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ヴァントのブラームス 4回目

2020年07月12日 19時32分10秒 | ブラームス
先週は、やはり豪雨災害でしたね。神戸市でも二日間警報が発令されました。なんだか毎年、6月末から7月はじめにかけては、日本のどこかで豪雨災害が起こるようになりましたねえ。それも複数の地域で起こるようになりましたねえ。熊本の豪雨、まさに津波のような威力です。津波や台風は、被害が起こることがある程度予測できますが、この豪雨はどこがどうなるかがなかなか予測できないですかねえ。温暖化の結果でしょうが、実に恐ろしいことです。

そんな中で、今回はブラームスです。このところ、交響曲でよく聴くのが、ブルックナーの5番とブラームスの4番。特に、ブラームスはいいなあ。4曲の交響曲は、何者にも代え難い魅力がある、なんて今頃言っても当たり前ですねえ。夏に向かうこの時期、秋でもないのにいろんな演奏を聴いて、喜んでおります。そんなことで、今回は交響曲第4番ホ短調作品98であります。4曲の中では、やはり4番がいいですねえ(とってもその時の気分でかわります笑)。

いろいろな演奏を聴く中で、私はけっこういい加減なので、例えば、この4番でもフルトヴェングラーを聴けば、これが一番と思い、ワルターを聴けばこれぞベスト。チェリビダッケならこれしかないよ、とか、まあそんなことなんですねえ。おそらくは、この3人に加えて、セル、ザンデルリンクもイイと言っていたんでしょう。しかし、最近ご無沙汰で久々に聴くと、そのよさも気づいてしまったのが、ギュンター・ヴァントの演奏なのでありました。

ヴァントのこの曲の録音は、まず1985年代のNDR、そして1997年のNDRが有名というか生前に出ていたもの。その他、没後に発売されたのProfilからの1990年のNDRライブ、1994年のベルリン・ドイツ響とのライブがあります。1985年のものは、実に素っ気ないテンポも快速で即物的な演奏でしたが、そのあとの1997年のものは、ヴァントの名声が頂点に達しようとしていて時期のもので、今聴いてみると、やはりこの演奏がヴァントのベストと思うのでありました。ただ1985年の演奏の私は密かに魅力を感じておりますが…。とりあえず、1997年12月7-9日ハンブルクのムジークハレでのライブ録音です。

この4番は、全集として出されるはずが、この4番の演奏がヴァントの急病で延期になり、1~3番が二枚組でだされ、そのあと4番のみが発売されました。そしてこの演奏、1985年盤に比べて3分ほど遅い。ところどころでのここぞというところでの旋律をゆったりと歌い上げるというところが目立ってきた。それよって、随分演奏に優しさが感じられ、味わいが深くなった。まあ晩年のヴァントの特徴でもあるが、それが演奏も魅力を倍増させた。そして、ヴァント特有の厳しい妥協のない演奏は以前と同じ。演奏の緊張感も高い。またNDRのもこのヴァントの前では、たいそういい響きとその要求に応える充実した演奏を展開してくれます。本当にこの演奏は聴き応えがありますし、4番の演奏の中で大好きなものであります。

第1楽章、冒頭から造型のしっかりした引き締まった演奏が聴かれる。いかにもヴァントらしい。そしてライブでも実に完成度が高い。そして、ブラームスの旋律が心に染み込むような演奏が展開されます。第2楽章、もっともテンポが遅くなった楽章。この楽章が一番の圧巻。ゆったりとしたテンポで噛み締めるような演奏で音楽的な喜びを感じさせてくれます。ゆったりと響きを押さえての展開の中での喜びが伝わってきます。実にいい。第3楽章でも、厳しさに満ちた構成がとてもよく妥協のない演奏に共感があふれる。緊張感は心地よい。そして、終楽章。ジャコンヌの変奏曲。この楽章も素晴らしい。変奏が進む中、NDRの素晴らしい音色がいろんな形で聴け、どんどん熱気が高まっていくのがいいですねえ。この楽章の凄さが実感できます。一つ一つの変奏が実に生気にみち、生き生きとした生命力を感じます。そして最後に向かって高揚感と盛り上がり。緊張感も加わります。この心地よさは格別であります。

なんだか、ブラジルやアメリカみたいと言えば大袈裟でしょうか。コロナ感染者、増加の一途。経済優先で政府と都知事も自覚ある行動要請と注意喚起のみ。今週中には、東京が300人台。大阪が三桁を達成しそう。若者や夜の街感染、そして検査数の増加などを指摘するが、周囲への拡散は避けられない。加えて、Go to キャンペーンとかも開始?。感染や死亡も自己責任なんでしょうね。もはや、無い袖は振れないのでしょうか。
(RCA BVCC34001 1998年)

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2 コメント

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Unknown (クレモナ)
2020-07-18 22:25:23
ブラームスの交響曲は、オーケストラが重要です。明るい音色では、影ができません。技術的に、バリバリ弾けたからといって、ロマン性を表現できません。もちろん、技術の劣るオーケストラでは、深い響きが得られません。難しいです。
そこで、ヴァント/NDRの組み合わせですが、これは、正に理想的だといえます。ブラームスだけでなく、ブルックナーも同じことが言えます。この第4番は、古典的な要素がありますので、NDRの音色が、もう最高で、ヴァントがキリリと、コントロールしていますね。私も、大好きな演奏です。
1兆円以上も使って、キャンペーンを行う、Gotoトラブル、いやトラベル、始まる前から、つまずきですが、始まってからも、還付手続きで、また、問題が起きそうですね?感染は、収まるどころか、倍々で増え続けています。医療崩壊が起きそうですね。まさか、政権は、この状態を投げ出したりしないでしょうね?心配です!
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2020-07-19 21:55:35
クレモナ 様、コメント感謝です。やはり、ヴァントのNDRの組合せはいいですねえ。この組合せでのベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーはどれも実にいいです。やはり北ドイツのオケに相応しい音色がブラームスに合うのですね。
しかし、Go t0でこけたら、もう政権もこけそうですね。ご指摘のとおり、安倍さんが急病になったりして…。どにかく、この難局、指導力を発揮して乗りきって欲しいかな、と思います。またご教示ください。、
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