風邪らしき症状で、もう一か月近くになります。お陰でこの間は、ほとんどランニングは出来ていません。なんとも悲しいことです。最初に医者には来ましたが、まあ風邪だろうと。最初の一週間は、喉の痛み、そして次の一週間は風邪の本格的な症状。そしてそろそろ治ったかな、と思って、3日ほど走ったのですが、それから鼻炎症状が続き、ここ一週間くらいは、再び喉の不快感が加わる、とまあ、困ったことにならねばいいのですが…。加齢か治りにくいのでありました。
そんな中で、今回はヴィヴァルディ。久しぶりですね。ストラヴィンスキーによって「ヴィヴァルディは500曲の協奏曲を書いたのではない。同じ協奏曲を500曲書いたのだ」と酷評されたヴィヴァルディですが、さあ、どれほどの協奏曲が聴けるのかわかりませんが、いくつかのCDによってかなりたくさんの協奏曲を耳にすることができます。確かに、よく似た曲が多いのですが、まあそれはこの時期の他の作曲家にも言えることかな、と思います。虚心坦懐に聴くべし。
と、まあ数ある協奏曲の中で、今回は協奏曲集作品12であります。この6曲からなる協奏曲集はヴィヴァルディが出版させた最後の作品であり、最後の協奏曲集ですね。1729年にオランダ、アムステルダムの出版社ミシェル=シャルル・ル・セーヌから出版されました。6曲中、第3番(RV124)のみ弦楽合奏のための協奏曲(コンチェルト・リピエーノ)で、他は全て独奏ヴァイオリンのための協奏曲となっています。
ヴィヴァルディの演奏となりと、まずは『四季』の演奏のことから、イ・ムジチ合奏団があげられます。確かに、イ・ムジチの演奏は数多くあるのですが、私的には、以前にも取り上げたとおり、同じイタリアのイタリア合奏団の演奏をよく聴きます。この合奏団、ヴィヴァルディの主な協奏曲のどは録音しており、この作品12も1994年7月26-29日に、イタリアのコスタリーニ宮での録音があります。今回はこの演奏であります。
この6つの協奏曲は、すべて三楽章形式で急緩急のものがほとんど。それゆえ同じような印象をもちますが、「多彩なリズム、対位法的諸法、豊かな情感のアリアを思わせる旋律など、型に収まりきらない進取の姿勢が、伝統のリトルネロ様式と見事に手を結んだ傑作」でありますねえ。そして、それをイタリア合奏団の豊かで明るい弦が、見事に歌い上げます。古楽器による演奏もあるんでしょうが、ここはモダン楽器の表現力で、ヴィヴァルディを演奏して欲しいですね。
やはり、南国イタリアの太陽いっぱいに受けた演奏は、たいそう心地よいです。弦楽器の美しさ、華麗さ、表現力、艶ぽい音色。この魅力には抗しがたいものがあります。イタリア合奏団の演奏、他のヴィヴァルディもそうなんですが、私にはこれしか考えられない、と言えば言いすぎでしょうか。確かに6曲の協奏曲、似通った曲想ではあります。長調と短調の違いがあるとは言え…。しかし、どの曲も聴きやすい。細かく気を配りそれぞれの個性を際立たせるのも、またそんなことはまったく気にせず、ひたすら弦楽器の美音に耳を委ねるのもよし、なんです。どちらにつけても、このイタリア合奏団の弦の響きは、実にヴィヴァルディに相応しいです。
そうは言っても、聴き込んでいくと、この演奏、なかなか細部にわたるまでたいそう深く考え抜かれているな、と実感します。強弱、テンポ、表情、合奏など、味付けが実に細かい。3番以外の曲では、独奏と他の合わせかたもとてもうまい。長調の曲の方が、私は好きなんですが、後半の三曲の第2楽章の演奏、曲の個性をそれを表現する独奏と伴奏の絡みはとてもおもしろいし、それぞれ異なる独奏者の味や個性が感じられます。第2楽章を中心に両端楽章を合わせて聴いていくと、それぞれの理解が深まり、演奏のよさも実感できます。それでも一番耳を惹くのは、短調の第1番の第2楽章ラルゴ。フェデリコ・グリエルモの独奏が泣いていますね。第2番の第2楽章ラルゲットもそれに劣らず弦の美音が心に染み込みます。そのあとに長調を聴くと、弦楽器の美しさを満喫できるのでありました。モダン楽器の素晴らしさですねえ。
