この前の月曜日、代休の日だったので、午後から姫路に行きました。「天空の白鷺」であります。これは、姫路城大天守修理見学施設で、現在修理中の天守閣の横に作られた建物に入りエレベーターで8階に行くと、屋根や壁の修理の様子を間近で見れるのです。姫路城天守閣をこれほど距離で見ることはないので、非常におもしろかったです。このお城は漆喰がポイントですねえ。まあ、天守閣も立派ですが、他の建物がこれほどたくさん残っているのもここだけですからねえ。
そんなこんなで、今回は前回に続きモーツァルトであります。実に久々に聴いたフルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299ということです。この曲は、1778年パリに滞在していたモーツァルト、22才のときのもの。アマチュアのフルート奏者であった外交官のギーヌ公アドリアン=ルイ・ド・ボニエールがハープを嗜む娘と共演できるような作品を所望したことがきっかけとなり作曲されたようです。
この曲、かなり有名なものです。私も中学生のことにたいそうよく聴いたものでした。といっても、この曲を再認識させられたのは、映画『アマデウス』でありました。サリエリがモーツァルトの作品の楽譜を見て、素晴らしさに涙を流すシーンです(だったよな。違ったか?)。第2楽章のアンダンティーノが流れ、その美しさにサリエリが陶酔するんですねえ。本当に、その美しい調べに誰もが感動するのでありました。
そして、演奏ですが、ジャン=ピエール・ランパルとリリー・ラスキーヌ。それにジャン=フランソワ・パイヤール指揮のパイヤール室内管弦楽団。1963年の録音です。昔から名盤とされていたものですね。今回久々に聴きましたが、やはりランパルのフルートは素晴らしいですねえ。私は以前にも述べましたが、ランパルのフルートをその昔、1973年だったでしょうか、倉敷で聴いたことがあります。フルートを習っていた友人から余ったチケットを頂戴しまして、それほど興味があったわけではないかったのですが、行きました。ランパルのフルートの音色の美しかったことをよく憶えております。加えて、アンコール曲がかなりたくさんあったことも印象的でした。でも、悲しいことに、どんな曲を演奏したかは、まったく憶えておりません。とほほであります
このCDでありますが、さすがに少々録音が古くなってきました。その点が少し気になります。しかし、ランパルのフルートの存在感がたいしたもので、やはり、この暖かみのある音色と行状の多彩さと表現力は、抜きんでたものでありますね。モーツァルトは、その昔不安定なフルート嫌いであったといいますが、ランパルの演奏を聴くと、考えも変わったかも知れませんね。そして、パイヤールも明るい表情で、少々音楽が派手めなんですが、まあ、曲自体もフランスで書かれたものでもあり、その点では両者には接点がたくさんと思うのであります。ドイツの演奏にはない華が感じられます。
第1楽章アレグロ、冒頭からフルートの暖かい音色で、ハープとの絡みが絶妙であり、加えてパイヤールのの伴奏も、ぴったりであります。華やかな様子で、暖かみが充満。曲と楽器が一体化しております。第2楽章アンダンティーノ。この美しさはモーツァルトでしか書けないもの。ランパルのフルートの雄弁さに、ラスキーヌのハープが寄り添うような華麗さ、そして、至極自然なオケの演奏。この美しさが永遠のもののように思えてきます。そして、第3楽章ロンドーアレグロ。フルートとハープがこれほどに合う楽器であることを感じさせてくれます。少々落ち着いた中に、ふたつの楽器の妙技が冴えますねえ。
姫路城、いまはふたつの小天守のみが見れますが、このふたつも立派ですねえ。そこいらの天守閣くらいの偉容も感じてしまいます。また修理がおわってからが楽しみですね。
(ERATO 4509-95361-2 1994年 BONSAI REMY SAMSON)
そんなこんなで、今回は前回に続きモーツァルトであります。実に久々に聴いたフルートとハープのための協奏曲ハ長調K.299ということです。この曲は、1778年パリに滞在していたモーツァルト、22才のときのもの。アマチュアのフルート奏者であった外交官のギーヌ公アドリアン=ルイ・ド・ボニエールがハープを嗜む娘と共演できるような作品を所望したことがきっかけとなり作曲されたようです。
この曲、かなり有名なものです。私も中学生のことにたいそうよく聴いたものでした。といっても、この曲を再認識させられたのは、映画『アマデウス』でありました。サリエリがモーツァルトの作品の楽譜を見て、素晴らしさに涙を流すシーンです(だったよな。違ったか?)。第2楽章のアンダンティーノが流れ、その美しさにサリエリが陶酔するんですねえ。本当に、その美しい調べに誰もが感動するのでありました。
そして、演奏ですが、ジャン=ピエール・ランパルとリリー・ラスキーヌ。それにジャン=フランソワ・パイヤール指揮のパイヤール室内管弦楽団。1963年の録音です。昔から名盤とされていたものですね。今回久々に聴きましたが、やはりランパルのフルートは素晴らしいですねえ。私は以前にも述べましたが、ランパルのフルートをその昔、1973年だったでしょうか、倉敷で聴いたことがあります。フルートを習っていた友人から余ったチケットを頂戴しまして、それほど興味があったわけではないかったのですが、行きました。ランパルのフルートの音色の美しかったことをよく憶えております。加えて、アンコール曲がかなりたくさんあったことも印象的でした。でも、悲しいことに、どんな曲を演奏したかは、まったく憶えておりません。とほほであります
このCDでありますが、さすがに少々録音が古くなってきました。その点が少し気になります。しかし、ランパルのフルートの存在感がたいしたもので、やはり、この暖かみのある音色と行状の多彩さと表現力は、抜きんでたものでありますね。モーツァルトは、その昔不安定なフルート嫌いであったといいますが、ランパルの演奏を聴くと、考えも変わったかも知れませんね。そして、パイヤールも明るい表情で、少々音楽が派手めなんですが、まあ、曲自体もフランスで書かれたものでもあり、その点では両者には接点がたくさんと思うのであります。ドイツの演奏にはない華が感じられます。
第1楽章アレグロ、冒頭からフルートの暖かい音色で、ハープとの絡みが絶妙であり、加えてパイヤールのの伴奏も、ぴったりであります。華やかな様子で、暖かみが充満。曲と楽器が一体化しております。第2楽章アンダンティーノ。この美しさはモーツァルトでしか書けないもの。ランパルのフルートの雄弁さに、ラスキーヌのハープが寄り添うような華麗さ、そして、至極自然なオケの演奏。この美しさが永遠のもののように思えてきます。そして、第3楽章ロンドーアレグロ。フルートとハープがこれほどに合う楽器であることを感じさせてくれます。少々落ち着いた中に、ふたつの楽器の妙技が冴えますねえ。
姫路城、いまはふたつの小天守のみが見れますが、このふたつも立派ですねえ。そこいらの天守閣くらいの偉容も感じてしまいます。また修理がおわってからが楽しみですね。
(ERATO 4509-95361-2 1994年 BONSAI REMY SAMSON)
この曲とこの演奏は、私にとって本当に思い出深いものであります。30年前就職したての頃、片道1時間の車の中で毎日毎日聴いていました。仕事がうまくいかず憔悴しきっている中、帰り道のこの曲を聴くと不思議と心が和むのでした。当時の心境が思い浮かばれるようです。
この演奏を毎日聴いていたので、他の演奏家の演奏にはなかなか馴染めなくなりました。