先日、中古やさんで映画『アマデウス』のDVDを見つけました。480円で購入して久しぶりに見ました。この映画、ちょうど就職したてのころに上映されていました。職場でも話題になって、映画館ではおじさんが涙を流していたとのこと。モーツァルトの最後は悲しかったですね。モーツァルトの美しすぎる曲がいくつも流れ、そしてサリエリのように感動するのでありました。その天才振りは、怖いほどでしたねえ。でも、モーツァルトってあんな人だったんですかねえ。
ということで、今回はいよいよ久々のモーツァルトであります。モーツァルトっていろんな曲を書いてますね。歌劇、交響曲、室内楽、いろんなジャンルに素晴らしい曲が残されています。たくさんの曲の中で、私が好きなのは機会音楽、つまりセレナードやディヴェルティメント。交響曲ほど肩肘張らず、気持ち的にもゆったりとした、寛いだ音楽であり、遊び心も見え隠れする、モーツァルトのよさが一杯詰まっているのでありました。
それで、それらの中からディヴェルティメント第15番変ロ長調K.287であります。1777年に、昨年に作曲されたK.247のディヴェルティメントと同じく、ザルツブルクのロドロン伯夫人の命名祝日を祝って作曲したものと考えられています。楽器編成も弦楽四重奏に2本のオブリガードホルンを加えた六重奏の編成です。構成は六楽章で、二つのメヌエットがあり、第2楽章のアンダンテが六つの変奏曲となっています。
このディヴェルティメント、これまで二度取り上げています。カラヤンとBPOとウィーン八重奏団員による演奏でした。手元には、それらに加えて、ボスコフスキー指揮ウィーン・モーツァルト合奏団、ヴェーグ指揮カメラータ・ザルツブルク、アカデミー室内アンサンブル、ウィーン室内合奏団などがあります。知らず知らずのうちにたくさん買っておりました。この中で、弦楽合奏ではなく、弦楽四重奏形式の演奏としては、アカデミー室内アンサンブルとウィーン八重奏団員、ウィーン室内合奏団によるものです。私的には、以前にも申しましたが、後者の方が断然好きです。そんなことから、今回はアカデミー室内アンサンブルによる演奏です。1994年12月、ロンドンでの録音です。
モーツァルトの機会音楽などは、ウィーン的なウィーン風の演奏、つまり楽器の美しい音色を駆使してゆったりとしたテンポで、優しく歌い上げる、そんな演奏が多いのです。と言うか、そんな演奏をする人たちのCDが多いんですね。その中にあって、アカデミーの演奏は、少し毛色の異なったものです。第一楽章の出だしからして、違うな、という印象。私はこの曲、アカデミーの演奏をよく聴いてきたので、これに慣れていることからも贔屓にしています。
アカデミーの演奏は、非常に客観的。冷静でクールな印象。この曲はヴァイオリンが活躍。ここではケネス・シリトーのヴァイオリン、ウィーン風の演奏に比べると、優雅さや甘美な響きは聴かれない。しかし、全体的に引き締まった音色と堅実な技巧を駆使しての演奏は、とても素直に心に染み込んでくるのでありました。そしてこの曲、全体を通じてヴァイオリンの高音が現れますが、それも澄んだ美音であります。加えて、ホルンの響きも安定して演奏を支えています。室内楽の美しさと良さを存分に楽しむことができますねえ。
第1楽章は、弦楽合奏での演奏では交響曲のように堂々としたものになるが、ここでは第一ヴァイオリンの美音がとてもいい。第2楽章は六つの変奏曲。当時の民謡の主題によるが、民謡とは思えないような曲となっているが、シリトーのヴァイオリンの技巧が光っています。変奏が繰り返されるに従い、原曲とは異なった愉悦感を感じさせてくれます。そして第3楽章と第5楽章はメヌエット。メヌエット好きにはたまりません。その間の第4楽章はアダージョ。非常に美しい弦の合奏。この楽章もいいですねえ。シリトーのヴァイオリンが実に堅実。そして弱音と高音が極めて美しい。約10分間糸を引くような響きが静かに奏でられる。そして終楽章。レチタティーヴォ風の序奏とここでも民謡からの主題。その対比がおもしろい。弦が小気味よく歌ってとてもいいです。
アカデミーによるモーツァルトとセレナードやディヴェルティメント、以前からよく聴いており、持っていないCDを見つけたら買ってたのですが、最近はあまり見つけることができません。BOXもので復刻してもらえると本当に嬉しいのであります。