風邪でどーのこーのと言っても、週末は三週連続の「忘年会」。まだ年内にありそう。出費も大変ながら、毎年のこと。これも楽しみですね。でも、ほんとに今週からは走り出さないと…。
(DENON COCO-70897 2007年)
そんな中で、今回はヴィヴァルディ。久しぶりですね。ストラヴィンスキーによって「ヴィヴァルディは500曲の協奏曲を書いたのではない。同じ協奏曲を500曲書いたのだ」と酷評されたヴィヴァルディですが、さあ、どれほどの協奏曲が聴けるのかわかりませんが、いくつかのCDによってかなりたくさんの協奏曲を耳にすることができます。確かに、よく似た曲が多いのですが、まあそれはこの時期の他の作曲家にも言えることかな、と思います。虚心坦懐に聴くべし。
と、まあ数ある協奏曲の中で、今回は協奏曲集作品12であります。この6曲からなる協奏曲集はヴィヴァルディが出版させた最後の作品であり、最後の協奏曲集ですね。1729年にオランダ、アムステルダムの出版社ミシェル=シャルル・ル・セーヌから出版されました。6曲中、第3番(RV124)のみ弦楽合奏のための協奏曲(コンチェルト・リピエーノ)で、他は全て独奏ヴァイオリンのための協奏曲となっています。
ヴィヴァルディの演奏となりと、まずは『四季』の演奏のことから、イ・ムジチ合奏団があげられます。確かに、イ・ムジチの演奏は数多くあるのですが、私的には、以前にも取り上げたとおり、同じイタリアのイタリア合奏団の演奏をよく聴きます。この合奏団、ヴィヴァルディの主な協奏曲のどは録音しており、この作品12も1994年7月26-29日に、イタリアのコスタリーニ宮での録音があります。今回はこの演奏であります。
この6つの協奏曲は、すべて三楽章形式で急緩急のものがほとんど。それゆえ同じような印象をもちますが、「多彩なリズム、対位法的諸法、豊かな情感のアリアを思わせる旋律など、型に収まりきらない進取の姿勢が、伝統のリトルネロ様式と見事に手を結んだ傑作」でありますねえ。そして、それをイタリア合奏団の豊かで明るい弦が、見事に歌い上げます。古楽器による演奏もあるんでしょうが、ここはモダン楽器の表現力で、ヴィヴァルディを演奏して欲しいですね。
やはり、南国イタリアの太陽いっぱいに受けた演奏は、たいそう心地よいです。弦楽器の美しさ、華麗さ、表現力、艶ぽい音色。この魅力には抗しがたいものがあります。イタリア合奏団の演奏、他のヴィヴァルディもそうなんですが、私にはこれしか考えられない、と言えば言いすぎでしょうか。確かに6曲の協奏曲、似通った曲想ではあります。長調と短調の違いがあるとは言え…。しかし、どの曲も聴きやすい。細かく気を配りそれぞれの個性を際立たせるのも、またそんなことはまったく気にせず、ひたすら弦楽器の美音に耳を委ねるのもよし、なんです。どちらにつけても、このイタリア合奏団の弦の響きは、実にヴィヴァルディに相応しいです。
そうは言っても、聴き込んでいくと、この演奏、なかなか細部にわたるまでたいそう深く考え抜かれているな、と実感します。強弱、テンポ、表情、合奏など、味付けが実に細かい。3番以外の曲では、独奏と他の合わせかたもとてもうまい。長調の曲の方が、私は好きなんですが、後半の三曲の第2楽章の演奏、曲の個性をそれを表現する独奏と伴奏の絡みはとてもおもしろいし、それぞれ異なる独奏者の味や個性が感じられます。第2楽章を中心に両端楽章を合わせて聴いていくと、それぞれの理解が深まり、演奏のよさも実感できます。それでも一番耳を惹くのは、短調の第1番の第2楽章ラルゴ。フェデリコ・グリエルモの独奏が泣いていますね。第2番の第2楽章ラルゲットもそれに劣らず弦の美音が心に染み込みます。そのあとに長調を聴くと、弦楽器の美しさを満喫できるのでありました。モダン楽器の素晴らしさですねえ。
風邪でどーのこーのと言っても、週末は三週連続の「忘年会」。まだ年内にありそう。出費も大変ながら、毎年のこと。これも楽しみですね。でも、ほんとに今週からは走り出さないと…。
(DENON COCO-70897 2007年)
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