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フルトヴェングラーのブラームス交響曲第1番

2021年06月06日 23時43分00秒 | ブラームス
『自主的な研究の成果の発表』とはひどいですねえ。政府は、専門家の意見を何だと思っているんでしょうか。もう誰がどう言おうと、東京五輪はやる!ってこと。太平洋戦争のときもこんな感じだったんでしょうね。有効な感染防止策もなしで、国民の忍耐で何とかしのいでいるのに、まだ政府はそれを台無しにするところに突き進んでいる。満足な治療も受けれず亡くなった人の無念さをどれだけ理解しているんでしょうかね。ほんとに空恐ろしい事態であります。

まあ、それはそれとして、今回はフルトヴェングラーのブラームス交響曲第1番ハ短調作品68であります。このところフルトヴェングラーの演奏はご無沙汰だったんですが、過日GRANDSLAMの板起こし盤を買いましたが、それを久々に聴くと、うーん、これはやはりいいな、と思い、そしてその次に聴いたのがこの曲でした。最近は、フルトヴェングラーの演奏は、板起こし盤で聴くのが多いし、その中でもGRANDSLAM盤は、質量ともに充実していますねえ。

それで、この曲のフルトヴェングラーですが、4つの交響曲の中で最も聴く機会が少ないように思います。他の曲に比べて、この演奏がいい、というものが少ないのでしょうか。とは言え、それなりに演奏が残っています。管見の限りでは9種類。その中で、有名なのは、1947年11月VPOとのスタジオ録音。1951年10月27日のNDRとのライブ。1952年1月27日のVPOとのライブですね。1番有名なのは、1947年のものであり、EMIの全集にふくまれているものです。

これらに対して、今回の演奏は、1952年2月10日のBPOとのライブです。この演奏は国内でも、1976年にDGから発売されたものです。そして、GRANDSLAM盤は、アメリカで発売された19インチ4トラックのオープンリールテープを音源としています。私はDGからのLPやCOは聴いたことがないので、GRANDSLAM盤がどれほどの音質向上かはわからないのですが、GRANDSLAM盤はいつものように非常にいい。オープンリールによるので、ノイズがないし、非常に生々しい音。やはり、音の状態がどうかで、演奏の理解もずいぶん異なりますよねえ。

この演奏は、それほど評価されなかったものでした。音質も良くないし、パッとしないというとこでしょうか。しかし、GRANDSLAM盤で聴くと、音もよくなったこともあって、ブルトヴェングラーらしさがよく出ているし、熱気や緊張感もよく伝わり、非常に満足度このうえない演奏なのでありました。音源は定期演奏会の演奏ですが、ライブのよさも感じられます。BPOの実に堅実な演奏にも、大満足であります。私的には、こんな演奏を聴くと、他の指揮者の演奏は聴く気にならいと思うのでありました。やはり、ブルトヴェングラーはいいですねえ。

第1楽章、冒頭からゆったりとしたテンポで実におどろおどろしい雰囲気。ティンパニの強打も凄まじさを増してくる。主部に入っても力強さ満杯。それに凄絶さも加わり、独特の緊張感。これがブルトヴェングラーの魅力。そしてBPOの少々暗めですが、実に味わい深い音色。第2楽章、ブルトヴェングラーの緩徐楽章の素晴らしさ。実にダイナミックに音楽がうねる。それがたいそう効果的で、心に染み込んできます。効果的なテンポの揺れ動き、それぞれの楽器の生き生きとした演奏がこれまた素晴らしいのであります。第3楽章、出だしのゆったり感が次第に盛り上がりを見せていく中で、テンポや強弱が効果的に変化。次の楽章の展開に期待感が高まりますね。そしていよいよ第4楽章。序奏は、第1楽章の再現か。ゆったりと進む。次第に緊張感と期待感が増していく。その中で管楽器がとてもいい響き。そして主部に入ると、実に明るくそれまでの混沌佐を払拭するように、高らかに歌う。この演奏や空気感の変化がとてもいい。そして緊張感は継続され、力強い演奏が展開されていきます。コーダまでの爆発でも、圧倒的な高揚感に満ちあふれ、最後は、やはりブルトヴェングラーの素晴らしさを再認識するのでありました。

もう、50日を切ったので、五輪中止はないでしょうね。やるなら「無観客」で、と思いますが、まあ、そうはならないように思います。「安全安心なオリンピック」に果たしてなるのでしょうかねえ。
(GRNDSLAM GS-2048 2010年)

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