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東京都知事選に、数年前に自民党を除名された方が、自民党の支持で立候補するらしい、ということでも驚きましたが、加えて、もう二十年前に総理大臣を辞任した方が立候補!。まあびっくりします。特に後者については、やはり元大名という貴種であることが、支持を集める理由の一つなんでしょうかね。これもカリスマ性なのかもね。まあ、東京は遠いので、私には関係ないようですが、少々日本社会のありようを示していることだなあ、と思ったわけであります。
それはさておき、今回はブラームスであります。交響曲第1番ハ短調作品68。まあ、何回も取り上げた名曲でありますが、今回は、クラウス・テンシュテットの演奏。オケは手兵のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団です。1992年10月14日、ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライブ録音であります。1983年のライブ録音の交響曲第3番との二枚組で、ネットでは790円という超安価なCDでありましたので、買ってしまいました。
テンシュテットのこの曲の録音は、1976年のシュトゥットガルト放送交響楽団とのライヴ録音。そして、ロンドン・フィルとの1983年のセッション録音。加えてロンドン・フィルとの1990年のライヴ録音があり、この1992年盤を含めると、四種類があります。テンシュテットは、 1998年1月11日に62才で逝去されました。1985年に喉頭癌の発病以来、闘病を続ける傍ら、録音も継続されていましたが、1993年を最後に公式録音はなく、その早すぎる死は実に残念であります。ですので、このブラームスは、彼のキャリアの中でも最晩年のものであります。
というようなこのCDなんですが、まあ、この演奏、テンシュテットのライブらしい凄絶極まりない演奏であります。それが彼の特徴と言えばそうなんですが、気合入りまくりの演奏には、最初から最後まで、圧倒されますね。病気などの背景をついつい考えてしまう。そして、この演奏のある種の寂しさを合わせて思ってしまいます。そんな中、ロンドン・フィルも大健闘しています。特に木管などはいい味を出して、この演奏を支えてくれています。
まず、第1楽章。緊張感があふれ、要所要所での力の入り方が非常によく、それが曲の聴かせどころをつくり、強烈なインパクトとなっています。そんなところでは、オケの全力を出し切っての演奏を聴かせてくれ、壮観であります。ただし、独特の暗さがありますね。第2楽章。ゆったりとしたテンポで、旋律をじっくりと歌い、力はセーブしつつ、静寂な中にある種の寂寥感を漂わせています。テンシュテットの置かれた状況からのものかもしれませんが、第1楽章から続く中で曲が展開されます。木管も切々とした語り口で、それに弦も呼応していく。この楽章の痛々しいほどの静けさと、悲しさではなく寂しさに満ちた表情は、この演奏の中で最高の聴かせどころかと思います。最後にに近づけば近づくほど、そんな表情は深くなります。第3楽章、第2楽章の雰囲気は少々改善され、光が見えてくるが、から元気のようなところも感じられますかねえ。第4楽章への繋げの役割を果たしています。そして、終楽章。冒頭からパワフル全開の演奏で開始。力はこもっているが、反面の寂しさはそのまま。そして序奏も緊張感に満ち、テンポも自在にしながら、主部への橋渡し。先に進むのを拒むようでもある序奏です。序奏2部のフルートのソロもどことなく痛々しい。そして主部。主題は平然と歌われるが、次第の高揚感に満ちた演奏がずんずんと進んでいきます。ここまでくると、寂寥感などはどこかに行ってしまって、この曲のいいところが、三倍ぐらいに増幅されて、曲はスケールが大きく、また堂々と、そして、迫力満点の盛り上がった演奏になっていくのでありました。最後は、大満足の終わりでありました。
テンシュテットの未公開のライブなど、最近はあまり聞きませんね。発掘されて、あたらしい演奏が聴けるようになればいいですねえ。ほんと。
(LPO LPO0068 2012年 輸入盤)
それはさておき、今回はブラームスであります。交響曲第1番ハ短調作品68。まあ、何回も取り上げた名曲でありますが、今回は、クラウス・テンシュテットの演奏。オケは手兵のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団です。1992年10月14日、ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライブ録音であります。1983年のライブ録音の交響曲第3番との二枚組で、ネットでは790円という超安価なCDでありましたので、買ってしまいました。
テンシュテットのこの曲の録音は、1976年のシュトゥットガルト放送交響楽団とのライヴ録音。そして、ロンドン・フィルとの1983年のセッション録音。加えてロンドン・フィルとの1990年のライヴ録音があり、この1992年盤を含めると、四種類があります。テンシュテットは、 1998年1月11日に62才で逝去されました。1985年に喉頭癌の発病以来、闘病を続ける傍ら、録音も継続されていましたが、1993年を最後に公式録音はなく、その早すぎる死は実に残念であります。ですので、このブラームスは、彼のキャリアの中でも最晩年のものであります。
というようなこのCDなんですが、まあ、この演奏、テンシュテットのライブらしい凄絶極まりない演奏であります。それが彼の特徴と言えばそうなんですが、気合入りまくりの演奏には、最初から最後まで、圧倒されますね。病気などの背景をついつい考えてしまう。そして、この演奏のある種の寂しさを合わせて思ってしまいます。そんな中、ロンドン・フィルも大健闘しています。特に木管などはいい味を出して、この演奏を支えてくれています。
まず、第1楽章。緊張感があふれ、要所要所での力の入り方が非常によく、それが曲の聴かせどころをつくり、強烈なインパクトとなっています。そんなところでは、オケの全力を出し切っての演奏を聴かせてくれ、壮観であります。ただし、独特の暗さがありますね。第2楽章。ゆったりとしたテンポで、旋律をじっくりと歌い、力はセーブしつつ、静寂な中にある種の寂寥感を漂わせています。テンシュテットの置かれた状況からのものかもしれませんが、第1楽章から続く中で曲が展開されます。木管も切々とした語り口で、それに弦も呼応していく。この楽章の痛々しいほどの静けさと、悲しさではなく寂しさに満ちた表情は、この演奏の中で最高の聴かせどころかと思います。最後にに近づけば近づくほど、そんな表情は深くなります。第3楽章、第2楽章の雰囲気は少々改善され、光が見えてくるが、から元気のようなところも感じられますかねえ。第4楽章への繋げの役割を果たしています。そして、終楽章。冒頭からパワフル全開の演奏で開始。力はこもっているが、反面の寂しさはそのまま。そして序奏も緊張感に満ち、テンポも自在にしながら、主部への橋渡し。先に進むのを拒むようでもある序奏です。序奏2部のフルートのソロもどことなく痛々しい。そして主部。主題は平然と歌われるが、次第の高揚感に満ちた演奏がずんずんと進んでいきます。ここまでくると、寂寥感などはどこかに行ってしまって、この曲のいいところが、三倍ぐらいに増幅されて、曲はスケールが大きく、また堂々と、そして、迫力満点の盛り上がった演奏になっていくのでありました。最後は、大満足の終わりでありました。
テンシュテットの未公開のライブなど、最近はあまり聞きませんね。発掘されて、あたらしい演奏が聴けるようになればいいですねえ。ほんと。
(LPO LPO0068 2012年 輸入盤)
今週末は、土・日と2度の我が群響定期。前シェフの沼尻さん指揮でマーラー6番です。大好物のご馳走で、大変楽しみです。