こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ベームで聴くハイドン その2

2013年10月27日 19時28分16秒 | ハイドン
日本シリーズも始まりました。マリーンズ、CSはあまりいいところなく敗退。まあ最下位がささやかれた中、よく頑張りました。そして、ドラフトでは東京ガスの石井くんを一位指名で勝ち取りました。あとは、FAやら来季の補強が注目されるところです。西武の涌井くんが入るかとかで言っていたら、今江がFA移籍があるかも、とかで何かと動向に目が離せないシーズンオフ。いやいや日本シリーズやってます。見慣れている楽天を応援してまいそうなので、観ませんよ。

まあ、そんなことで10月も終わりになって、今回はハイドンであります。ハイドンの交響曲第88番ト長調「V字」であります。ハイドンの晩年の交響曲。第82~87番までは「パリ・セット」、第93~104番までは「ザロモン・セット」と言われる名作群であります。そして、このふたつの間の第88~92番の5曲もなかなかの秀作ぞろいです。第88・89番の二曲は、ハイドンが楽長をしていたエステルハージ家の楽団のヴァイオリニストのヨーハン・ペーター・トストがこの楽団を去って、パリで演奏するにあたって、作曲を依頼したもの。1787年に作曲されました。よく知られていますが、「V字」とは、ロンドンの出版社がハイドンの交響曲の選集を出版する際に付けた整理番号がVであったためだそうです。ハイドンの数ある交響曲の中でも、傑作のひとつに数えられているものです。

この曲、古くはフルトヴェングラーの1951年のスタジオ録音や、ワルターの演奏など、古くから名盤として知られているものがあります。そんな中、私的に最も好きな演奏が、カール・ベーム指揮VPOのもの。1972年9月ウィーンのムジークフェラインザールでの録音であります。ベームはハイドンの曲をいくつか録音しています。『四季』などは有名ですが、交響曲もこの時期に第88~92番をVPOと録音しています。同時期のモーツァルトは数多く得意として録音しているのですが、ハイドンとなると数が少ない。と言って、苦手としていたわけではないことは、この曲の演奏を聴けばよくわかりますね。

ということで、この演奏でありますが、まず構成が非常にしっかりしている。ゆるぎない造型が美しいのです。ベームの指揮では、このようなカッチリとしたつくりが見られ、魅力なんですねえ。加えて、オケからたいそう美しく、乱れることのない音色が縦横無尽に引き出され、、一縷のスキも無い演奏を聴くことができます。それだけでは、面白みもないものになりますが、旋律は柔らかく、優しげ。そうは言っても質実剛健な演奏の中に、そんなところを垣間見る。なんとも理想的なものです。そんな演奏を支えているは、やはりVPO。このオケの力量がやはり遺憾なく発揮されていますねえ。ほんと、VPOはいいです。

第1楽章、出だしからのVPOの響きは乱れもなく、ムダもなく、理想的な美しさと堅固さにあふれています。やはりベームの統率力は素晴らしく、そして緊張感も相俟って、実に強固な演奏が展開されています。こんな演奏を聴くと、モダン楽器のオケのよさを痛感されます。第2楽章、ラルゴの主題と5つの変奏曲。弦で歌われる主題、このしっとりとした美しさはいいですねえ。第1楽章の堅固さから一転して、ゆったりとした演奏、この対比もいいです。何度かこの主題が弦で歌われますが、この優しさは他では聴けませんねえ。第3楽章メヌエット。澄んだ音色で、そしてスキのない、堂々としたメヌエットが奏でられます。安定感を感じる中間部をへて、一層の凛としたメヌエット。そして第四楽章、活気とスピード感に満ちる一方で、堅固な構成はここでも同じ。それが非常に心地よい。こんなベームの演奏は、今ではなかなか聴けなくなりましたねえ。

日本シリーズ、まずは巨人が勝ちました。田中の連勝は破られるのでしょうか。そんな第2戦が始まっています。そろそろ負けるかもしれませんねえ。
(DG UCCG-4148 20世紀の巨匠シリーズ カール・ベームの芸術 2006年)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« フリッチャイのブラームス ... | トップ | ボニーが歌うシューベルト »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (バルビ)
2013-10-27 21:32:42
ベームのハイドンは、私も好きです。美しく造形がしっかりしていて、気品があります。四季も素晴らしいですね。美しさ、気品、楽しさ……ベームの演奏は、どれをとっても素晴らしいです。

佳いCDの紹介、ありがとうございました。
返信する
コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2013-10-29 21:53:24
バルビ 様、コメント感謝です。ベームのハイドンは、数も少なく、目立たない曲も多いので、それほど聴かないのですが、久々に聴くと、実に素晴らしいですねえ。こんなベームもヨーロッパではあまり聴かれなくなっているといいますが、何故でしょうかねえ。うーん、よくわからないですねえ。また、ご教示ください。
返信する

コメントを投稿

ハイドン」カテゴリの最新記事