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節分に、ヴィヴァルディ

2025年02月02日 23時50分00秒 | ヴィヴァルディ
しかし、寒くなりましたね。今年の冬はそれなりに寒いと言われ、北の方ではかなりの豪雪のようです。今週は10年に一度の低温になるとかで、私の住んでいる神戸でも、最高気温が4度くらいになるそうです。まあ瀬戸内の気候ですので、それほど驚くほどでもないのですがね。そんか中で私の家は、まったく暖房を使わない変な家で、毛布に包まったりして、寒い寒いと言っているくらいですので、まあ平和なものです。お風呂と寝るときの布団の中は、極楽ですねえ。

まあそんな中、今回はアントニオ・ヴィヴァルディのフルート協奏曲集であります。数多くの協奏曲を書いたヴィヴァルディ。その中でも管楽器の協奏曲は、弦楽器に比べるとかなり少なく、このフルート協奏曲も他にはないようであります。同じ曲を500回書いたと揶揄されるヴィヴァルディですが、この6曲のフルート協奏曲は、『海の嵐』(1番)、『夜』(2番)『ごしきひわ』(3番)と標題もあったり、オペラのアリアを使ったり(5番)など、それぞれの曲は個性的です。

この曲集をフルート協奏曲と言ってますが、正しくはトラヴェルソ協奏曲。リコーダーに取って代わって、横笛フラウト・トラヴェルソが好まれるようになったのが1720年代。ヴェネチアにもドイツのトラヴェルソの名手がやってきたり、トラヴェルソの教師がピエタに就任したそうです。そんな中、1728年頃アムステルダムの出版社からの依頼によって、ヴィヴァルディが作品10として出版したのが、この6曲の協奏曲集。史上初のトラヴェルソ協奏曲だそうですねえ。

この曲、かなりの演奏がCDで聴けるのですが、ブリュッヘンやクイケンなどが有名で、古楽器によるものが主で、フルートでの演奏はあまり見かけないですかねえ。昔は、ランパルの演奏などがよく聴かれましたがねえ…。それで、今回は有田正広さんのトラヴェルソと東京バッハ・モーツァルト・アンサンブルによる演奏です。1990年8月14-17日、宮城県中新田のバッハホールでの録音。もう35年も前の演奏になりますか…。

有田さんは言うまでもなく、トラヴェルソの第一人者。東京バッハ・モーツァルトオーケストラは、有田さんが1988年に結成した日本初の古楽器オケ。その中核メンバーからなるのがバックのアンサンブル。Vnの若松夏美さんは、BCJのコンマスで活躍されてますね。都響の首席奏者だったobの本間正史さんやfgの堂阪清高さんは、すでに逝去されており、時の流れを感じますねえ。他に、橋爪美穂、大津睦、諸岡範澄、西沢誠治、有田千代子さんの皆さんです。

それで、この演奏ですが、他の欧米の演奏に比べると、非常に生真面目ですよね。一音も疎かにしないとする厳しさや演奏に向き合う姿勢には本当に好感が持てます。ただ、それが多少の息苦しさを感じることもあるのですが、そのことより演奏の素晴らしさ方が優っているのでありました。有田さんのトラヴェルソは、その音の艶、表情とても見事。それぞれの曲にも、非常によく考えられての演奏は、申し分ありません。そして他の奏者のみなさんがそれに劣らずとてもいい。先述の本間さんのオーボエと堂阪さんのファゴットが活躍ですね。

第1番『海の嵐』は、もっとも楽器構成が大きい曲。このアンサンブルの精緻さがよくわかる演奏。ユニゾン風にそれそれが元気に歌う。第2番『夜』では、ラルゴの夜の深さと夜明けのアレグロでの有田さんのトラヴェルソが雄弁ですね。第3番『ごしきひわ』もっとも楽器が小編成。前曲と同様有田さん中心にオーボエ・ファゴットが活躍。特に第2楽章では、堂阪さんのファゴットと有田さんの二重奏。実に堂阪さんのファゴットに味があります。このラルゴがとてもいい。第4番、最も協奏曲らしい曲。弦楽器とトラヴェルソ。有田さんのトラヴェルソの美しく安定した音色がとてもいい。第5番。3楽章すべてオペラのアリアの借用で、非常に魅力いっぱいの旋律。『ディグラネス王』のアリアの第2楽章の悲痛な表情を、有田さんのトラヴェルソは淡々と伸びやかに歌い上げることで、心情が深まりますねえ。そして第6番。カンツィオーネ風のメロディの第2楽章を中心に、再び再びトラヴェルソとファゴットの共演が聴けます。堂阪さんのファゴットがとても印象的に歌われています。全6曲、やはり有田さんの妙技が光ります。

そんな寒さの中で、今日は節分。いつの間にか日本人の習慣となった恵方巻き。みなさん、これを買い求めてますが、いつの間にかけっこう豪華で高価になっていることや、お店がお客さんでごった返することもあり、今年はなし、です。
(DENON COCO73300 2012年)

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3 コメント

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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2025-02-07 17:24:54
popotoku 様、コメント感謝です。そうなんですよ。有元さんの絵はいいですよね。このジャケットの絵は、「真昼の手品」。またこの絵の標題がすばらしい。いつも楽しみにしています。また、ご教示ください。
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Unknown (コメントありがとうございます)
2025-02-07 10:56:14
popotoku 様、コメント感謝です。そうなんですよ。有元さんの絵はいいですよね。このジャケットの絵は、「真昼の手品」。またこの絵の標題がすばらしい。いつも楽しみにしています。また、ご教示ください。
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Unknown (popotoku)
2025-02-04 19:34:12
このバロック音楽のシリーズ。演奏だけでなく、ジャケットの有元利夫さんの絵がすばらしいですね。
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