(Philips 412 740-2 1985年 輸入盤)
ということで、今回はいよいよ久々のモーツァルトであります。モーツァルトっていろんな曲を書いてますね。歌劇、交響曲、室内楽、いろんなジャンルに素晴らしい曲が残されています。たくさんの曲の中で、私が好きなのは機会音楽、つまりセレナードやディヴェルティメント。交響曲ほど肩肘張らず、気持ち的にもゆったりとした、寛いだ音楽であり、遊び心も見え隠れする、モーツァルトのよさが一杯詰まっているのでありました。
それで、それらの中からディヴェルティメント第15番変ロ長調K.287であります。1777年に、昨年に作曲されたK.247のディヴェルティメントと同じく、ザルツブルクのロドロン伯夫人の命名祝日を祝って作曲したものと考えられています。楽器編成も弦楽四重奏に2本のオブリガードホルンを加えた六重奏の編成です。構成は六楽章で、二つのメヌエットがあり、第2楽章のアンダンテが六つの変奏曲となっています。
このディヴェルティメント、これまで二度取り上げています。カラヤンとBPOとウィーン八重奏団員による演奏でした。手元には、それらに加えて、ボスコフスキー指揮ウィーン・モーツァルト合奏団、ヴェーグ指揮カメラータ・ザルツブルク、アカデミー室内アンサンブル、ウィーン室内合奏団などがあります。知らず知らずのうちにたくさん買っておりました。この中で、弦楽合奏ではなく、弦楽四重奏形式の演奏としては、アカデミー室内アンサンブルとウィーン八重奏団員、ウィーン室内合奏団によるものです。私的には、以前にも申しましたが、後者の方が断然好きです。そんなことから、今回はアカデミー室内アンサンブルによる演奏です。1994年12月、ロンドンでの録音です。
モーツァルトの機会音楽などは、ウィーン的なウィーン風の演奏、つまり楽器の美しい音色を駆使してゆったりとしたテンポで、優しく歌い上げる、そんな演奏が多いのです。と言うか、そんな演奏をする人たちのCDが多いんですね。その中にあって、アカデミーの演奏は、少し毛色の異なったものです。第一楽章の出だしからして、違うな、という印象。私はこの曲、アカデミーの演奏をよく聴いてきたので、これに慣れていることからも贔屓にしています。
アカデミーの演奏は、非常に客観的。冷静でクールな印象。この曲はヴァイオリンが活躍。ここではケネス・シリトーのヴァイオリン、ウィーン風の演奏に比べると、優雅さや甘美な響きは聴かれない。しかし、全体的に引き締まった音色と堅実な技巧を駆使しての演奏は、とても素直に心に染み込んでくるのでありました。そしてこの曲、全体を通じてヴァイオリンの高音が現れますが、それも澄んだ美音であります。加えて、ホルンの響きも安定して演奏を支えています。室内楽の美しさと良さを存分に楽しむことができますねえ。
第1楽章は、弦楽合奏での演奏では交響曲のように堂々としたものになるが、ここでは第一ヴァイオリンの美音がとてもいい。第2楽章は六つの変奏曲。当時の民謡の主題によるが、民謡とは思えないような曲となっているが、シリトーのヴァイオリンの技巧が光っています。変奏が繰り返されるに従い、原曲とは異なった愉悦感を感じさせてくれます。そして第3楽章と第5楽章はメヌエット。メヌエット好きにはたまりません。その間の第4楽章はアダージョ。非常に美しい弦の合奏。この楽章もいいですねえ。シリトーのヴァイオリンが実に堅実。そして弱音と高音が極めて美しい。約10分間糸を引くような響きが静かに奏でられる。そして終楽章。レチタティーヴォ風の序奏とここでも民謡からの主題。その対比がおもしろい。弦が小気味よく歌ってとてもいいです。
アカデミーによるモーツァルトとセレナードやディヴェルティメント、以前からよく聴いており、持っていないCDを見つけたら買ってたのですが、最近はあまり見つけることができません。BOXもので復刻してもらえると本当に嬉しいのであります。
(Philips 412 740-2 1985年 輸入盤)
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