今週、勤労感謝の日は職場の恒例の大イヴェントがあまして、本日は代休ということになりました。とは言え、いろいろと仕事が貯まってきているので、ボツボツと家でパソコンに向かって頑張っておりました。いろいろと頭の痛いことだらけの仕事であります。そんなときに郷里の友人から連絡があって、保育所からの中学校まで一緒だった幼馴染みの友人が逝去されたのこと。一昨年正月の同窓会であって以来でした。入院していたとは聴いていましたが、ショックで元気がでません。人生まだまだこれからだ、というときなのに…。さぞ無念なことでしょう。ご冥福をお祈りします。
そんな中、今回はシューマン。最近はあまり聴かなかったのですが、先日なぜが手が伸びました。交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」であります。この曲は、その昔岡山にいるころにレコードでバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏のレコードを買いました。CDになってもたまに衝動的に中古やさんで見つけたら買う、そんな感じでしたかね。今回はラファエル・クーベリック指揮のBPOの演奏。1964年2月24~27日にベルリンで録音されたものです。クーベリックは後年、手兵のバイエルン放送交響楽団と録音しておりますが、それから遡ること15年前の最初の録音です。
シューマンは、この曲を1850年に着手し、1851年2月にデュッセルドルフでシューマンの指揮によって初演されました。ライン地方の生活から作曲されたといわれ、この地に移り住んだシューマンの幸せな新生活を描写しているようです。とはいえ、この曲がシューマンの最後の交響曲となりました。構成は5つの楽章からなっています。それぞれがライン地方を風景などからのインスピレーションで作曲されたものですね。私的には、意識しすぎかも知れませんが、ラインの風景が各楽章で描かれているといった印象を強く持ちます。いかがでしょうか。
さて、この演奏、まず1960年代前半のBPOの演奏が注目されます。BPOはどうもカラヤンの独占物のようで、カラヤンが演奏しない曲はその録音もない、って状況がありました。クーベリックはこの時期からBPOとけっこう録音を残しており、その点でも相性はよかったのでしょうか。BPOの音色も明るく、暖かく鋭角的なところは聴かれませんね。その穏やかな音色が、この曲の苦悩や暗さをそれほど感じないところに、よくマッチしているのでしょうか。クーベリックも、そのあたりをうまく表現しているように思います。大仰な表現に走らず、着実に音を刻んでいくのです。落ち着いた美しさが全編に漂っていますね。第1楽章は、ライン川がとうとうと 流れる様が雄大な印象で描かれています。その力強く覇気に満ちた演奏は、心が洗われるようです。第2楽章はスケルツォ。聴きやすいテーマで始まり、端正なスケルツォ。木管の暖かみのある音は、曲を優しいものにしてくれます。途中の力強いアクセントはまさにドイツの伝統を著すようです。第3楽章、木管の弦の呼応するかのような演奏が展開され、ゆるやかな流れを示すよう。ここでも旋律をしっかり歌わせてくれる。そこから出てくる愉悦感もいいです。しみじみとした演奏が印象的です。第4楽章、ケルンの大聖堂の荘厳さが聴かれるよう。短調の旋律から厳しさが滲み出るような演奏。特に弦が美しい。そして、第5楽章、一転して軽快・明快な終楽章。しかし、弦の響きは重く、それと軽快な旋律の対比がおもしろく聴けます。最後の締めはそんな雰囲気に加えて、威厳が感じられ堂々とした演奏になって終わっていくのも心地よい。
このCDは、現在Dg Originalsでの2枚組で全集として入手できます。OIBPリマスタリングがされてのもので、私のCDよりも音質は向上しているかもしれません。
(DG UCCG-3939 20世紀の巨匠シリーズ ラファエル・クーベリックの芸術 2005年)
そんな中、今回はシューマン。最近はあまり聴かなかったのですが、先日なぜが手が伸びました。交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」であります。この曲は、その昔岡山にいるころにレコードでバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏のレコードを買いました。CDになってもたまに衝動的に中古やさんで見つけたら買う、そんな感じでしたかね。今回はラファエル・クーベリック指揮のBPOの演奏。1964年2月24~27日にベルリンで録音されたものです。クーベリックは後年、手兵のバイエルン放送交響楽団と録音しておりますが、それから遡ること15年前の最初の録音です。
シューマンは、この曲を1850年に着手し、1851年2月にデュッセルドルフでシューマンの指揮によって初演されました。ライン地方の生活から作曲されたといわれ、この地に移り住んだシューマンの幸せな新生活を描写しているようです。とはいえ、この曲がシューマンの最後の交響曲となりました。構成は5つの楽章からなっています。それぞれがライン地方を風景などからのインスピレーションで作曲されたものですね。私的には、意識しすぎかも知れませんが、ラインの風景が各楽章で描かれているといった印象を強く持ちます。いかがでしょうか。
さて、この演奏、まず1960年代前半のBPOの演奏が注目されます。BPOはどうもカラヤンの独占物のようで、カラヤンが演奏しない曲はその録音もない、って状況がありました。クーベリックはこの時期からBPOとけっこう録音を残しており、その点でも相性はよかったのでしょうか。BPOの音色も明るく、暖かく鋭角的なところは聴かれませんね。その穏やかな音色が、この曲の苦悩や暗さをそれほど感じないところに、よくマッチしているのでしょうか。クーベリックも、そのあたりをうまく表現しているように思います。大仰な表現に走らず、着実に音を刻んでいくのです。落ち着いた美しさが全編に漂っていますね。第1楽章は、ライン川がとうとうと 流れる様が雄大な印象で描かれています。その力強く覇気に満ちた演奏は、心が洗われるようです。第2楽章はスケルツォ。聴きやすいテーマで始まり、端正なスケルツォ。木管の暖かみのある音は、曲を優しいものにしてくれます。途中の力強いアクセントはまさにドイツの伝統を著すようです。第3楽章、木管の弦の呼応するかのような演奏が展開され、ゆるやかな流れを示すよう。ここでも旋律をしっかり歌わせてくれる。そこから出てくる愉悦感もいいです。しみじみとした演奏が印象的です。第4楽章、ケルンの大聖堂の荘厳さが聴かれるよう。短調の旋律から厳しさが滲み出るような演奏。特に弦が美しい。そして、第5楽章、一転して軽快・明快な終楽章。しかし、弦の響きは重く、それと軽快な旋律の対比がおもしろく聴けます。最後の締めはそんな雰囲気に加えて、威厳が感じられ堂々とした演奏になって終わっていくのも心地よい。
このCDは、現在Dg Originalsでの2枚組で全集として入手できます。OIBPリマスタリングがされてのもので、私のCDよりも音質は向上しているかもしれません。
(DG UCCG-3939 20世紀の巨匠シリーズ ラファエル・クーベリックの芸術 2005年)