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オイストラフの凄さ

2017年04月09日 12時25分51秒 | ブラームス
転勤してから、一週間たちました。毎日50㎞を通勤しています。有料道路を通ると、45分くらいで行けるのですが、片道410円かかるので、地道で行っています。6時半ぐらいに出て、田舎道なので、渋滞もなく約70分くらいで着きます。快適なドライブですが、やはり少々遠いですねえ。少々郊外の勤務地なので、花粉がひどくなりました。部屋には、先輩方からたくさんの蘭を頂いたので、それからも花粉が飛んでいるかも知れません。でもたくさんのお花を頂き、感謝です。

さてさて、それで今回はブラームス。ヴァイオリン協奏曲二長調作品77です。演奏は、ダヴィット・オイストラフです。オイストラフのこの曲の録音としては、晩年のジョージ・セルとのものが有名ですが、その前にクレンペラーとの録音もあります。 しかし、あまり意識していなかったのですが、オイストラフには、もう一枚1954年に、フランツ・コンヴィチュニー指揮のSKDと録音した演奏がありました。DGの111シリーズの「111ヴァイオリン / レジェンダリー・レコーディングズ」の中に収められていました。このBOX、一万円ほどで42枚組。内容的にも名盤揃いということで、すぐれものであります。

オイストラフについては、他に同じくDGから、「ダヴィド・オイストラフ DG、デッカ、フィリップス、ウェストミンスター録音全集(22CD)」というBOXが出ておりまし、これでほとんど彼の録音はEMIのもの以外は網羅できるのでしょうね。ただモノラル録音が多いのです。22枚中9枚がモノラルということ。1974年に62才で亡くなられましたので、もう少し長生きされたら、と思います。当時のソ連が外貨獲得のために、オイストラフを西側で活動させていたとかで、彼が疲れ果てた末に、アムステルダムで演奏旅行中に客死ということですねえ…。なんだか残念ですねえ。

ということで、この演奏ですが、オイストラフのヴァイオリンがなんとも凄い。よく彼の全盛期は、1950年代と言われますが、まさにその通りで、力強く、惚れ惚れするようなヴァイオリンの美音に終始し、加えて熱にあふれた演奏を聴かせてくれています。セルとの協演でも素晴らしいヴァイオリンを聴かせてくれましたが、これに比べると荒削りのようなところはありますが、それはそれで全盛期の輝きに満ちており、うーん、どちらも素晴らしいですが、私的にはこの録音を取りたいです。加えて、コンヴィチュニーとSKDがこれまたいいですよ。本来このブラームスの曲には、こんなドイツのオケが合っていますし、オイストラフのヴァイオリンにも最適の演奏となっております。録音も、少々古めですが、モノラルでもそれほど気にならないところもいいです。

第1楽章、この楽章はけっこう曲自体に熱気があり、言い方が悪いが暑苦しさがある。しかし、オイストラフのヴァイオリンはそんなことを感じさせないような美音でかつテクニックでさらりと演奏される。しかし、それでも演奏は熱く、妥協を許さない厳しさも感じられる。加えて時折聴かせる優しげな表情にも耳を奪われる。第2楽章、木管を中心にしたオケの演奏のあとのヴァイオリン、これは極上に美音ですし、驚くべき技巧。その凄さには言葉もありませんねえ。オケもうまくヴァイオリンを引き立て、素晴らしいです。しかし、オイストラフの技巧に加えての抒情的な表情も感動的であります。そして第3楽章、一転しての躍動的な楽章。コンヴィチュニーのオケも渋い音色で、ヴァイオリンを引き立てることに終始し、それでいてしっかりとした存在感を示しています。オイストラフは絶好調で、これ以上何が必要かと言う演奏であり、この人の素晴らしいヴァイオリンを存分に聴くことができました。いやはや、なんとも凄いのでした。

しかし、職場が変わるということは、ほんとに大変ですね。いろんなことを勉強しなければいけませんし、人間関係も新たに築いていかねばなりませんし。年を取るとなかなか適応するのに時間がかかりそうで…。でも頑張らないといけません。
(DG 00289 479 6254 111 THE VIOLIN / LEGENDARY RECORDINGS 2016年 輸入盤)

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