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ベームのチャイコフスキー・ライブ

2011年05月18日 23時29分10秒 | チャイコフスキー
少し前のことですが、車を買い換えることを述べたと思うのですが、紆余曲折を経て私が買うのではなく、娘が買うことになったということでした。しかし、その後いろんなことから、今の車に乗り続けると、車検やタイヤ、タイミングベルトの交換などで、30万円くらいは必要、となりそうだ、ということを理由に、もう新車を買おうや、ということになりました。今の車は11年目で21万㎞ほど走っているのでねえ。娘の新車をみたら、段々欲しくなりました。しかし、いろいろと問題が発生し、なかなか困難な状況が生じてきまして…。この続きは、次回へ、ということにします。お楽しみに…。

そんなわけで、今回は久しぶりにチャイコフスキーであります。1年の少し振りであります。職場の同僚のブラバンをやっている人も、チャイコは好きでだそうです。そして、ロシアのオケの金管に感動する、ということです。こんなパターンの人って多くないですか。かくいう私もその考えには大いに共感します。ムラヴィンスキー、スヴェベトラーノフ、まさに鋼鉄の金管の響きを駆使したチャイコを聴かせてくれています。しかし、今回のチャイコは、ロシア系ではありません。ドイツの巨匠、そうです、カール・ベームによるチャイコフスキーの交響曲第4番ヘ短調作品36であります。

ベームのチャイコは、ロンドン管との交響曲4~6番の演奏がありました。なかなかロシア系とは異なっており、ドイツ風のチャイコとでも言うのでしょうか、かなり渋い表情などを巧に表現しておりました。しかし、今回はこの演奏ではなく、チェコ・フィルハーモニー菅との演奏。1971年8月8日ザルツブルグ音楽祭のライブ。このCDは2枚組で、1枚目にはエミール・ギレリスとの共演のベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』とリハ-サルが収められています。この『皇帝』も興味深いものなのですが、このライブでは、やはりなんといっても4番の演奏でありますよねえ。

この演奏、いやー凄いです。まさにライブで燃えたベームであります。まず第一に、全体を通してのテンポが速い。ロンドン響盤に比べれば、3分も長いです。ただそれほどの長さは感じませんが…。というよりも、ロンドン響盤がゆったりしているのでしょうねえ。第二に、非常熱い演奏。各楽器が力の限りの演奏を展開しています。特に、両端の楽章は凄絶な演奏になっていますね。また、その楽器の演奏はたいそう生き生きとして、表情も豊かであります。第三に、やはりベーム、外見は金管もエネルギー爆発、木管もチャイコの曲にふさわしく、なんとも頑張っています。しかし、そうは言っても、少々異なったチャイコ。それは、楽器の歌わせ方に違いがあります。力任せの印象をもつのとは違い、楽器の個性やよさが大変巧く表されているのです。第1楽章、冒頭から金管の叫びからして、この熱さを実感する。木管の表情も豊かです。憂いに満ちた弦と続き、加えての何度かの爆発も表れ、曲は深まって行く。ロシア風の濃厚さをそれほど感じさせないところも、よかったり、物足りなかったりですね。でも、壮絶な演奏には心が揺さぶられます。そして、第2楽章、すすり泣くような旋律、それほど深刻な表情もないが、心に響くことでは、他に負けない演奏ですよ。チェコ・フィルの弦はなかなかいいです。第3楽章スケルツォの三部形式。ピチカートの響きもなかなかの感動もの。透明感のあるところも、優れものです。そして、第4楽章、再び爆発。チェコフィルの演奏もベームの一気呵成の展開に十二分に対応しているのには、脱帽させられます。曲が進むにつれて、高揚感がたっぷりになっていき、それは最後まで、途切れることはありません。終わったら、さわやかな高揚感が満足感になります。

やはり、ベーム。ライブでは燃えに燃えでしょうか。こんな二面性のある指揮者はいいですねえ。また、他にもライブが残ってはいないのでしょうか。
(ORFEO DOR CL ORFEOR608032 2003年 輸入盤))

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