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晩秋のブラームス

2010年11月28日 23時25分38秒 | ブラームス
今年の冬は寒いみたいですねえ。北朝鮮が韓国に砲撃を加えました。米韓合同演習も始まりました。これはいったどうなるんでしょうか。よもや戦争に発展、ということはないでしょうねえ。北朝鮮も、ここまでなら大丈夫というところの行動なんでしょうか。横須賀から米原子力空母も出動。いやー、日本も完全に巻き込まれますよね。そんなときに菅首相、事件が起こったとき、テレビで情報収集をしていたと国会で答弁。日本の国の総理は、テレビでしか情報を入手でいないのでしょうか。なんとなく、お寒い状況であります。晩秋の寒さが身にしみます。

先週は、連休もありこの土日もお休み。仕事が少々貯まってましたので、それをなんとか早々にかたづけてました。その後は月曜日からの仕事への嫌悪感が高まるばかり。あー嫌だ嫌だ、と思いながらの晩秋の日曜日の昼下がり。ブラームスで聴こうか、と思いました。晩秋にはやはりブラームスでしょうか。秋に似合うブラームス。中でもその一番手は、交響曲第4番ホ長調作品98。この曲を聴いて、深まった秋を実感したのでありました。この4番、いろんな演奏に手を出してきましたが、もっとも晩秋を実感できる演奏、ということで選んだのは、カール・シューリヒト指揮バイエルン放送交響楽団による演奏。1961年9月ミュンヘンでの録音であります。

シューリヒトの演奏は、それほど聴いたことがあるわけではありません。宇野功芳氏によれば、モーツァルトとブルックナーの演奏が素晴らしいとのこと。そして、ブラームスの交響曲についても、2番(VPO、シュトゥットガルト放響)・3番(南西ドイツ放響)、そして4番の演奏を聴くことができます。どれも、名盤として名高いものですね。この4番のCDは、もうかなり以前に買ったものです。もう20年も前ではないかと思います。4番の演奏は、他にもVPO(1965年)、フランス国立放管(1959年)、スイス・ロマンド管(1952年)、NDR(1958)のものが残されているようです。

バイエルン放響との演奏、まず音がそれほどよくありません。かなり乾燥気味。特に弦がかなり乾いた音色に聞こえます。それがこの曲の寂寥感を一層際立たせています。全体的にテンポは速め。旋律は、たっぷりの感情を込めて歌われます。それが大仰ではない。そしてここぞというときは、極めて劇的な演奏になっています。そんなところから、この演奏の印象は、たいそう寂しい。そうなんです、北風が吹き出し、木の葉が枯れ落ちるような、まさに秋の情景が思い浮かびます。また、ひとつひとつの楽器が、極めて雄弁で、心のこもった演奏に終始しているところも、ブラームスの音楽が心に染み込んでくるのです。第1楽章、第1主題が切々と哀愁を帯びて歌われます。そこには弱々しさはなく、勇壮な印象も感じる。ところどころでの力強さは、その哀愁を際立たせてくれますね。第2楽章、まずホルンと木管による主題が繰り返し歌われるなかで、木管による演奏がうら淋しさを強調する。そしてチェロによる第2主題もそんな感情を増幅させる。弦の美しい旋律がいくつか重なっていく中でも素直に感じられる。そして、第二主題の弦楽合奏も美しい。バイエルン放響の弦の美しさもいいです。第3楽章、スケルツォ的な楽章。気合いに満ちた、また雄弁な演奏が展開される中で、次第に高揚感に満ちてくる。このあたりのシューリヒトの力量はさすがです。そして、第4楽章、シャコンヌ主題による変奏曲。少々テンポはゆっくりになり、前半は旋律を慈しむような演奏が聴ける。フルートなどの木管の印象深いソロがいいです。そして、後半からは、壮絶な演奏が繰り広げられて気持ちは高ぶっていきます。オケの演奏も充実しています。この第4楽章が最も聴かせてくれますねえ。

シューリヒトの演奏、ベートーヴェンの交響曲全集(パリ音楽院管)を聴いてみたいのですが、なかなか入手できません。そう思っていたらMemoriesから、別の演奏ですが、廉価の全集が発売されるみたいです。是非聴いてみたいと思います。
(DENON COCO-6590 不滅の名演カール・シューリヒトの遺産⑩ 1990)

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