしますが、曲を冷静にしっかりとした気持ちで演奏していく中に、曲のもつ美しさなどが再現されているんです。特に、VPOの演奏は極めて純度が高く、彼岸のような美しさにあれています。第1楽章、VPOのなだらかで、滑らかな音は、ブラームスの力強さに加えて、曲の持つ意志の強さをうまく再現しています。次第に曲は熱気を帯び行く中で、独特の世界が現出されます。第2楽章、限りない憧憬に満ちた楽章でもありますが、そこまで感情に溺れることにないところに、曲の美しさを感じます。VPOならではのうねるような美音に満ちています。そして、第3楽章。ロマンティックな旋律で、その中に埋没する手前で留まる。もう少し感傷的になって欲しいなとも思うが、ぎりぎりのところで我慢している、という演奏でしょうか。弦は極めて美しい。第4楽章、これまででは最も情熱や感情がほとばしる演奏。最後はこれまでのぎりぎりを少し越えて決めてくれますよ。そこが終楽章でしょうか。そんなところで全体的には、カラヤンのぶっ飛ぶぎりぎりのところで留まったことで、VPOの美しさがを極めることができる、そんなところでしょうか。ひいてはブラームスの美しさがいい演奏ですねえ。こんなブラームス、秋によく合うんでしょうねえ。
このCD,ベートーヴェンの7番が一緒になっています。これもいい演奏・魅力的な演奏であります。しかし、このCDは800円で買いました。800円ですよ。ほんと安い!
(DECCA UCCD-9501 2007年)
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